おはようございます。今日はサム・クックの「ワンダフル・ワールド」です。
Sam Cooke - What A Wonderful World (Official Lyric Video)
Don't know much about history
Don't know much biology
Don't know much about a science book
Don't know much about the French I took
But I do know that I love you
And I know that if you love me too
What a wonderful world this would be
Don't know much about geography
Don't know much trigonometry
Don't know much about algebra
Don't know what a slide rule is for
But I do know one and one is two
And if this one could be with you
What a wonderful world this would be
Now, I don't claim to be an A student
But I'm trying to be
For, maybe, by being an A student, baby
I can win your love for me
Don't know much about history
Don't know much biology
Don't know much about a science book
Don't know much about the French I took
But I do know that I love you
And I know that if you love me too
What a wonderful world this would be
But I do know that I love you
And I know that if you love me too
What a wonderful world this would be
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歴史のことなんてよくわからない
生物学もよく知らない
科学の本なんてさっぱりだし
学校で習ったフランス語 だってそう
でも僕が君を愛してることはよくわかってる
もし君が僕愛してくれたら
なんて素晴らしい世界なんだってことも
地理のことなんてよくわからない
三角法もよく知らない
代数だってさっぱりだし
計算尺って何のためにあるのかも
でも、1+1は2ってことはよくわかる
そして、片方の1がもし君だったら
なんて素晴らしい世界なんだってことも
優等生になるって言ってるわけじゃない
でも、そうなろうとがんばってる
優等生になれば
君の愛を勝ち取れるかもしれないから
歴史のことなんてよくわからない
生物学もよく知らない
科学の本なんてさっぱりだし
学校で習ったフランス語 だってそう
でも僕が君を愛してることはよくわかってる
もし君が僕愛してくれたら
なんて素晴らしい世界なんだってことも (拙訳)
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サム・クックはR&B史上最高のシンガーと呼ばれている一人です。
彼はゴスペルのグループで歌い始めたところ大変な評判になり、教会には普段来ないような若い女性たちが彼目当てに殺到したという話があります。ゴスペルからポップ・ミュージックの世界に転身することは当時はほとんどないことでしたが、彼は一念発起してそれに挑むとデビュー・シングル「ユー・センド・ミー(You Send Me)」がいきなり全米1位の大ヒット、またたくまにスターになります。
Sam Cooke - Sam Cooke – You Send Me (Official Lyric Video)
ちなみに、You Send Meは、相手が自分を別世界に連れて行ってくれると思うほど深く愛している、それだけ夢中だ、という意味です。
send は神様を主語にして使うことの多い動詞ですし曲調もとても穏便ですから、ポップスのフィールドに行ってもゴスペルのムードは残そうという意図はあったのでしょう。
この保守的ででスマートなスタイルが白人層にもウケて、黒人への差別が激しい時代にあっても彼はクロスオーヴァーした人気を得ることができました。
そして、彼はその白人にも人気があるという立場を、黒人の地位向上のために使います。黒人の客を差別する会場ではコンサートをボイコットするなど常に不正と戦う姿勢を見せ、他の黒人アーティストが世に出るために惜しみなくバックアップしました。アグレッシヴに勇気を持って社会に立ち向かう姿は、モハメッド・アリらとともに黒人にとっての希望であり、頼もしいリーダーでもあったのです。
「ユー・センド・ミー」はキーン・レコードというインディーズからリリースされましたが、彼の人気がどんどん上がったので彼はメジャー・レーベルのRCAと契約することになります。
そこで、キーン・レコードは何か発売できそうな音源を探し、ピックアップしたのがこの「ワンダフル・ワールド」でした。1年前にレコーディングされたものでした。
興味深いのは曲の作者として、サムとともにハーブ・アルパートとルー・アドラーの名前があることです。
ハーブ・アルパートは1960年代に爆発的な人気を誇ったトランペッターであり、ポリスやジャネット・ジャクソンなどスーパースターも輩出したA&Mレコードの創立者です。
ルー・アドラーはのちにママス&パパスの「夢のカリフォルニア」やキャロル・キングの「つづれおり」をプロデュースし、そのリリース元であるダンヒルやオード・レコードのオーナーとなる人です。
アルパートとアドラーはお互いのガールフレンドが友達同士だったことから知り合って、意気投合し曲を作るようになったそうです。
アルパートはずっと音楽をやってきましたが、アドラーは衣料品店の店長や保険のセールスマンをやっていました。
3~4曲でもが出来上がると二人は売り込みを始めますが、メジャーは相手にしてくれなかったのでインディーズを回ってみたところ、気に入って来れたのがサムをリリースするキーン・レコードのA&Rだったのです。そのA&Rバンプス・ブラックウェルはリトル・リチャード、レイ・チャールズ、クインシー・ジョーンズなどがまだ若手時代に仕事をしたキャリアを持ち、彼らの先生となりレコードビジネスのノウハウを教えて来れたそうです。
彼らがサムに提供したのは「オール・オブ・マイ・ライフ」という曲で1958年にシングルのB面としてリリースされています。
Sam Cooke - All of My Life (1959)
「ワンダフル・ワールド」はアルパートとアドラーが作りかけていたものをサムが気に入って仕上げを手伝ってくれたのだと、アドラーは語っています。アドラーとアルパートは当初この曲はシリアスなものだと思っていなかったようですが、サムがこの曲の方向性を”教育”の問題として改訂していったのだそうです。
最初に紹介したのは、この曲のオフィシャルのリリック・ビデオですが、分割場面でニュース映像が流れているものになっています。社会的な意識のある曲だというスタンスなんですね。
サム・クックの社会意識がはっきり反映された曲としては「チェンジ・イズ・ゴナ・カム」が有名ですが、それに比べると「ワンダフル・ワールド」はあくまでもサムが”改訂した”ものなので、そこまで強いものではありません。しかし、彼の社会意識が初めて反映された曲ということになっているようです。
時代を超えて残ってゆく曲というのは、さまざまな解釈が加えられてゆくものなので、この曲が社会的に意味のあるものとして評価されることにはまったく異論はありませんが、同時にこの曲の持っている”楽観性”もかけがえのないものだと僕は思います。
最後にこの曲のカバーを二つ。
1964年にサムクックのオリジナル以上のヒット(全米4位)となったハーマンズ・ハーミッツ。良くも悪くもこの曲のポップスとしての側面が浮き彫りになっていると思います。
そして、アート・ガーファンクル1977年のアルバム「ウォーター・マーク」収録のヴァージョン。ポール・サイモンとジェイムス・テイラーがコーラスしています。
そしてオリジナルにはない〜中世のことなんてよくわからない 絵だけ見てページをめくった・・・などという4番が付け加えられています。
- アーティスト:サム・クック
- 発売日: 2017/05/19
- メディア: CD
- アーティスト:ハーマンズ・ハーミッツ
- 発売日: 1998/01/28
- メディア: CD
- アーティスト:アート・ガーファンクル
- 発売日: 2016/08/17
- メディア: CD

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