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「神のみぞ知る(God Only Knows)」ザ・ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)(1966)

 おはようございます。今日はビーチ・ボーイズの「神のみぞ知る(God Only Knows)」です。


God Only Knows (Remastered)

I may not always love you
But long as there are stars above you
You never need to doubt it
I'll make you so sure about it
God only knows what I'd be without you

If you should ever leave me
Though life would still go on, believe me
The world could show nothing to me
So what good would living do me
God only knows what I'd be without you

God only knows what I'd be without you
If you should ever leave me
Though life would still go on, believe me
The world could show nothing to me
So what good would living do me
God only knows what I'd be without you

God only knows what I'd be without you
God only knows what I'd be without you
God only knows what I'd be without you
God only knows what I'd be without you (God only knows)
God only knows what I'd be without you (what I'd be without you) 

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どんな時も君を愛するとは言えないかもしれない
だけど、君の上に星がある限り
疑う必要はないんだ
それをしっかり確信させてあげるよ
神さましか知らないんだ
君がいないと僕がどうなってしまうかは

もし君が僕のもとを去って
それでも人生が続いたとしても、信じてほしい
この世界に僕が見たいものなんて何もない
そんな人生のどこがいいんだろう
神様しか知らないんだ
君がいないと僕がどうなってしまうかは

もし君が僕のもとを去って
それでも人生が続いたとしても、信じてほしい
この世界に僕が見たいものなんて何もない
そんな人生のどこがいいんだろう
神様しか知らないんだ
君がいないと僕がどうなってしまうかは

神様しか知らないんだ
君がいないと僕がどうなってしまうかは  (拙訳)

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 ビーチ・ボーイズブライアン・ウィルソンの音楽的才能と、純粋すぎるほどの感性が奇跡的なほど見事にとけあった曲だと思いますが、歌詞も素晴らしく、今回はこの歌詞を書いたトニー・アッシャーという人物を中心に書こうと思います。

 トニー・アッシャーは1939年にロンドンで生まれ、生後6ヵ月でロサンゼルスに移りました。12歳頃からピアノを習い始めるとすぐに曲を作り始めます。大学在学中(UCLAでジャーナリズムを専攻)は、ベーシストの友人と街のクラブで演奏し、後にプロのソングライターになる人たちと一緒に曲を書いていたそうです。

 大学卒業後、彼は広告代理店のカーソン・ロバーツ社に就職します。トニーと一緒に働いていた人の中には、モンティ・パイソンのメンバーとしても知られる映画監督テリー・ギリアムもいたそうです。

 トニーはアマチュアのミュージシャン、ソングライターでありながら、キャッチ・コピーなどを考えるプロの言葉の使い手だったわけです。

 コピーライター出身の作詞家は日本でも阿久悠売野雅勇など少なくはないですよね。

 そして彼は共通の知人を介してブライアンに直接会う機会があり、そこで自作の曲のアイディアの断片をいくつか聴かせたことがあったそうです。

 その後、ブライアンから彼に一緒に曲を書けないかと直接電話があり、彼は驚いたそうですが、喜んで引き受けたそうです。会社はしばらく休みをとり、ブライアンの家で一緒に曲を書き始めました。

 (以下、引用は "ALBUM LINER NOTES.COM Tony Asher Interview”より)

「はっきりとはおぼえていませんが、二人でビートルズの「ラバーソウル」の話をしたことはおぼえています。二人ともそれが信じられないほど素晴らしく、影響力の大きい作品だと思っていました。それだけじゃなく、その当時の他のどんな音楽とも、音楽的に全く異なるものでした。ブライアンはそれによって音楽業界が次の段階に入ったと感じ、自分もそこに行きたいと思ったんじゃないでしょうか」

「ブライアンがアルバム(註:ペットサウンズ)の包括的なコンセプトのようなものを持っていたかどうかわかりません。持っていたのかもしれないとも思いますが。どのようなテーマを取り上げるかという意味ではありません。私たちは心から自然にたくさんの曲を生み出したので、そういうテーマは存在しなかったと思います。私が知っている限り、事前に計画されたコンセプトはなかったと言えます」

「曲作りを進めていく中で、アイデアを交換していった "というのが本当のところだと思います。メロディができたから歌詞を書いて、ではありません。もっと対話的なプロセスだったのです」

 その対話の中で、ブライアンはトニーにメロディーが上に行くのと下に行くのとどっちがいい?とか、2種類メロディーを弾いてどっちが好みか、というような確認もしていたそうです。

 単に作詞家と作曲家という”分業”ではなかったんですね。

 一旦作業を保留にしたり、家に帰ってからブラッシュ・アップしたりすることもあったようですが、この「神のみぞ知る」だけは一回のセッションで出来上がったそうです。

「この曲にかけた時間は、曲の中で「神」という言葉を使うことのメリットを議論することに費やしました。でも、この曲を作るのに時間をかけたわけではありません。曲はすぐにできあがりました。ブライアンは、この曲の演奏パートの制作に多くの時間を費やしました。でも、歌詞のパートは、全体として自然にできあがったものでした」

  ”神のみぞ知る(God Only Knows)”というタイトルは、トニーが考えたものでした。当時、”God”という言葉をポップ・ソングに入れることは、冒涜であるとして避けられていました。ブライアン本人は”タイトルのせいでラジオで流すのを禁止されるんじゃないかって怖かったけど、そうはならなかったよ"と語っています。

 しかし、レコード会社も”神”という言葉が入っているせいでラジオでオンエアされないんじゃないかと危惧したためシングルのB面となり、発売時にはヒットしませんでした。

 ”神”という言葉を使う以外にもトニーは、歌詞として”掟破り”をしています。

「まず、歌い出しが “I may not always love you(いつまでも君を愛しているとは限らない)” ですからね。ラブソングの始まりとしてはかなり異例です。私はそこがすごく気に入ってました。そのために戦いました。たくさん戦ったわけではなかったですが、徹底的に戦ったと思います。そして戦いながら、心の中では『どうか自分の方が正しくありますように』って願っていたでしょうね。だってあの歌い出しは、本当にユニークだし面白いと思ったから。そのあとに続く歌詞がちゃんと補っていると思ったんです。要するに「太陽が燃え尽きるまで愛する」みたいな内容です。つまり“永遠じゃない、時間のある限りずっとではない、ある日太陽が燃え尽きたら君を愛せなくなるんだ”と。これって、ある意味ちょっと皮肉っぽく「永遠に愛してる」って言ってるわけです。そういうところが好きでした。でも、同時にそれを聞いて『え? なんなのそれ?』って思う人もいるだろうな、ともわかっていました。」

 しかし、僕にはその歌い出しがそこまで異例なものには聴こえないんですよね。

 これは僕の個人的な印象に過ぎないのですが、この皮肉な歌詞が、ブライアンの純粋で美しいメロディとサウンドにつつまれると、皮肉なんかじゃなく、あまりに純粋すぎるために正直な気持ちをそのまま言ってしまっている、、、そんなニュアンスを感じてしまうんですよね。

 これはブライアンとトニーが”対話方式”で作ったからこそ生まれた歌詞だったように思います。ブライアンのメロディだけを渡されて、別のところでトニーが歌詞を書いたらこうはならなかったんじゃないかと。トニーがブライアンの”精神的な磁場”みたいなものに引っ張られて書いた感じがするんです。勝手な想像ですけど。

 二人で対話しながら曲を作ったおかげで、基本的にトニーはブライアンの感性や世界観に強く影響された歌詞を書き、要所でコピーライターである彼らしい、思い切ったひねりを使っている、という、実にいいバランスになっているのではないでしょうか。

   それにしても、この曲ほどたくさんのアーティストから絶賛される曲もなかなかありません。それを象徴するかのような映像が、2014年にイギリスの”BBCミュージック”の発足を記念して作られたこのカバー。ブライアン本人も登場します。

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 それから、先日「素晴らしき恋人たち」をとりあげたジャック・ジョーンズが1977年に発売したアルバム「フル・ライフ」に収録されているヴァージョンは、オリジナルの「神のみぞ知る」のバックコーラスをつとめたブルース・ジョンストンのアレンジで、山下達郎の「JOY」に入っているヴァージョンの参考になったものだと言われています。そちらもよかったらぜひ聴いてみてください。

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 *おかげさまでブログを始めて今日で丸2年になりました。いつも読んでくださっているみなさん、本当にありがとうございます!!

 

 オリジナルのモノラル・ミックスと1997年のステレオ・ミックスを一枚に収録した「ペット・サウンズ」

 
 
 
 上記のアルバムにインストと未発表曲トラック収録のCDをプラスした二枚組

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