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脳卒中のリハビリテーションで大切なこと

10月29日,新潟神経内科シンポジウムが「神経救急」をテーマとして開催された.4人の講師の先生をお招きし,「神経救急総論(昭和大学有賀徹先生)」から始まり,「神経疾患急性期からのリハビリテーション(浅木病院 三好安先生)」,「神経救急と医療訴訟(水戸赤十字病院 大平雅之先生)」,そして「脳死判定と臓器移植(日本医科大学 横田裕行先生)」と様々な視点から神経疾患を勉強した.いずれも大変有意義で勉強になるご講演であったが,そのなかで三好安先生による「神経疾患急性期からのリハビリテーション」というご講演をご紹介したい.スタンフォード大学リハビリテーションを学ばれている頃に知り合った友人で,本格的に神経内科を学ばれた後にリハビリテーションに進まれた日本では数少ないドクターである(日本では整形外科を背景にもつ先生が圧倒的に多い).

三好先生が強調されたのは以下の4点である.
1.ドクターがまず行ってみせることが大切.
つまり理学療法士作業療法士が行う前に,まずドクターがリハビリテーションの指導を行なってみせることが大切であるということ.リハビリ中に具合が悪くなる可能性のある患者さんに対してはとくに大切で,バイタルサインの変化時などの対応を示すこと,そして万が一のときの責任はドクターにあることを示すことが必要である.

2.廃用症候群は急性期から急速に始まる.
廃用症候群は発症後急性期から起こる症状で,筋萎縮,関節拘縮,褥瘡,廃用性骨萎縮,起立性低血圧,精神的合併症などが生じる.回復には時間がかかるため,筋萎縮や関節拘縮を予防することはきわめて大切で,発症早期からの開始すべきである.脳卒中では,ラクネ梗塞なら24時間以内,その他は遅くとも3日以内に開始する(クモ膜下出血は除く).一度起きてしまった拘縮の改善にはフェノール,ボトックス等が行われるが,手術はより効果的である.

3.筋力増強(起立訓練)とROM(関節可動域)訓練に全力を傾ける
リハビリテーションのプログラムとしては,筋力強化と関節の動きの改善が大切である.前者については実用性の乏しい患側肢の改善を目指すより,むしろ健側肢の強化が大切である.健側の強化は日常活動の改善に即したリハビリとなる.患側を動かそうとしても力が入らない場合であっても,健側に力を入れてもらうとむしろ患側に力が入る.
またリハビリの課題としては,起立動作の反復練習がとても有効で,歩行訓練よりも起立動作は筋力活動が大きい.また坐位訓練,立位訓練は表面筋電図での評価では筋活動はほとんどなく,訓練になっていない可能性がある.具体的には起立訓練を400~500回/日行う.そして集団での起立訓練は,仲間意識,ライバル意識をもたらし,かつ認知症の患者さんでもみんなを真似て行ったりプラスの面が大きい(下記YouTube画像参照.しかしH18の診療報酬改訂で集団療法は廃止されてしまった).
一方のROM訓練は,麻痺側上肢を健側の上肢で行う,つまり自己ROM訓練を行うことが大切で,自分で学びできるようになれば,退院後も自分で行うことができる.

4.リハビリ病院へ紹介する.
急性期病院で,拘縮予防,筋力増強,ROM訓練が困難であれば,可能なリハビリ病院に早めに紹介し,機能回復を妨げないことが大切である.

また印象に残ったのは,「多系統萎縮症の患者さんも起立性低血圧を怖がってまったく起立訓練をしないことは疑問である.起立性低血圧が起きても臥床で改善するのだから,起立訓練を避けるべきではない」とおっしゃっていたことだ.たしかに起立性低血圧を過度に恐れるあまりリハビリが不十分となる可能性はある.神経内科の知識をバックグランドとしてもつリハビリテーションのドクターが増えていくことや神経内科医のリハビリテーション分野への積極的な参入が必要だと感じたご講演であった.

浅木病院での起立訓練風景

浅木病院ホームページ



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