健康で文化的な最低限度の生活ってどんな感じかな、それは誰にも脅かされない安全な場所とほっとする時間があって、「だいじょうぶ」と思えて、時々は「きっとこの瞬間のこと、忘れないと思う」というようなことがある生活のことではないかな、さらに具体的に言うと私なら……とじっくり考えているみなさん、おはようございます。

たいへんな一週間でしたね。
今日は日曜日。お休みです。今日休めない人は、きっと近いうちに朝寝坊したり、二度寝したり、お昼寝したり、好きなものばかり食べたり、好きなことばかりする日を取ってくださいな。

ざべすたち、こないだふらりと軽井沢に行ってきました。

今回のお目当ては旧三笠ホテルです。前回行ったときは大規模保存修理工事中だった三笠ホテルがついに今月、リニューアル・オープンしました。外観を見られるだけでなく、中も見学できるというので、ざべすたちはそれをうんと楽しみにして行きました。
軽井沢に着くと、まず自転車を二台レンタルしまして、雨夫が一台、雨子が一台運転し、ざべすたちは自転車のカゴに分乗しました。みんなで雨夫の自転車の取り合いになりました。雨子はちょっぴり、のろのろ運転で、そのわりによそ見をしたり急に止まったりしてこわいからです。それでも、広々とした道では雨子も元気で、三笠通りのから松並木をぴゅ〜っと快調に飛ばしました。
もうすぐ三笠ホテル、というところで雨夫が自転車を止めました。
旧スイス公使館があるというのです。深山荘という名前で、もともとは集合型の貸別荘だったそうです。

映画の舞台みたいです! 人がたくさんいるところが想像できます。
アジア・太平洋戦争中、スイス公使が軽井沢に疎開してきて、ここを使い、戦後は軽井沢親善協会が事務局として使ったり、大学の夏期寮として使ったのだそうです。

きれいで、立派な建物です。ここでいろんなことがあったんですねえ。


三笠ホテルはこのお向かいです。




入り口は建物の真ん中じゃないんですね。


もちろんざべすはここにじっくりと座り、ポワロさんごっこしました。このホテルのどこかにいるポワロさんを探すのです。






各お部屋にはお花が生けられています。

客室毎についている洗面台にもお花。



全体に、窓がかわいいです。



せっかくなので、このすてきな空間でお茶をいただくことにしました。



1906 年から活躍してきたホテルで、窓の外を見ながら甘い物をいただくのは、とっても楽しかったです。ほかに林檎ジュースや桃ジュース、フラワーゼリーなんていうのもありました。きれいですてきで浮き浮きしました。

エルキュール・ポワロさんよりすこうしだけ年下の、ほぼ同世代の建物。ここでいろんなことを目撃してきて、今はみんなのものです。みんなで大事にしていきたいです。
次に向かったのは雲場池です。





雲場池の周囲をぐるうりとお散歩しました。きれいな水が流れて、植物もふくふくとしていました。
ここからすこし行ったところに歴史民俗資料館があって、ポール・ジャクレーさんの版画が見られるというので、また自転車をぴゅっと飛ばしました。


ポール・ジャクレーさんはパリ生まれ。ちっさいとき、1899 年に日本に来て浮世絵と版画を学び、そのまま日本で版画をつくりながら植民地支配と戦争の世紀を生きました。今回拝見した版画にはびっくりするような技術がぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、どれもこれもびっくりしました。
同資料館では草軽軽便鉄道の展示もしていました。軽井沢と草津を結ぶ鉄道で、1912 年設立から 1962 年の廃止まで行ったり来たりしていたそうです。雨夫は「これ残せなかったのかな〜」とずっとうなっていました。そして最後に「無理か……?」と何かに語りかけていました。


ここまで来たら、近くにある近衛文麿んちにも一応行こうという話になって、行きました。大政翼賛会を設立して、全体主義を指導し、国土と命をぼろぼろにした人なので、きっと、展示物なんかもすごくハードなんだろうなと構えていったら、そんなことは一言もなく、有名なお金持ちの別荘だよ、ってことしかわからないうえに、こうした施設にはめずらしく、中は撮影禁止なのでした。ざべすは不満でした。
二階にひろびろとした和室があって、窓からさんさんと日光がふりそそいで、すごく居心地よさそうでした。

ざべすは、 せっかく建物が残っているのだから、ここでどんな人がどんな人とどんなことをして、それがどんなことに繫がったのか、とっかかりくらいは明らかにした方がいいんじゃないかなと思います。いつも目に入るようにしておけば、話題にするたびにいちいちみんながざわざわしたり、「見ないふりをすべきだ」という妙な配慮がなされたりすることもなくなるのではないでしょうか。雨子が言うには、問題が見えないふりをする、ないふりをするのが「愛国心」のひとつのかたちで、知らないふりをしているうちに本当にわからなくなるのが問題なのだということです。ざべすは、ふうんと思いました。へんなの。

突然ですが終わります。
続きはまた来週。
最近ざべすは、ざべすの城の外が嵐のような気がして不安です。また人権に生まれや経済力で差のある社会にもどって、きれいなものや美しいものはお金持ちが独占して、それでいながらお金持ちのみなさんは戦争を起こして、ほとんどの人が飢えて困って酷いことになる、そんなことになるんじゃないかと不安です。こんなときに「自分次第」とか「考え方次第」とか、そういうのは嘘です。怖いことが起こっているときは怖いことが起こっていると、そっくりそのまま知って、認識して、身近な親しい人とちゃんと「こわいね」って言い合うのがいいです。ざべすたちはお互いに背中をさすって、こわさや何らかの被害のために身心をこわしていないか、相談しあいます。そして、食べて、勉強して、楽しんで、くたくたになって寝ます。今日はあれをしたなとか、あれを食べたなとかそんなことを確認しながら寝て、できればいい夢を見ます。
毎日自分がそんな風にしているなと確認するのは大変なことですが、でも、確認していないとなだれが起きそうでこわいです。
今日も精一杯楽しみたいです。お昼寝もします。
また来週、お目にかかりますね。
🏰 ちぇりおですわ 🏠