おはようございます。今日はパフ・ジョンソンの「オーバー・アンド・オーバー」です。
So you stood there on the corner
With your suitcase in your hand
Ready to quit this place
There were just too many people
With too little left to lose
You were just one more face
But you weren't born to give up easy
You weren't raised to just lie down
And you saw the sun that rises up for more
Over and over
You watch the wave that wears away the shore
Over and over again
And if there's any justice in this world
Gotta keep fighting on
Over and over
They say God always forgives us
But can we forgive ourselves
If we let our hope die
Cause if passion is a weakness
And silence is a strength
Who's gonna hear the cry?
So we gotta climb the highest mountain
We gotta shout for all to hear
And we'll see the sun that rises up for more
Over and over and over
And we'll feel the wave that wears away the shore
Over and over and over again
And if there's any justice in this world
Gotta keep moving on
Over and over
You gotta keep fighting on
Over and over
All that we dream can come to be
All that we lost we'll find if we
Just strike the match
And fan the flame
We'll build a blaze
That lights the way
We'll be the sun that rises up for more
Over and over
We'll be the wave that wears away the shore
Over and over again
And if there's any justice in this world
You gotta keep moving on
Over and over
Gotta keep fighting on
We'll be the star that rises up
Over and over、、、
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だから、あなたは曲がり角に立った
スーツケースを手にしながら
この場所を離れる準備はできた
ここは失うものがほとんどない人があまりに多すぎる
今までのあなたは、ただのもう一つの顔
だけど、あなたは簡単に諦めるために生まれたわけじゃないわ
ただ、屈服するために生きてきたわけじゃない
あなたは太陽がまた昇ってゆくのを見た
何度も何度も
波が岸をすり減らすのを見つめていた
何度も何度もくりかえして
もしこの世界に正義があるのなら
闘い続けなきゃいけないの
何度も何度も
神様はいつも私たちを許してくださるという
だけど、もし希望を死なせてしまったら
私たちは自分自身を許すことができるのかしら
だって、もし情熱が弱みで
沈黙することが強さなのだとしたら
誰が悲しみの声を聞くというの?
だから私たちは一番高い山に登らなきゃ
みんなに聞こえるように大声を出さなきゃ
私たちは太陽がまた昇ってゆくのを見るでしょう
何度も何度も
海岸をすり減らしてゆく波になるの
何度も何度もくりかえして
もしこの世界に正義があるのなら
前に進み続けなきゃ
何度も何度も
闘い続けなきゃいけないの
何度も何度も
夢見たことはみんな現実になるはず
失ったものは全部見つかるでしょう
マッチを擦って 火を煽って
この道を照らす炎にしましょう
私たちはまた昇ってゆく太陽になる
何度も何度も
波が岸をすり減らすのを見つめていた
何度も何度もくりかえして
もしこの世界に正義があるのなら
前に進み続けなきゃ
何度も何度も
闘い続けなきゃいけないの
私たちは空を昇る星になる (拙訳)
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この曲は映画「ファースト・ワイフ・クラブ」(1996)のプロモーション用で書かれたものでした。映画の内容は夫に裏切られた三人の女性が夫に復讐するというコメディ。ベット・ミドラー、ダイアン・キートン、ゴールディ・ホーンと芸達者な女優がそろっていました。
楽曲のプロデューサーは、ヴァネッサ・ウィリアムスの「Save the Best for Last」で知られるキース・トーマス。そして、ソングライターには「Save the Best for Last」の共作者であるフォル・ガルドストン(Phil Galdston)も加わっています。
この曲を歌っている パフ・ジョンソンは1996年にデビューしたR&Bシンガーです。彼女はR&Bのメッカ、デトロイトで生まれ、2歳からヴォーカル・トレーニングを受け、13歳のときにはモータウンと契約する(リリースまでは至らなかったようです)ほどのレベルになっていたようです。
また、ダンサーとしても正規のトレーニングを受け、ニューキッズ・オン・ザ・ブロックの大ヒット曲「ステップ・バイ・ステップ」のPVの振付師の一人として参加しています。
デビュー前には、数々のコーラスワークをこなしながら、当時HIPHOP界の最大のカリスマだった2Pacの楽曲「Me Against The World」にボーカルとして参加するなど、前煽りもできていました。
そんな彼女にレコード会社が期待したのが『第2のマライア・キャリー』でした。
そして、マライアのプロデューサー、ウォルター・アファナシエフやホイットニーのプロデューサー、ナラダ・マイケル・ウォルデン、当時新進気鋭のプロデューサーでその後、ジャネット・ジャクソンなどを手掛けるジャーメイン・デュプリなど錚々たるメンツが彼女の元に集まりました。
デビュー曲「フォーエヴァー・モア」はナラダがプロデュースした楽曲でした。派手さはありませんが、ただただ、まっすぐに心に届くようなバラードでした。
しかし、アメリカのチャートは最高63位と、”第2のマライア”としては期待はずれの結果で終わってしまいました。しかし、オーストラリアやニュージーランドではヒットしたという記録が残っています。
では、日本ではどうだったかというと、実はレコード会社の担当は僕だったのですが、日本でも力を入れて来日プロモーションをやり、FMを中心にヒットしCDは5万枚以上売れたと記憶しています。
ただ、第2のマライアというのは、彼女の持ち味とは違いすぎました。もちろん、第2のホイットニーでもないですが(そもそも第2のというキャッチコピー自体、レコード会社の意欲が伝わるだけで、本人にとっては百害あって一利なしなのですが、、)
彼女の歌は、マライアやホイットニーやセリーヌ・ディオンのように、力でねじ伏せるものではなく、あくまでもまっすぐな瑞々しさが魅力でした(人柄も気さくでとてもチャーミングでした)。そして、集まった凄腕プロデューサーたちも、あくまでも彼女の歌の持ち味が最も映えるような仕事をしました。
その結果、彼女のアルバム「ミラクル」は、25年も前の当時としてもめずらしいほどオーソドックスで”端正”なアルバムになっています。
アメリカの市場では、それがすごく”保守的”で”ツカミが弱い”とられてしまい、セールスの不振につながったのかもしれません。
でも、だからこそ、当時の担当者が言うのもなんですが、今聴いても彼女の音楽のみずみずしさ、まっすぐさは風化していないと思います。
この「オーバー・アンド・オーバー」は、アメリカでは118位で終わりましたが、イギリスでは20位、前作同様オーストラリア、ニュージーランドでヒット、ノルウェイでは10位になっています。
また同じ1997年、オークランドの三人組R&Bグループ、Somrthin' For The Peopleの「Feel So Good」という曲ではフィーチャリング・アーティストとして心地よいコーラスを聴かせてくれました。
彼女はマイケル・ジャクソンの前座としてヨーロッパをツアーでまわったようですが、それ以降彼女の情報は途絶えてしまいます。
21世紀に入って彼女は裏方として少しずつ仕事を始めていて、2001年には女性二人組Pam&Dodiに「Give Him a Chance」という楽曲を提供しています。
2004年にはラッパーのI-20の「Kisha」という曲を共作、コーラスも彼女だと思われます。
2005年にはソウル・デーヴァ、リーラ・デイヴィスのデビューアルバムで3曲共作しています。
「Good Time」
そして、2013年に彼女が癌で亡くなったというニュースをネットで流れました。まだ40歳でした。
ネットの記事で知った晩年の彼女の人生は、ほんのわずかな期間交流しただけの僕にとってもとてもつらいものでした。2006年に婚約していた音楽プロデューサーがバイク事故で亡くなり、その後ライヴで訪れた南アフリカの人々の歓迎ぶりに感激し彼女は移住しますが、そのころに子宮頸がんを発症してしまいます。彼女には歌手の恋人ができますが、彼はかなりの薬物障害で病気の彼女の看病もきちんとできなかった、とある記事には書いてありました。
そして、ビザの書類の手違いがあったのでしょう、彼女は南アフリカを出国せざるを得なくなり、最後の日々はアメリカで過ごしたようです。
アルバム一枚で終わるような才能ではなかった、それはもう断言できます。ただ、彼女が一枚だけ残した「ミラクル」というアルバムは、今の時代にあらためて聴いてみると、濁ってしまいそうな心が洗われるような”みずみずしさ”があるように思います。 YouTubeのコメント欄を見ると、世界中に熱心なファンがいて今もなお彼女を惜しむ言葉を書き込んでいます。
そのアルバム「ミラクル」から2曲ほどご紹介して終わりにしたいと思います。
セカンドシングル「All Over Your Face」この頃グングン頭角を表してきたプロデューサー、ジャーメイン・デュプリとの作品。
マライアを売り出したプロデューサー、ウォルター・アファナシエフと組んだ「Love Between Me & You」。こういうメロウ・グルーヴは日本人好みな気がします
