今回,イタリアから,背景病理の生前診断にFDG-PETが有用であるという研究が報告された.研究の目的は,①背景病理ごとに特定の低代謝パターンを示すのではないか?そして②背景病理によらず,共通して低代謝を呈する部位は存在するのか?という2つの疑問を検討することである.①に関しては,著者らは異なるタンパク質ミスフォールディングは(CBSを呈しても)異なる脳内病変(=低代謝)分布を来すはずと考えたのだ.
対象はCBS 29例で,いずれの症例もFDG-PETが行われ,かつ剖検により診断を確定した.内訳はCBS-CBDが14例,CBS-ADが10例,CBS-PSPが5例であった.また年齢をマッチさせた健常群13例を加え,FDG-PET所見の比較を行った.
結果であるが,CBSの3群間で運動,認知に関するスケール(Mattis Dementia Rating Scale およびfinger tapping score)において有意な相違は認めなかった.問題のFDG-PET所見は,健常者と比較すると,以下の違いを認めた.
1)CBS全例:perirolandic areaや基底核,視床を含む一側性の前頭・頭頂部の低代謝
2)CBS-CBD:1)と同様であるが,より顕著で,対側の基底核まで含む低代謝
3)CBS-AD:外側頭頂・側頭葉と後帯状皮質を含む,後方,非対称性の低代謝
4)CBS-PSP:内側前頭部と前帯状皮質を含む,前方の低代謝
また3群の比較で,唯一,一次運動野の低代謝が背景病理によらず共通して認められた.
以上より,CBSでは異なる背景病理はそれぞれ特有の低代謝パターンを呈する可能性が示唆され,FDG-PETがCBSの背景病理の推定に有用であるものと考えられた.FDG-PETと病理診断を行った症例を29例も集積したことは本当に大変なことであるが,それでも各群の症例数は十分とは言えず,さらに症例を集積し,FDG-PETを用いた生前診断の有用性を検証する必要があろう.
Pardini M et al. FDG-PET patterns associated with underlying pathology in corticobasal syndrome. Neurology. 2019;92(10):e1121-e1135.
