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このワインは、半年ほど前に買ったあまり冴えない作り手のモレ・サン・ドニ一級。ちょっと前に、この畑のすぐ近くの別の一級を飲んだことがあり、それは大してすごくなかった。ただ、私の疲弊度が異様に高くなってしまったので、涼しい廊下でほったらかしになっていたこいつをぐったりしながらあけてしまったのでした。
まず色合い。ピノ・ノワールとしては異様に濃い色合いで、かなり長いことボトルを立てていたわりには透明度が低い。光にかざしてもあまり光らないほど暗い。香りは、ちょっとクラシックな梅系のやつ。ちょっとキャンディめいていてコート・ド・ニュイらしさはあるかもしれない。前回、この作り手の違うモレ・サン・ドニを飲んだときと同じ、クミンのようなスパイスの香りが初手から漂っている。
口に運んでみると、ああ、口当たりの良い、みずみずしいピノ味だ! ちょっと苦みがあり、ちょっとタンニンもあるけれども、そこも含めてピノってこんなだったよねと言いたくなる味。クミンを漂わせつつも、意外にも薔薇のニュアンスが少し混じっているし、苦みとタンニンのおかげか、それともつべこべ言ってもモレ・サン・ドニの一級だからか、けっこう立体的でもある。うまいじゃないか。まったく期待せずに抜栓しましたが、旨味あり、コクあり、奥行きありで一級だと言われたらちゃんと一級。ただ、そこからの伸びしろ、変化率はいまいち。作り手の問題か、我慢せず若いうちに抜栓してしまったせいか。明日、様子をみるとしましょう。
※翌日。格下といえるだろう、フランソワ・カリヨンのモンテリと対峙してみた。すると、こちらのほうが香料風味も薔薇香水ニュアンスもはるかに勝り、なるほどコート・ド・ニュイのワインであることがはっきりわかった。表情のバリエーションもさすがにこちらのほうが格上。ただ、暖かい気持ちで飲めるのは向こうなんだよね……。