興味深いことにLhermitteは,その後の研究テーマを人間の精神や高次脳機能障害にシフトさせていきます.具体的にはカタプレキシー,視覚異常,幻肢などの難解な現象に取り組みました.Lhermitte's peduncular hallucinosisという言葉がありますが,これは中脳幻覚症のことす.1922年に意識を保ったまま,鮮やかでカラフルな純粋視覚幻覚について報告しています(図中央は以前当科から報告した中脳幻覚症のスケッチです).また最近,1950年代の未発表のメモ(図右)が発見されましたが,なんと「悪魔の憑依」を研究しています(背景として宗教に関連したトラウマが議論されています).Lhermitteの学術的関心はその人生において大きく変化したことが伺えます.一度の人生,Lhermitteのように,好きな勉強に思いっきり取り組みたいと思いました.
Chu DT et al. Jacques Jean Lhermitte and Lhermitte's sign. Mult Scler. 2020;26:501-504.
Drouin E, et al. Demonic possession by Jean Lhermitte. Encephale. 2017;43:394-398.
美しい幻覚-中脳幻覚症-(http://www.med.gifu-u.ac.jp/neurology/column/observation/007.html)