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音楽朗読劇「三毛猫ホームズ」東京公演感想

2/3まで上演中の、音楽朗読劇「三毛猫ホームズ」東京公演を観劇してきました!

赤川次郎先生の『三毛猫ホームズ』シリーズ、その中でも『三毛猫ホームズの騎士道』が原作の朗読劇です。

『騎士道』はヨーロッパの古城が舞台ということで、ゴシック・ミステリの趣があります。

音楽朗読劇として舞台化するにふさわしい雰囲気の作品なのではないでしょうか。

 

私は2021年6月に前編/2022年1月に後編が上演された「BANANA FISH」The Stage(バナステ)がきっかけで、主演の水江建太さんと岡宮来夢さんの沼にはまったのですが、

今回の朗読劇はバナステぶりにお二人がメインで共演されるということで、情報解禁のときから大変楽しみにしていました。

ということで、気合いを入れて1/29、30マチネ、30ソワレの三公演を観劇してきました!

 

本作はミステリ作品ですので、前半は犯人やストーリーについてのネタバレなしで。

感想というより、2/3公演の配信を観てもらうための布教として書いていこうと思います。

 

配信チケットのリンクはこちら↓

https://l-tike.zaiko.io/e/mikenekoholmes-stage

 

 

原作は読んだ方がいい?

一度しか観ないのであれば、原作小説を読むことをオススメします。

劇場でグッズとしても販売されていますが、

『三毛猫ホームズの推理』と『三毛猫ホームズの騎士道』の二作品です。

繰り返し観るのなら、初めは真っさらな状態でも面白いと思います。

ただ、登場人物や物語の舞台となっている場所など、ストーリーを追うのに必要な情報を理解しながら観劇する必要があるので、相当頭を使うことになります。

ミステリ好きなら、むしろこちらのほうがオススメかも?

普段ミステリを読まないのであれば、原作を踏まえてから、のほうが役者さんの演技に集中できるのではないでしょうか。

 

ストーリーは怖い?

古城が舞台のミステリなので相応の不穏さはありますが、ホラー作品ではないので、そういう怖さはありません。

また、赤川次郎先生の作品は小学校高学年〜中学生くらいで履修される方も多いですし(私もそう)、比較的優しめなミステリものです。

金田一少年がダメでも、名探偵コナンが平気なら全く問題ありません。

 

「BANANA FISH」The Stageを観ていて、ちょっと気になってる

絶対に観てください。

アッシュ役だった水江さんは三毛猫のホームズ、英二役だった岡宮さんは刑事の片山役を演じます。

寄り添い合うチラシの写真でもわかると思いますが、ホームズと片山は相棒というべき関係です。

絶対に観てください。

なお、バナステの民は観劇前に原作小説『三毛猫ホームズの推理』を必ず読みましょう。解像度が上がります。

 

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それでは、ここからはネタバレ含む感想を。

※トリックや犯人については言及しません

 

 

水江ホームズが良すぎる

朗読劇なのにかなり動きがあって、ミュージカルを観ている感覚の本作。

水江ホームズの演技がとても猫なんですよ。

いつも手をグーにして握りしめて、猫のおててにしてるんです。足音も極力させず軽やかな動きで移動してて、椅子に座る(乗る)姿も猫そのままです。

1/30ソワレのカーテンコールで、来夢くんが「建太が猫に見える」旨のコメントをされていましたが、まさに、です。

その上で、片山に対してのホームズの態度が何と愛らしいことか!

序盤、片山が自己紹介する歌があるんですけど、その際にホームズは体を揺らしながらリズムに乗ってるんです。幻覚で尻尾が見えるようです。

また、片山の代わりに台本のページを捲ってあげたり、膝枕してあげたり、肩にもたれかかったりと、戯れあい(スキンシップ)が多い!

一人と一匹の信頼関係を表しているわけですが、猫を人間が演じているからこそ、の表現だったなと。言葉は通じないけど、お互いに思い合っているのが伝わってきました。

ホームズが片山への思いを歌うシーンもあるんですが、『三毛猫ホームズの推理』を読破済みなので泣きました。

ホームズは体を張って片山を守るわけですが、その行動の理由は深い愛情だと歌われます。

人間の死を理解しているからこそ、の行動です。

あの歌を聞いた上で、片山を必死に守るホームズの姿を見ると、それだけでもう涙腺が緩みます。

普段は太々しさも感じるホームズの鳴き声ですが、犯人に飛びかかったときの叫ぶような声に、「片山を守るんだ」という強い覚悟を感じました。

 

音楽朗読劇で良かった!

普段は、いわゆる2.5次元の舞台・ミュージカルを観劇することが多く、

朗読劇は2017年の『BLOOD+ 〜彼女が眠る間に〜』以来二度目の観劇でした。

今回は“音楽”朗読劇ということで、歌もあると事前情報で聞いていたのですが、

曲数も多くミュージカルを観ているような感覚で楽しめました。

シンプルな舞台セットながら、役者さんたちの演技や立ち位置を利用した演出で、視覚的にも迫力のある朗読劇だったと思います。

また、生演奏の『夏のなごりのバラ』がとてもよかった!

作中において重要な意味を持つこの曲を、実際に聴きながら物語を追うことができるのは、朗読劇ならではですよね。舞台とは違って「地の文」も朗読されるので、小説を読んでいるときの感覚に近いまま楽しめます。

この「小説を読んでいるときの感覚に近い」というのが、読書好きとしてはとても好感が持てるポイントでした。

物語の重要人物である片山の妹・晴美が出てこなかったり、由谷の性別が変わったり、そもそも猫のホームズを演じるのが人間だったりと、原作と違う部分は多々ありますが、

それでも脚本や演出、演技からは原作へのリスペクトが感じられて、違和感なく物語の世界に没入できました。

ミステリ小説というジャンル上、朗読劇化するにあたって説明的で冗長になりがちなシーンはありますが

(特に今回は古城が舞台で登場人物も多い上に、主要キャラクターの説明まで必要なので)

そんな場面では音楽や歌が積極的に活用されており、非常にわかりやすく、かつ中弛みなくストーリーが展開されていたと思います。

緩急のバランスが良く、集中力が途切れることなく観劇し続けられる作品でした。

 

雑感

正直、かなり満足度の高い作品でした。

マイナス点を挙げるとするならば、登場人物を減らしたり、性別の変更があったりした影響で、実行犯の動機が曖昧に感じられるところでしょうか。

文庫本一冊を二時間の朗読劇に落とし込み、かつ限られた人数で演じ分けるのですから、仕方ないことなのですが。

とはいえ、性別変更があったことで、原作を読んでいても「どういうエンディングにするのか?」どきどきしながら見届けることができました。結末自体はきれいにまとまっていて、現代の感覚にアップデートされたものだったんじゃないかなと思います。

 

本当に素晴らしい朗読劇だったので、ぜひ続編を観てみたいですね!

原作の『三毛猫ホームズ』シリーズは作品数も多いですから、今度は何を朗読劇化してくれるのか、想像しつつ、期待しつつ続編決定の朗報を待ちたいと思います。

 




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