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家族性良性舞踏病に L-DOPA が効く?

家族性に舞踏運動を呈する家系で常染色体優性遺伝を呈する場合,鑑別すべき疾患としてはHuntington病,DRPLA,Huntington病類縁疾患2型(HDL2),SCA17が挙げられる.HDL2に関しては,調査の結果,本邦における報告例はまだない(Ann Neurol 56:670-4, 2004).一方,昔から家族性良性舞踏病(Benign hereditary chorea; BHC)という概念があり,なぜか教科書にも載っているが,その存在の有無に関しては様々な論争があった.しかし,2002年になりTITF-1(thyroid transcription factor-1 gene)遺伝子に欠失を認める家系が発見されたのをきっかけに,TITF-1遺伝子にミスセンス変異を認める良性舞踏病家系が発見され,TITF-1遺伝子が常染色体優性遺伝性良性舞踏病(BHC)の原因遺伝子であることが判明した.この疾患は上述の疾患とは明らかに臨床像が異なり,発症は幼児期ないし小児期,非進行性で生命予後は良好.永続的な知能障害はなく,舞踏病も成長に伴い改善することが多い(成人発症の良性舞踏病の報告はまだない).これはTITF-1遺伝子が脳と甲状腺で機能する転写因子であり,出生後,両臓器が成熟する過程で何らかの蛋白発現を誘導しているものと考えられ,この遺伝子の変異により両臓器の発達障害がもたらされるものと推定される.知る限りにおいては本邦における良性舞踏病家系の報告例はない.
さてTITF-1変異についてはOMIMによると7種類の変異が報告されているが,今回新たな変異が報告された.エクソン3におけるナンセンス変異(523G→T, E175X)であるが,この家系における罹患者4名はBHCと先天性甲状腺機能低下症を認めた.興味深いのはうち2名でL-DOPA(20mg/kg/day)が使用され,両者とも劇的に歩行障害と舞踏運動が改善したことである.一般にHuntington舞踏病ではL-DOPAはむしろ舞踏病を増悪させることが知られている.本家系で有効であった機序は不明であるが,TITF-1遺伝子KOマウスで,ドパミン作動性ニューロンの発達が遅れていることが知られており,L-DOAがその機能をおぎなった可能性がある(GABA作動性,およびコリン作動性も発達遅延).BHCとHungtinton舞踏病はまったく異なる疾患というわけである.

Neurology 64; 1952-1954, 2005



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