幸せを探す旅人のようなみなさま、おはようございます!


お久しぶりの日曜日ですね。みなさんのところまで、日曜日さん、無事到達しているでしょうか。どうぞ一日、よろしくお願いいたします。
今日は、ざべす辺境伯国恒例の夏旅行、松江篇の前半をご報告申し上げます。
〜前回まで〜
温泉津で温泉に浸かり、すっかりあっつあっつの状態になったざべすたちは、そこから電車に乗って松江を目指す算段になっていました。そこに、電車が遅れているというアナウンスが入りました。あら、と雨子がスマッホで運行情報を確認すると、どうも昨夜中国、四国地方は大雨だったようで、その影響で山陰本線に遅れが出ているところもあるのだが、今我々が乗ろうとしている電車が遅れている理由はわからない、とのことでした。
ざべすは、それを聞き不安をおぼえ、雨子にお祈りしました。
ざべす、今日明日は松江をじっくりお散歩したいの。だから雨を降らせないでね。
だって、前回来たときは大雪で、これから電車が止まるかもと聞いて予定を早く切り上げて帰ったのだもの。

今回の松江行きは「今度こそ」の気持ちなのです。
雨子はお天気の妖精で、その気になりさえすれば雨を止めることができます。これまでざべすたちは何度も雨子の法力を目にしてきました。
でも、雨子は時々「暑いよりは雨でも降ってくれた方がいいや」とか言って、手を抜くのです。実際、雨子が「雨降らないかな〜」と期待して、雨になったこともあったのです。だからざべすは、雨子に発憤してもらわないといけないと思いました。前回の松江旅行のときのようなことになっては困るのです。
そんな次第で雨子にプレッシャーを与えていると、電車がやってきて、無事松江に発つことができました。


もちろん、雨子専用ストレッチボール、その名も「ふかふか手枕」も一緒です。ふかふか手枕はだれかが気まぐれににぎにぎしたり、車窓の風景を見せたりしているうちに、すっかり旅の一行になじみました。
松江は無事、晴れでした。
まずは前回工事中で入れなかった興雲閣に行きます。


わーい!
こちらは、松江市工芸陳列所として 1903 年に誕生した木造二階建ての洋館です。海軍に接収されたり、県庁分室として使用されたり、市の教育委員会の事務局になったり、いろんなことをくぐり抜けて、現在は修復を経て一般公開されています。


一階にはカフェがあります。


ケーキと冷たい飲み物をいただきました。

ゆっくりいただくつもりでしたが、アイスカフェオレをひとくち飲んだら止まらず、ちゅーーーーーっと飲み干してしまいました。お水もたくさん飲みました。
ひといき入れたところで、二階を探索します。




二階の大広間は有料で貸し切り使用ができるそうです。


松江市の建物なので、最初から「市民のもの」だったはずなのですけど、その頃はえらいひとが宿泊する想定になっていたそうです。それが竣工から 100 年以上経って、ほんとうに「市民のもの」になりました。

松江城の公園はひろびろとしていて、お堀を舟で行くこともできるし、なかなか楽しい場所です。

このお堀のそばに、小泉八雲さんと小泉セツさんが暮らしたおうちがあります。当時のままで保存され、かつ公開されているのは貴重です。



八雲さんは背が高くて、ふつうの机だと使いづらかったので、背の高いものを特注したのだそうです。


小泉八雲さんはギリシャ生まれで、そのあとお父さんに会えるまでうんと時間がかかったり、結局大叔母さんに引き取られたり、その大叔母さんが破産してしまったり、とにかく、「数奇な運命」の象徴のような人です。年表を読むだけでもくらくらするのに、記念館には実際に使った身の回りのものもあって、そういうものが触れんばかりに目の前にあると、「これらをつかって、異国の男の子たちに英語を教えたり、新聞記事を書いたり、怪談を研究したりした人がいたのだなあ」と、すっごく不思議な気持ちになりました。
小泉さんちを出ると、そろそろ宿に向かう時間でしたが、あんまり暑くて喉が渇いたので、バスに乗る前に地ビールを飲みました。

ふれあい広場では、松江駅に行くならタクシーに乗るよりそこからバスに乗るとよいとか、バスで行くとどれくらいかかるとか全部教えてもらいました。
言い忘れましたが、今回の松江旅行は雨夫の勤続なんしゅうねんとかいうお祝いで、いつもよりお宿が豪勢なのです。いつもの旅行は新幹線とビジネスホテルがパックになった券を買って、ホテルは素泊まりにするならわしになっているのですが、この日は温泉津温泉に続き、温泉に入れてごはんもいただけるタイプのお宿です。松江から温泉津側にちょっともどって、玉造温泉というところに来ました。

窓から温泉街が見わたせるし、山の緑も間近でとってもすてきなお部屋です。

あの赤い箱の中にお菓子が入っていて、ざべすはそれがとってもうれしかったです。
ところが、前日からずっと、どこに行っても歓迎され、豪華なことが続いたせいでしょうか。このとき、ちょっぴり不安が胸をよぎりました。
お天気、だいじょうぶなのかな……?
ちらりと雨子を見ると、スマッホで「浴衣の着方」復習に余念がありません。お天気の心配はしていないようです。そして、ざべすたちを連れて、大浴場に行き、露天風呂にも入り、大満足でお風呂からあがったとき、ふと、「あ、ちょっと、おなか痛い……かな?」と不穏なことを言いました。みんなで「だいじょうぶ?」「ちょっと横になる?」とちやほやすると雨子はすぐ元気になり、「気のせい!」と言い、晩ごはんにいそいそと向かったのです。
晩ごはんはまず、こんな風にお重で前菜が出てきて、

ぱかっと開けると、もう、すてきなものがぎゅうぎゅうにつまっていて、大興奮でした。



そして、この日の朝、温泉津でいただいた海苔じる、あれが「十六島(うっぷるい)」というところで採れた海苔でつくったもので、たいへんにおいしかったのですが、ここでもそれが登場しました。

すっごくおいしかったあ。思い出にのこるおいしさ。この「十六島」の海苔はこの辺りでしか食べられないと思います。すごく貴重だから。多分。貴重なものの味がしたので、ざべすたちはみんな、目を閉じてゆっくりいただきました。
と、そのとき、窓の外で花火みたいな音がしました。なんだろ? と外を見ると……雷です! 雨が降っているではありませんか。雨子! 雨が降ってるじゃない、どういうこと? と詰め寄ると、雨子はいつのまにか相当きこしめていたらしく、とろんとした顔で「まあまあ、だいじょうぶ」と意味をなさないことを言いました。「だいじょうぶじゃなくって、雨が降ってるじゃない!」とさらに言うと雨子はにやりと笑い、自信たっぷりに「まあまあ、飲みましょうよ、今は……」と言い、ワインを飲むのでした。
そんな顛末もありましたが、メイン料理はいくつかあるメニューから選べるというので、ざべすはもちろん、おにくにして、大興奮でした!

ところが雨子はエビにしたのです。

ざべすはおにくがだいすきなので、おにくかえびかって聞かれたら絶対おにくにします。でもみんながみんな、そうだってわけではないのですね。
おいしかったあ。

おなかぱむぱむになってお部屋にもどり、もっかいお風呂に入ろうという人と、おなかいっぱいで動けないという人とにわかれて、おのおの思い思いに食後の時間を楽しみました。
この日は温泉津の町を歩いて、松江に来て念願の興雲閣を見て、小泉八雲さんの家に行って、ぎゅうぎゅうに遊んだので、ざべすは自分でも思ったよりはやくおねむになりました。ふと見ると、雨子のふかふか手枕もおねむになったようだったので、おふとんにいれてあげて、いっしょに寝ました。

この日の話はこれでおわりです。
思い出したら、また楽しくなってきました。旅行大好き。
もちろん、自分の城にいるのも好きです。
今日は何をしようかな。
みなさんはどうなさるの? 夏がひっこんだり、前に出てきたりしながら秋に向かっているようなので、ドレスをどれにするか迷いますね。
また来週、ここでお目にかかります。
🌞 ちぇりおですわ 🌞