はてなブログの今週のお題は「ドラマ」なんですね。「最近見てるドラマある?」ってはてなさんから聞かれましたのでお答えします。それは『ツイン・ピークス』です。
みなさん、『ツイン・ピークス』をうかつに見てはいけませんよ。
やめられなくなりますからね。
やめられなくなるっていうより、抜けられなくなりますから。
今、2シーズン目のおしまいの方を見ているんだと思うのですが、すっかり「なにのどこ」にいるのかわからなくなりました。「いつのどこ」と言ったらいいでしょうか。迷子です。
追悼のつもりでした。『マルホランド・ドライブ』にしとくんだった……いや、もうここまできたら今年はデイヴィッド・リンチを見続けるというのでもいいのかな……?
迷子になっています。
その合間に、『東京サラダボウル』も見ています。おもしろいです。音楽がちょっといいなあと思ってたら王舟なんですね。気に入って、サントラも聞いています。
いろんな言葉が行き交う東京、いろんなものが行き交う東京、いろんな人が行き交う東京。通じない言葉と言葉。職場ではマイノリティのはずの主人公が「ふつう」に見えるのがおもしろい。浮いてるんだけど、彼女だけがまっとうで、警察署内のほかのみんなはどこかしら傷ついてねじれて、狂ってしまっているように見える。彼女もそうなってしまうのかと、もうひとりの主人公が心配しています。その、もうひとりの主人公の四年前、五年前、八年前の姿が時折挿入されるのですが、それがほんとに「あっ、五年前はこんなに元気だったのかあ」と胸が痛くなるほど人相が違うのです。別人。痛ましい。まだ真ん中辺を見ているのでこれからどうなるかわかりませんが、みなさんは私のことなど気にせず、先に行ってください!
そうなのです。
「そうなのです」ってこともないんですけど、そうなのです。2 月は寝込んでしまい、起きているときは仕事をしていたので、まあほんとに、ふぁ……? という間に過ぎてしまいました。浮かれてトミー・フェブラリーとか聞こうと思ってたのに。せっかくだから、今聞きます。
2 月に見た映画は配信も入れてこんな感じでした。
- 『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』(劇場)
- 『ドラゴン×マッハ!』
- 『ラブ・フィクション』
『ドラゴン×マッハ!』は二回に分けて、『ラブ・フィクション』に至っては三回に分けて見て、三回目はもう 3 月になってました。いずれも名作。何度見てもいいものです。
『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』も『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』も、政治のせいで隘路に追い込まれたかのように見えていた香港映画が粘り腰を見せてくれたというか、花開いたというか、とにかくそんな現場を映画館で見られてほんとにうれしかったです。いろんな企画が外的な要因で消えていき、スターがスターらしくいられる状況がどんどん狭まっていき、「そりゃないでしょ」ということもあり、「そりゃないでしょ」で済めばまだよくて命の心配をしなければならいということもあり。でも、『ゴールドフィンガー』でちゃんと、個々に事情を抱えているのだろうなという人たちが、画面を通っただけでそのことが想像できる重みをもちながら、豪快に、不適に、優しく笑って話してごはん食べて病んでいく姿が映っていて、映画館の中で私は小刻みに震えていました。
今年は『ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件』も『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』を見たからもう満足……というのは半分ほんとで、半分は嘘。この二本に最大級の賛辞を送りたいです。そして、この二本の成果を目の当たりにしたのだから、やっぱり映画が好きだし、これからも見ていきたいと思いました。
一方、本の方は冊数が重なりました。寝てたので。
- P・D・ジェイムズ『皮膚の下の頭蓋骨』小泉喜美子訳
- シェイクスピア『リア王』安西徹雄訳
- アリスン・モントクレア『ロンドン謎解き結婚相談所』山田久美子訳
- 高橋健司『空の名前』
- 『蝸牛俳句文庫2 荻原井泉水』藤本一幸編著
- 『蝸牛俳句文庫3 芥川龍之介』中田雅敏編著
- 藤子・F・不二雄『藤子・F・不二雄大全集 モジャ公』
- 魯迅『魯迅評論集』竹内好編訳
- 阿部俊子『伊勢物語(上) 全訳注』
- 『ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 伊勢物語』坂口由美子編
- 榎村寛之『斎宮 伊勢斎宮たちの生きた古代史』
- 三宅大二郎・今徳はる香・神林麻衣・中村健『いちばんやさしいアロマンティックやアセクシュアルのこと 「恋愛わからない」「セックス無理」を考える本』
- ジョナサン・ゴットシャル『ストーリーが世界を滅ぼす 物語があなたの脳を操作する』月谷真紀訳
- 山本達彦『アテンション・エコノミーのジレンマ 〈関心〉を奪い合う世界に未来はあるか』
- カレン・ピアース『料理からたどるアガサ・クリスティー 作品とその時代』富原まさ江訳
いつもより多めなのはからくりがあって、ずーーーーーーっと読んでた本がたまたまこの月に続々ゴールしたのです。読んだからと言って「わかった!」とはならないのですが。
そして 2 月に読むつもりだったのに読めなかったのが青木美希『なぜ日本は原発を止められないのか?』です。読めなかったので、先に講演に行くことになってしまいました。

災害大国で、原発を建てられる場所などないこの日本列島に 54 基もの原発があるのはなぜなのか、悲惨な事故を起こした後、被災した人々の健康調査が継続されないのはなぜなのか、住宅支援を始めとしてどんどん支援が打ち切られていくのはなぜなのか、そもそも、唯一の被爆国なのに、なぜ私たちは放射線に対してこんなに構えが甘いのか。疑問はいくつでも浮かびます。青木さんはそれらすべてに果敢に、その脚その腕その目、その耳をもって臨み、それらがどのようにして現状を生み出しているか聞き出し、撮影し、記録しています。たいへんな労作の舞台裏を惜しみなく日本全国で披露しています。すごい。のらりくらしていないで、私もがんばローと思えました。

ここんとこまた、きゅーっと寒いですね。

風邪ひかないように、気をつけて参りましょう。


よい3月になりますように