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『脳卒中病態学のススメ』の発刊

高齢化が進行し,日本人の2人に1人が脳卒中に罹患する時代に突入しました.すなわち,脳卒中の治療薬開発は喫緊の課題であり,事実,他の神経疾患と比べても多くの臨床試験が行われてきました.その背景の一つとして,脳梗塞では,他の神経疾患,例えば病態機序の分からない神経変性疾患などと比較して動物モデルが作成しやすく,in vivoでの実験を行うことができたことが挙げられます.実際に多くの脳虚血に対する神経保護薬候補が動物実験により見出されましたが,そのほとんどの薬剤は臨床試験においてその効果を見出すことができませんでした.その原因は動物モデルとヒトの臨床との相違に関する理解不足や,動物モデルが厳密なデザインのもと行われなかったことなどが考えられています.さらに臨床応用を目指したトランスレーショナルリサーチに関する知識や経験も,圧倒的に不足していました.創薬を実現するためには,以下のような多くのハードルを乗り越える必要があります.

・治療標的分子の適切な決定 
・ヒトの臨床を反映する動物モデルの確立
・知的財産の獲得 
・産学連携の実現 
臨床試験の成功
・レギュラトリーサイエンスの理解

つまり創薬は基礎研究者や臨床医のみでは実現不可能で,さまざまな領域の多くの専門家を巻き込み,みんなで目標に向かって取り組みを進めるという「チームとしてのつながり」が必要となります.そしてそれぞれのチームによる成功例や失敗例から得たノウハウを共有し,さらにそれを糧にして,新たな創薬にチャレンジし,次の世代に引き継いで行く必要があると思います.

今回,脳卒中の病態と創薬に関する最新の情報を網羅し,さらに各自の経験やノウハウを共有することを目的とした書籍を企画させていただきました.それが標題の脳卒中病態学のススメ」です.「脳卒中の際,脳で生じている病態を知りたい!」と考えている臨床医は,私の知る限りとても多いことから,この名前に致しました.脳卒中病態学の知識は,日々の臨床において有益であり,その意味で,ぜひ臨床医の先生方にお読みいただきたいと思います.さらに本書は基礎医学からトランスレーショナルリサーチに至るまで広範囲の内容を網羅しており,若手から専門家に至るまで活用できる内容になっています.また脳卒中での創薬の取り組みは,その他の領域の創薬研究の絶好の参考となるため,創薬を志す他の領域の研究者にもお読みいただき,意見を交換させていただきたいと思っています.

編者の私は力不足ではありますが,将来の脳卒中治療を本邦から発信するために,全力で書籍作りに取り組みました.本領域を牽引してきたエキスパートの先生方に加え,脳循環代謝学会や脳卒中学会の学術総会において,「若手脳循環代謝研究者の会」と称して会合を行い,熱い議論を戦わせてきた同志のメンバーにご執筆いただきました.本書の趣旨に賛同し,熱のこもったご原稿をご執筆くださったご著者の先生方に心より感謝致します.2月初旬に南山堂より発刊され,オールカラー,350ページ超えで定価7,000円になります.



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