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「Catch Your Way」杉真理(1980)

 おはようございます。

 今日は杉真理(すぎまさみち)の「Catch Your Way」です。


Catch Your Way ★杉真理★

 彼は40年以上に渡って、ひたすら明るく親しみやすいポップスを作り続けています。そんなアーティストは日本では、ひょっとして世界中を見渡してみても彼くらいなのかもしれません。

 

 また、竹内まりやが大学のサークルの後輩で彼のバンドにも所属していたり(彼女は自身のアルバムで彼の書いた「Hold On」や「目覚め」などを取り上げています)、佐野元春とはアマチュアバンド時代からの盟友だったり、高校時代チューリップのライヴに参加したり、大瀧詠一に認められ<ナイアガラ・トライアングル>に参加したり、デビュー後は浜田省吾と同じレコード会社、スタッフだったり、ユーミンのコーラス・アレンジは手がけたり(このブログで紹介した「Esper」がそうでした)、”日本のポップスの巨人”たちと不思議な繋がりを持つ人でもあります。

 他にも村田和人安部恭弘松尾清憲須藤薫などなど数々の日本のポップスの重要アーティストたちとも密につながり共演してきています。

 まさに日本のポップスの<HUB>的役割も担ってきたんですね。

   

 作曲家としても、山口百恵(「想い出のストロベリー・フィールズ」など)や松田聖子(「雨のリゾート」など)をはじめとして本当に数多くの曲を手がけています。

 

 しかし、世の中で一番知られている彼の曲は、多分、彼の作品の中では異色のCMソング「ウィスキーがお好きでしょ」。彼の作風を考えると不思議な感じがします。どうあれ、国民誰もが知っている曲がある、ということは作曲家にとってはすごく嬉しいことなのかもしれません。

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 彼のデビューは1977年、「MARI & REDSTRIPES」の名義でシングル『思い出の渦』をリリースしています。

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 そしてアルバムを二枚リリース(「MARI & REDSTRIPES」「SWINGY」)しますが、その後、急性髄膜炎のため活動を一時休止してしまいます。

 病気から回復した後、彼はレコード会社を移籍し、1980年にあらためてソロデビュー。リスタートのシングルは竹内まりやに提供した「Hold On」のセルフ・カバーでした。

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 そして、「Hold On」の次のシングルがこの「Catch Your Way」で自動車のCMで使われていました。

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 "Catch Your Way"って、僕には聞いたことのない英語の言い回しなのですが、自動車メーカーのキャンペーン用のキャッチ・コピーだったようです。コピーライターが考えた”Catch Your Way"というネーミングありきで、彼に曲の依頼、もしくは楽曲コンペがあったのでしょう。

 

 そして、その後すぐに彼は、大瀧詠一佐野元春と共に「ナイアガラ・トライアングルVol2」というアルバムを制作します(1982年3月リリース)。このアルバムで彼は、大瀧、佐野という日本のポップス史に残る巨大な才能の二人に対して一歩も引けをとっていません。彼自身、かなり気合も入っていたのかもしれません。

 

「Nobody」 

 元々は彼自身のアルバム用に書いた曲だったのがレコード会社からボツにされていたのを、大瀧詠一が気に入って「ナイアガラ・トライアングルVol2」に採用したと言われています。

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 それにしても、あらためて彼のように明るく親しみやすくキャッチーな曲を40年以上作り続けるというのは、ちょっと尋常なことではないと僕には思えます。

 だいたい明るく親しみやすくキャッチーな曲というのは、世間は軽くとらえがちで、そのありがたみにはなかなか気づいてくれないものです。

 

 田島貴男もこう語っていました

「軽く口ずさみやすい、ポップなメロディを書くのは、重く意味深で、かっこいい、マニアックなメロディを書くより、100倍難しい。」

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 ただ根が明るいから、明るいポップスを書ける、そんな簡単なもんじゃないんでしょうね。

 何より、明るいこと、楽しいこと、のありがたみがわかっている人じゃないと作れない、きっと”陽の当たらない場所”から見つめないと作れないのが、本当の”明るいポップス”なんだと僕は思います。

 

 言い換えれば、ただ自然体、等身大じゃ作れない音楽、純粋で強くて継続する”意志”がなければとても作れないものじゃないかと。

 しかも、作るのにすごく手間がかかる上に、労多くしてなかなか認められない、好きじゃなきゃとても続かない分野でもありでしょう。

  だから、音楽家の中でも人一倍偏屈な(?)アーティストが作ったものが多いような気がします。ブライアン・ウィルソンしかり大瀧詠一しかり。同時に、だからこそ、説得力がある、残る、のだと思います。

 

 お会いしたことがないのでわかりませんが、彼の場合、人一倍屈折しているということはないように思います。でも、ただの明るくていい人でもないのも確かでしょう。明るいポップスのありがたみを人一倍理解して、その魅力にこだわり続けている、半端ない偏屈さがきっとある。

 今年彼は最新アルバム「MUSIC LIFE」を発売して、その時に受けたインタビューで、

 明るく楽しく生きてやる。それが、大人の責任だと思う、そうあり続けたい、と語っています。

 やはり、意識的に、強い覚悟を持って、明るく楽しいポップス、に執着していたわけです。

 

 僕も、”今の時代には、明るいポップスが足りない”という思いから、このブログを始めたので、彼のスタンスにはすごく敬意を感じます。

 

 最後は「Catch Your Way」が収録されたアルバム「OVERLAP」から1曲、

「Lonely Girl」を。

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 この2作こそが彼のベストだと僕は思っているので、すごくいいカップリングのCDだと思います。

 

 

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