パーキンソン病の治療において,L-DOPAとドパミンアゴニストが主となる治療薬であるが,案外,二つの薬剤の相互作用は知られていない.すなわち,運動に対する効果は単純に2つの薬効の和でよいのか?それとも相乗効果が期待できるのか?逆にジスキネジアについては併用で相乗的に悪化するのか?そんな疑問に答える論文を病棟の抄読会で,若手の先生に教えてもらったので紹介したい.
米国オレゴン大学の研究である.特発性パーキンソン病患者さんで,wearing off現象とジスキネジアの合併を認める13名を対象としている.プラミペキソール(ビ・シフロール1mg,1日3回)内服群と偽薬群に分け,4週間内服後,L-DOPAを0.5および1.0 mg/kg/hで2時間点滴し,その効果を確認した.内服ではなく,L-DOPAを静脈注射しているのは,内服による吸収の影響を除去するためである.
主要評価項目はfinger-tappingの速度曲線(回/min)のAUC(area under the curve)を用いた(つまり,面積を用いてfinger-tappingの運動量を示し,無動の指標とした).副次評価項目として,薬効の持続時間,ONになるまでの時間,歩行速度,ジスキネジアのAUC.評価が終われば2群をクロスオーバーして再評価を行なっている.無作為化・二重盲検・偽薬対照・交差(交互)試験である.
結果として, L-DOPAとアゴニストの併用は単純に加算する以上に運動機能の改善をもたらし,L-DOPAに伴うジスキネジアも高度となった.なるほど,アゴニストを内服している場合,L-DOPAの効果は良くも悪くも強く出るということか.アゴニスト使用中にL-DOPAをアドオンする場合,運動改善効果とジスキネジア増悪作用がともに強く出る可能性を考え,うまくバランスを取るかたちに用量を決める必要がある.
Arch Neurol 67; 27-32, 2010