日本神経学会学術大会のシャルコーシンポジウム,およびパリで開催されたシャルコー生誕200年記念式典にて講演させていただいた,シャルコー先生の晩年の弟子で,日本神経学の黎明期を切り開いた三浦謹之助先生について,岩田誠先生と共著でまとめた論文を,Journal of the History of the Neurosciences誌に掲載いただきました.

「なぜ三浦謹之助先生に関心を持たれたのですか?」というご質問をしばしばいただきます.きっかけは,もともとシャルコー先生に強い関心を抱いていたことに加え,コロナ禍,そしてワクチン接種後に増加した機能性神経障害(かつてのヒステリー)の患者さんを診療する中で,ヒステリー研究の祖でもあるシャルコー先生について学び直すなかで,三浦謹之助先生の存在がどんどん大きくなったためです.
そして三浦謹之助先生がシャルコーのもとで学んだ期間はわずか8か月にすぎないことを知りました.しかし彼は生涯にわたりシャルコーを尊敬し,生涯の恩師として仰ぎ続けました.その理由を知りたいと思い,考察したのがこの論文になります.
今回の学会発表と論文執筆を通じて,多くの学びを得ることができました.海外のシャルコー研究者との交流も生まれましたし,日本の神経学がどのような道筋を辿って現在に至ったのか,そのルーツを改めて知る貴重な機会となりました.若い先生方にもこうした歴史を伝えていけるよう,今後も機会を見つけて医学史の勉強を続けていきたいと思います.
論文は下記リンクよりご覧いただけます(ただし無料でのダウンロードは50名までとのことです).もしダウンロードできなかった場合にはPDFをお送りしますので,どうぞお気軽にご連絡ください.
https://www.tandfonline.com/eprint/KJUMWCHK7AYTTQ8JTYCK/full?target=10.1080/0964704X.2025.2581565
Shimohata T, Iwata M. Kinnosuke Miura and Jean-Martin Charcot: A master-disciple legacy in modern Japanese neurology. J Hist Neurosci. 2025 Nov 18:1-11. doi.org/10.1080/0964704X.2025.2581565.