公開初日の10月18日に観てきました、『ボルテスⅤ レガシー』
フィリピンでボルテスⅤがすごい、ってのはまことしやかにネット上では語られていた話題であり続けたと思うのですが、
何年か前にそれが本当で、フィリピンで実写化されるとの話でティザームービーが発表されてすごい界隈がざわついたのが懐かしいですね。

映画自体は、フィリピンで放映されたTV版を編集した、いわゆる「総集編」な扱いなので、
『ボルテスⅤ』初見勢(いや、本放送を見たことある人がどのぐらいいるかわかりませんけどね)にとっては、若干とっつきにくいかもしれません。
スパロボの知識「5人組」「合体ロボ」「天空剣が必殺技」「敵は宇宙人」ぐらいわかっていれば何の問題もないかと思います。
以下感想です。
総括:ロボアニメファンなら見るべき1作
監督・制作陣のボルテスⅤに対する熱意は本当にすごいです。
庵野監督が『シン』シリーズで自分の好きなことを好きなようにやって世間にも評価されていますが、
これも制作陣の熱意がビンビンに伝わってくる感じ、ヤバいです。
「『ボルテスⅤのうた』も日本語で歌わないと魂が入らないから」という台詞だけでオタクとして尊敬すべき狂人だというのがわかります。
映像美としては、合体シークエンスがすごい。
後、アニメやスパロボと違ってメカっぽさ爆上げしてるボルテスⅤがめっちゃくちゃかっこいい。
オタクが自分のスキルを、社会的地位(スポンサーとか、監督とか)をもって、自身の好きな作品へ恩返しをしていくというのは
オタクとしてリスペクトしかないじゃないですか。
(だからこそ、中東のファンは『グレンタイザーU』も金を出すだけじゃなくて愛を伝えるべきだった)
けれども、同じオタクだからこそ「解釈違い」だわ、って思う瞬間がひとつあって、
ラストバトルでも歌つきで主題歌をながすべきなんすよね!!
同じ畑のオタクとして、ケチをつけるならほんとにここだけ。
映画としては
前述のとおり、この映画、TV版の総集編なので、
「アツいからいいんだよ!」とか「特撮作品のお約束(例えば、攻撃でぶっ飛んだら市街地から山地に移動してるとか)」といった気持ちを事前にインストールできていないと、
「……??」という感想で埋め尽くされるところ多々。我が家では妻がまさにそんな感じ。
例えば、なんでジェイミーが忍術してるんだよ、ってのも、
原作でくノ一なんだよ、ということを知らなければ
「外国映画で日本エッセンスだしたいときのあるある手法やん」と受け取られかねない……
てな危うい表現もあったり。
多分これもフィリピン本国であれば「Oh,You forget she is Ninja?」で済まされるんだろなぁと思いますが。
SFの潮流の中のボルテスⅤ
出だし、メンバーたちがバイクや馬に乗ったり、武術や忍術を披露するシーンがあるわけですが、
ここが80年代特撮のOPとほとんど一緒の構成なのが興味深いっす。
5人のヒーローが揃えば紹介の仕方が似たようなものになるだろう、というのは当然の出来事ではあるんですが、
これがもはや、原作(前番組の『コン・バトラーV』含む、長浜ロマンロボシリーズ)のリメイクなのか、
それとも特撮からのオマージュなのか、もはや見分けがつきませんね。
特にリトル・ジョンがイルカの背中に乗るところ、強烈なデジャブありません?笑
この映画を見る前の24年9月にNHKの『100分de名著』で特集されていた
源氏物語をイギリス人作家ウェイリーが翻訳したものを再翻訳した
『Tales of Genji』を見てたんですよね。
再翻訳されることで、その作品が普遍的に愛される要素が改めて浮き彫りとなる……なんて見方をしていたのですが、
まさに今作はそのことを気づかせてくれました。
方々のメディアで東映の関係者がシリーズのエッセンスをスーパー戦隊シリーズは受け継いでいる、とお話をされていますが、
77年に世に出た作品が、半世紀経って時代・国を超えて、再び生まれ故郷に戻ってくるとなると作品の「良さ」の何が後世へ受け継がれていくものなのかがクリアになるなと感じます。
これもやはり「ロボットアニメ」という潮流の中に『ボルテスⅤ レガシー』も存在しているという
ファンとしては気持ちのいい結論に導けたところでおしまいです。
24年11月からはTV版を編集したものが放送されるということで、
そっちも楽しみですね。
実際、この映画だけで監督・制作陣の作品に対する向き方を評価してしまうのは、
良くも悪くも私たち自身がボルテスⅤに向き合う時間が足りてないな、なんて考えます。
TVシリーズ「ボルテスV レガシー」“超電磁リスペクトTV版”11月12日(火)よる8時~放送決定! | 『ボルテスV レガシー』公式ポータルサイト