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「ドクター・マイ・アイズ(Doctor, My Eyes)」ジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)(1972)

 おはようございます。

 今日はジャクソン・ブラウンの「ドクター・マイ・アイズ」です。

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Doctor, my eyes have seen the years
And the slow parade of fears without crying
Now I want to understand

I have done all that I could
To see the evil and the good without hiding
You must help me if you can

Doctor, my eyes
Tell me what is wrong
Was I unwise to leave them open for so long?

'Cause I have wandered through this world
And as each moment has unfurled
I've been waiting to awaken from these dreams

People go just where they will
I never noticed them until I got this feeling
That it's later than it seems

Doctor, my eyes
Tell me what you see
I hear their cries
Just say if it's too late for me

Doctor, my eyes
They cannot see the sky
Is this the prize
For having learned how not to cry?

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先生、僕の目はこの何年も
恐怖がゆっくり行進していくのを
泣き叫びもせずに見て来ました
どうなっているんでしょう?
隠れもせずに
悪いことも良いことも見ようと
やれることは全部やってみました
できるなら僕を助けてください

先生、僕の目は、、
どこが悪いのか教えてください
こんなに長く目を開けっぱなしにしていた
僕がバカだったんでしょうか?
この世界をさまよってきて
目の前に何かが見えるその瞬間ごとに
それは夢だと思って、
覚めるのを待ち続けてきたんですから

みんなただ行きたい場所に行っているだけ
見えているよりも、
ずっと手遅れなのかもしれない
と感じるようになるまで
それに全然気づきませんでした

先生、僕の目は、、
何を見たらいいんですか?
僕の目が叫んでいるのが聞こえます
もし手遅れなら、そう言ってください
先生、僕の目は
空が見えないんです
これは泣かない方法を学んだ僕への
ごほうびなんでしょうか?    (拙訳)

 

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 この曲はジャクソン・ブラウンのデビュー・アルバムからの最初のシングルで全米8位のヒットになりました。全米チャートのトップ10に入った曲は、あとは「誰かが彼女を見つめてる(Somebody's Baby)」(1982年全米7位)だけなので、彼にとっては数少ない”ヒット曲”でもあり、ライヴでも欠かせない人気曲でもありますが、決して彼の代表曲として上位にくるものではありませんでした。彼には名曲とされるものは他にたくさんありますから。

 しかし、今日ふとSpotifyを見たら彼の曲の中で人気が1位、Apple Musicでも3位になっていて、これはきっと今の時代に合うものがこの曲にあるのかな、と思ってあらためて訳してみたらまったく”どんぴしゃ”な感じでした。

 ジャクソン・ブラウン本人は、(たぶん)ドラッグの影響で目がひどく充血してよく見えなくなったことがあって、それをきっかけに書いた曲で、結果としてイノセンスの喪失のメタファーになったと語っています。

(参考:ポール・ゾロ著「インスピレーション」)

 ”イノセンスの喪失”、若者が大人になってゆくとともに、純粋さを失い、現実の酷い面が見えるようになってゆく、その戸惑いを歌った歌ということなんでしょう。

 でも、今の時代で聴くと、日常テレビやネットで目にするニュースを見ると、自分の目がおかしいんじゃないか、って思ってしまって、そういう気持ちを歌った歌のように響いてきます。

 たいへん悲観的な歌ですが、もともとはもっともっと暗い内容だったようです。

「1971年の夏に、彼がこの曲をファーストアルバムで録音するまでに、彼は歌詞を書き直し、一番悲観的なところを削除した」 (All Music)

 そして、レコーディングの際して、アレンジを軽快にし、キャッチーなリフを加えポップな方向にもっていったそうです。

  そのアレンジに貢献したのがジェシエド・デイヴィス(ギター)、ラス・カンケル(パーカッション)、そしてコーラスに加わったデヴィッド・クロスビー、グラハム・ナッシュといった面々でした。

 軽快にキャッチーな方向にしたというのは、ただ売れやすくなったということだけじゃなく、悲観的な歌詞が”皮肉”に聴こえるというメリットがあったのだと僕は思います。この歌詞を、弾き語りでしみじみ歌われたら、ちょっと気が滅入りますよね、きっと。

 当時無名の新人のデビュー・ヒットをすかさず、カバーしたのがジャクソン5でした。”ジャクソンつながり”でいち早く目をつけたってことはないでしょうが(すみません、、)、ジャクソン・ブラウンのシングルが出て2~3ヶ月後にリリースしたという早業。ヨーロッパではシングルにもなったようで、全英9位のヒットになっています。

 いつものように、マイケルの独壇場かと思ったら二番は(たぶん)ジャーメイン・ジャクソンがメインを歌っています。

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 あと、ベン・フォールズが2002年の映画「バンガー・シスターズ」用にこの曲をカバーしています。思ったよりストレートなカバーです。

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 追記:2023年にYouTubeの「Playing For Change」というチャンネルでこの曲をジャクソンが演奏しています。ラス・カンケル、リーランド・スカラーというレジェンド・ミュージシャンをバックに演奏しながら、世界中のミュージシャンの映像を交えてセッションしていくような企画。中盤からは日本を代表するギタリストが登場!ぜひご覧になってみてください。

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