おはようございます。今日はゴードン・ライトフットの「心に秘めた想い(If You Could Read My Mind)」です。
If you could read my mind, love
What a tale my thoughts could tell
Just like an old time movie
'Bout a ghost from a wishin' well
In a castle dark or a fortress strong
With chains upon my feet
You know that ghost is me
And I will never be set free
As long as I'm a ghost you can't see
If I could read your mind, love
What a tale your thoughts could tell
Just like a paperback novel
The kind the drugstores sell
When you reach the part where the heartaches come
The hero would be me
But heroes often fail
And you won't read that book again
Because the ending's just too hard to take
I'd walk away like a movie star
Who gets burned in a three-way script
Enter number two
A movie queen to play the scene
Of bringing all the good things out in me
But for now love, let's be real
I never thought I could act this way
And I've got to say that I just don't get it
I don't know where we went wrong
But the feeling's gone and I just can't get it back
If you could read my mind, love
What a tale my thoughts could tell
Just like an old time movie
'Bout a ghost from a wishin' well
In a castle dark or a fortress strong
With chains upon my feet
But stories always end
And if you read between the lines
You'll know that I'm just tryin' to understand
The feelings that you lack
I never thought I could feel this way
And I've got to say that I just don't get it
I don't know where we went wrong
But the feeling's gone and I just can't get it back
***********************************************
もし君が僕の心を読めたなら、愛しい人よ
僕の思いがどんな物語を語るのだろう
まるで古い映画みたいに
願いの井戸から現れた幽霊の話さ
暗い城や強固な要塞の中で
足は鎖で縛られて
その幽霊は僕なんだ
そして僕は決して解き放たれることはないのさ
僕が君には見えない幽霊でいる限り
もし僕が君の心を読めたなら、愛しい人よ
君の思いがどんな物語を語るのだろう
まるでドラッグストアで売っているような
ペーパーバックの小説みたいに
君の心が傷む場面に差し掛かるとき
そのヒーローは僕かもしれない
でもヒーローはしばしば失敗するもの
そして君はその本を二度と読まないだろう
結末があまりに辛すぎるから
僕は映画スターのように立ち去るだろう
二人目が登場する、三人がからむシナリオで
酷い目にあったスターのように
そのシーンを演じる映画の女王が
僕の中の素晴らしい部分を引き出してくれるだろう
でも今は、愛しい人よ、現実の話をしよう
僕はこんな風に振る舞えるなんて思ってもみなかった
全く理解できないと言うしかない
僕たちはどこで間違ったんだろう
だけど、あの感情はもう消えてしまって取り戻せないんだ
もし君が僕の心を読めたなら、愛しい人よ
僕の思いがどんな物語を語るのだろう
まるで古い映画みたいに
願いの井戸から現れた幽霊の話さ
暗い城や強固な要塞の中で
足は鎖で縛られて
でも、物語にはいつか必ず終わりが来る
君が行間を読めば分かるだろう
僕がただ君に欠けた感情を理解しようとしていることを
こんな風に感じるなんて思ってもみなかった
全く理解できないんだ
僕たちはどこで間違ったんだろう
だけど、あの感情はもう消えてしまって、取り戻せないんだ
(拙訳)
<広告>
ゴードン・ライトフット「心に秘めた想い(If You Could Read My Mind)」ヤマハぷりんと楽譜はこちら ![]()
*****************************************
欧米での評価に対して、日本ではあまりに認知されていない、そんなアーティストは少なからずいますが、ゴードン・ライトフットはその最たる存在かもしれないですね。
彼はカナダ出身で最も成功したフォーク・シンガーであり、3歳下のボブ・ディランは彼のことをこう語ったそうです。
「ゴードン・ライトフットの曲で嫌いな曲なんて何一つ思いつかない。彼の曲を聴くたびに、その曲が永遠に続けばいいのにって思うんだ......ライトフットは長い間、メンターになっていた。たぶん今でもそうだと思う」 (FAR OUT 14 April 2023 )
”ボブ・ディランのメンター”!とんでもない存在です。神様のメンター、なんですから。。。
とか言っている僕も彼の音楽に詳しいわけじゃありません。ただ、時おり耳にすると、ああやっぱりいいなあといつも思うんですよね。目立つような強いクセはないのですが、曲はメロディアスでシンプル、表現も難解ではなく親しみやすいけれど、作家性そして品格がきちんと守られている。あらゆるバランスがこれほどとれたアーティストも珍しいと思います。そして、何より声がいいんです。マッチョじゃない、男らしさ、があります。B.J.トーマスに近い響きを感じます。 バランスが良すぎるから、同じ60年代〜70年代に活躍した、ひとくせもふたくせもあるアーティストたちより目立ったなかったのかなとも思いますが。
ライトフットは1938年にカナダのオンタリオ州オリリア生まれ。母親が彼の音楽の才能を早くから見抜き、子供の頃からパフォーマーとして育て上げたのだそうです。少年時代には合唱団でボーイソプラノとして活動し、地元のラジオに定期的に出演したり、さまざまなイベントで歌っていました。また、早くからピアノ、ドラムやパーカッションをマスターし、高校時代にはフォークギターも独学で習得し、スティーブン・フォスターに大きな影響を受けたそうです。20歳になるとジャズと編曲を学ぶため、ロサンゼルスに移り住み2年間音楽学校で学びました。
カナダに戻った後、彼はトロントでフォーク・ミュージックの拠点となっていたコーヒーハウスで知名度を上げ、1961年には2枚のシングルをリリース。1964年頃から彼の曲を取り上げるアーティストが増え始めます。その中でも、今でも人気の高い曲が「朝の雨(Early Morning Rain)」。
今回は知名度の高いピーター、ポール&マリーのカバーを。
この曲は、ボブ・ディランが「セルフ・ポートレイト」で取り上げ、エルヴィス・プレスリーもカバーしている他、ニール・ヤング、ポール・ウェラーなどロックの巨人たちが好んでカバーしていますし、個人的にはエヴァ・キャシディのカバーが良かったです。
ソングライターとして、いろんなアーティストに取り上げられながら、シンガー・ソングライターとしてはなかなか成功することができなかった彼ですが、レコード会社を移籍することですかさず名声を手にします。その記念すべき最初の大ヒット曲がこの「心に秘めた想い」でした。
1971年に全米チャート5位まで上がるヒットになったわけですが、間髪入れず、凄まじい勢いでカバーもされました。バーブラ・ストライサンド、グレン・キャンベル、アンディ・ウィリアムス、ジョニー・マティス、オリビア・ニュートン・ジョン、スキータ・デイヴィス、ジャック・ジョーンズ、こういったビッグネームたちが、みな同じ1971年にこの曲をカバーしているんですね。
また、1987年、ホイットニー・ヒューストンの「Greatest Love of All(グレイテスト・ラヴ・オブ・オール)」が大ヒットした時に、ライトフットは曲の一部が盗用されているとして、作曲家のマイケル・マッサーを訴えたそうです。
And I will never be set free As long as I'm a ghost you can't see
のところのメロディがかなり近いですね。しかし、ライトフットはこの訴訟がソングライターではないホイットニーの評判まで傷つけることを懸念して訴訟を取り下げ、マッサーは公的に謝罪し、最終的に和解したのだそうです。
たくさんのアーティストからカバーされていたこの曲が、再び大きく注目を集めたのが、思いもしないような解釈のカバーでした。ダンス・ミュージックになったんです。
1998年の映画 『54 フィフティ☆フォー(54)』で使われ、ライトフットの本国カナダで3位、ビルボードのダンスチャート(Dance Club Songs)でも3位まで上がった、STARS ON 54のカバーがこちらです。
ライトフットはその後も息長く活動を続け、2023年5月に84歳で亡くなっています。
彼のことを”生涯の音楽的ヒーロー”だと言っているビリー・ジョエルはインスタでこの「心に秘めた想い」を弾き語って追悼していました。昨日のブログでご紹介した「シーズ・オールウェイズ・ア・ウーマン」はライトフットのような曲を書きたいと思って作ったのだと言われています。

<広告>
ゴードン・ライトフット「心に秘めた想い(If You Could Read My Mind)」ヤマハぷりんと楽譜はこちら ![]()