おはようございます。今日はママス&パパスの”ママ・キャス”ことキャス・エリオットの「New World Coming」。バリー・マンとシンシア・ワイルの作品です。
There's a New World Coming
And it's just around the bend
There's a new world coming
This one's coming to an end
There's a new voice calling
You can hear it if you try
And it's growing stronger
With each day that passes by
There's a brand new morning
Rising clear and sweet and free
There's a new day dawning
That belongs to you and me
Yes a new world's coming
The one we've had visions of
Coming in peace, coming in joy, coming in love
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新しい世界が来るわ もうすぐそこまで
新しい世界が来るわ 今の世界は終わるの
新しい声が呼んでいる
耳をすませば聞こえるわ
それは日増しに 強くなっている
真っ新な朝が来たわ 澄んでいてやさしくて自由な
新しい夜明けなの あなたにも私にとっても
そう、新しい世界が来るの
私たちが胸に描いたような
平和とともに 喜びとともに 愛とともに ” (拙訳)
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バリー・マン&シンシア・ワイルの”ポシティヴ思考三部作”の3作目
昨日このブログでピックアップしたママス&パパスは男女2人ずつのグループでしたが、メンバー間の恋愛関係のもつれがきっかけになって崩壊してしまいます。
そして、メンバーの中でぽちゃりした容姿とキャラで人気のあったキャス・エリオットがソロ・デビューすることになります。ママス&パパスは当初男性メンバーはパパ〜(例えばジョン・フィリップスはパパ・ジョン)、女性メンバーはママ〜と愛称をつけていましたが定着したのはキャスだけで、彼女はママ・キャスと呼ばれていたので、ソロ・デビューした時もそうクレジットされました。
そして、彼女はバリー・マン&シンシア・ワイル作の”ポジティヴ三部作”とも呼ぶべき(僕しか言っていませんが、)シングルを発表します。その三作目がこの「New World Coming」です。
一昨日紹介した「Just A Little Lovin'」はバリー・マンがバカラックの影響で書いたものですが、「New World Coming」には少しローラ・ニーロの「フリム・フラム・マン」とかキャロル・キングっぽさを僕は感じます。
せかっくなのでポジティヴ3部作、他の2曲も紹介しちゃいましょう。
一作目は「It's Getting Better」という曲です。(全米最高35位)
Cass Elliot - It's Getting Better (HQ)
Once I believed that when love came to me
It would come with rockets, bells and poetry
But with me and you
It just started quietly and grew
And believe it or not
Now, there's somethin' groovy and good 'bout whatever we got
And it's gettin' better
Growin' stronger
Warm and wilder
Gettin' better every day, better every day
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かつて私は愛は
ロケット(みたいな勢いで)、 鐘(が鳴るようにはっきりと)
詩のように(ロマンティックに)訪れると思っていたけど
私とあなたの場合は 静かにゆっくりと始まったわね
これは別に信じなくてもいいけど
私たちが得たものは 何かすごく素敵でいいものなの
そして、どんどん良くなってゆく 強くなってゆく
あたたかく愉快なものになってゆく
毎日良くなってゆく 日毎良くなってゆく” (拙訳)
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そして二作目は「Make Your Own Kind Of Music」(全米36位)
Nobody can tell ya
There's only one song worth singing
They may try and sell ya
'Cause it hangs them up to see someone like you
But you've gotta
Make your own kind of music
Sing your own special song
Make your own kind of music
Even if nobody else sings along
You're gonna be nowhere
The loneliest kind of lonely
It may be rough goin'
Just to do your thing's the hardest thing to do
So, if you cannot take my hand
And if you must be goin'
I will understand
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誰も教えてはくれない
あなたが歌うべき歌はたったひとつだと
あの人たちはあなたに歌を売りつけようとするかもね
あなたのような人は彼らには面倒だから
でも、あなたは自分だけの音楽を作って
あなただけの特別な歌を歌って
あなただけの音楽を作って
たとえ、他の誰も一緒に歌ってくれなくても
どこにもたどりつけないかもしれない
これ以上ないくらい孤独で
道は険しいかもしれない
自分のやるべきことをやることは一番大変なの
でも、あなたは自分だけの音楽を作って
あなただけの特別な歌を歌って
あなただけの音楽を作って
たとえ、他の誰も一緒に歌ってくれなくても
だからあなたが私の手を取ることができず
行ってしまわなければいけなくても
私は理解するわ” (拙訳)
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バリー・マンとシンシア・ワイルのアンソロジーCDのライナーで、”この3曲ほど元気になれる楽観的な曲はなかなか思いつかない”と書かれています。確かに元気になれそうな曲調なのに歌詞は実は哀しい、なんて曲もポップスには少なくないですよね。ですから、生きてゆくための”ポジティヴなメッセージ”を打ち出したポップス”を立て続けにシングル・リリースしていたことは結構レアなことだと思います。
彼女のぽっちゃりした外見と親しみやすいキャラクターが、ポジティヴな曲と良く似合っていたことは確かだと思いますが。
しかし、明るくポジティヴな歌を歌う人に限って本人はハッピーではない、ということの方が多いのが音楽の世界ですが、彼女も例外ではなかったようです。
ネットで彼女のプロフィールを調べると、昔から自分の外見に強いコンプレックスを持っていたとか、デニー・ドハーティが好きで彼を追いかけてママス&パパスに加わったがデニーはミッシェル・フィリップスと不倫関係になって失恋に終わってしまったとか、ドラッグにはまっていたとか、、そんな記述が見つかります。
ただ、当然のことですが、歌と歌っている人の私生活は全く別のものです。
「It's Getting Better」物事は少しずつ良くなっているから
「Make Your Own Kind Of Music」
周りにまどわされずに自分のやるべきことをやれば
「New World Coming」 きっと新しい世界が来る
少しこじつけっぽいかもしれませんが、そんな風に僕には聴こえてきました。
確かにあまりに楽観的な曲かもしれません。しかし、これは僕の持論なのですが、人は自発的に悲観的にはいくらでもなれますが、楽観的にはなかなかなれないものです。
心をそっちに引っ張ってくれるものが絶対に必要で、それは特に音楽が力を発揮できる領域だと思います。たとえ楽観的だと非難されようが、希望の歌はいつも巷に流れていてほしいと思います。
今流行りの自己啓発の本を読むより、この3曲を聴いた方が効果があるかも、なんて僕は思っていますが。
キャス・エリオットは1974年にロンドンのホテルで心臓発作で亡くなってしまいます。まだ32歳だったそうです。ロンドンでコンサートが大盛況で本人も喜んでいた矢先のことでした。
彼女の最後の作品になったアルバムのタイトルは「Don't Call Me Mama Anymore」、
”もうママって呼ばないで”というものでした。
そのアルバムの中には「I'm Coming to the Best Part of My Life」”私の人生の最高の時がやってきている”という曲が入っています。
"歌を歌いたい コントロールを外して自分の魂の中にある音楽に向かいたい
悲しい歌じゃなく 新しい歌を”
そんな内容です。歌詞を書いたのがカーペンターズの「イエスタデイ・ワンス・モア」などで知られるジョン・ベティス。作曲は「愛のプレリュード(We've Only Just Begun)」で知られるロジャー・ニコルス。最後にその曲をお聴きください。
Mama Cass Elliot - I'm Coming To The Best Part of my life
- アーティスト:Mama Cass
- 発売日: 1990/10/25
- メディア: CD
- 発売日: 2000/11/14
- メディア: CD
