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舞台『パラダイス』ネタバレ感想


去年見た、丸山隆平くん主演の舞台『パラダイス』の感想。

公演期間中にふせったーに書いて置きっぱなしだったので、ブログに移動させました。

 

www.bunkamura.co.jp

 

 

丸ちゃんが詐欺師グループのリーダーだなんて、絶対観たい〜!!と楽しみにしていた『パラダイス』。
優しさの塊みたいなまるちゃんが犯罪者なんて、フィクションの世界でしか見られないので興味津々だった。そういう丸山隆平をずっと見たかった。関ジャニ∞で陽の代名詞みたいなキャラをしている丸ちゃんの、陰な顔が見たかったんです!!ありがとうございます!!
カテコまで陰が抜けきってない微笑みでサイコーだった〜…
この感想には「イヤ」とか「気持ち悪い」とか出てきますが、私はそういう気分になる作品が大好きなので、楽しんだという意味で受け取ってください。めちゃくちゃ楽しんでます。
不穏でドキドキして目ギンギンで夢中で観ました。


では、ネタバレ感想いきます!


幕が開く前、会場では最近のヒットソングのメドレーが流れていた。うっせぇわ、紅蓮華、Pretenderなど。何か演出の意味があるのかな、と気になっていた。現代の若者っぽさ?

「グッバイ」でプツンと切れたのが気持ちよかったな。

 

開幕早々、特殊詐欺のアジトで部下を血だらけになるほどブン殴ってて「そうそう!そういう丸山隆平が見たかった〜〜!!」と大歓喜。この瞬間に、アタリを確信しました。

 

詐欺を働く側の理屈は「金を蓄え込んでいる年寄りから奪う」というもので、乱暴ではあるけど「なるほど」と思った。実際の詐欺犯の考えもパンフレットで知ることができて、ダメなことではあるけど、理屈は理解できた。

丸ちゃんが演じる梶はヤクザを抜けて独立することを企んでいたらしい。それを知った辺見が、梶の家族の身辺情報を世間話のように披露して「調べてるぞ」と笑顔で無言の圧をかけるの怖かったな。

 

そのあと梶は実家(小川家)に帰る。なんで苗字ちがうの?梶は偽名かな?

この実家がパンフレットによると「市井の人々」なんだけど、私は彼らの場面がなんかほんと一番しんどかった。

ずーっと怒鳴り続けている姉は「〜だからぁ!」という語尾を何度も何度も繰り返して、だんだんイライラしてきてしまう。

父は父で乱暴で、家族の言うことを聞かない。母はぼんやりしているというか、おとなしいというか(でも言うことは言う。そこは好き)。

梶は詐欺をしていることについて「普通の生活に復讐したい」みたいなことを言っていて、どういうことだ?と思っていたけど、この家族を見ていると、「家族はあって子育ても普通にされたのだろうけどストレスすごそうだな」と思った。

梶が帰ってしばらく誰も梶を見ない、言葉をかけたり返事もしない、というのも気味が悪かった。何より、何か問題があって無視しているのではなく、そのあと普通に喋るのがまた気持ち悪い。なんなんだこの家族は?嫌っているわけではないのだろうけど、軽んじている感がすごい。

 

あと、全体的にいろんな登場人物の「話の噛み合わなさ」が強調される場面が多くて、それも不穏で気持ち悪かった。みんな自分のことしか考えていなくて、自分の言いたいことばかり言ってる感じ。怖い。

でも、噛み合わない会話がすごくありふれた内容のセリフで、具体的にいま思い出せない。あまりに普通のことを「いまそれ言う?」というタイミングで繰り出してくるのが不気味だった。

ひとつ覚えているのは、いなくなった猫を必死に探している(主導権は姉)場面なのに、猫の話をする梶に対して姉は「どんな車乗ってんの?」と訊いたりする。話は他愛無いのに噛み合ってなさすぎて怖い。

 

ヤクザの上司(?)である辺見たちがビルの屋上で焼き肉(BBQ?)をしている場面。舞台の上の段ではヤクザの上司がシャンパンと肉。下の段では特殊詐欺グループの末端の若者がカップラーメンを啜っている構図が、格差の縮図って感じで苦い気持ちになった。
そして辺見はその屋上を「パラダイス」だと形容する。辺見のパラダイスは、末端の働きによって成り立っている。

この場面でやけに愛想のいいおじさんが乱入してきて「富士山が噴火するらしい」とか言うのも怖かったな。このビルの心療内科に通っているとのこと。なぜここに来たのか。自殺するつもりだったのか。紙袋には何が入っていたのか。何もわからないまま場面が変わった。こわい。

先ほどの猫の話に戻る。小川家の猫がいなくなり、家族総出で探すのを、梶も手伝っている。懸命に探したあと、相棒の真鍋にかけた電話での会話で、その猫の"居場所"が語られた時、ゾッとした。

 

クライマックスのビルの屋上。ボディーガードの青木と共に、辺見がまたワインかシャンパンを飲んで、寿司を食べている。やってきた梶の手元には包丁。誰もそれについて触れずに会話ばかりが進む中、包丁がギラギラと照明を反射して光っているのがめちゃくちゃ怖い。そして梶の表情も、怒りや呆れが忙しなく動き回っていて、いつその刃が辺見に突き立てられるのかとドキドキする。たまんね〜不穏!!

やっと包丁について触れたかと思ったら、傍にあるブルーシートが捲られて、血だらけになった相棒・真鍋が横たわっている。そして真鍋の行いを馬鹿にしまくる辺見に、ついに包丁が突き立てられる。

梶の沸点、そこかーー!!!!相棒を馬鹿にされて怒りが頂点に達するの、めちゃくちゃイイですね!!!!そういうの好き!!

帰宅後にパンフレットを読み、冒頭にあった「恋情まがいの言葉もある」といった内容のコメントで私はすぐにこの梶を思い浮かべたのだけど、そのあと辺見役八嶋さんの「(独立を企む)梶に対する執着」「好きな女の子に」キレるみたいなもの、といったことが書かれているのを読んで「えっ!そっちの話してた!?」と驚いた。

そんなところにBBQのときの愛想のいいおじさんが、愛想よく乱入してくる。手にポリタンクを持っている。不穏すぎる。心療内科と、ポリタンク。以前梅田で起きた放火が頭をよぎる。まさにそれだった。医者と揉めて、火を放ったと笑うおじさん。こわい。
これは2020年時点にもあった設定なのか気になるところ。

青木が銃でおじさんを撃ち、居合わせた特殊詐欺の女の子を逃がす。これは「次世代を生かす」ことを描いているのだとパンフレットで読んで、なるほど〜と思った。
青木はその銃で、上司でありボディーガードとして守っていたはずの辺見を撃ち殺す。青木めちゃくちゃこわい。そして鳴き声がうるさくて嫌いだというカラスも。数発撃ったあと、舞台の中央に真っ黒なカラスの死骸がボトッと落ちて来た瞬間、驚きと不気味さで肩を震わせた。

辺見を慕っていたのかと思ったけれど、上でギャアギャアとうるさい辺見のこともまた疎ましく思っていたというメタファーなのかな、と感じた。
「パラダイス」と形容した屋上で、部下である梶に刺され、青木からの銃弾で死ぬとは、なんとも皮肉。

梶に対して、青木が銃を向ける。この銃は青木のお手製。前のBBQのシーンでも登場した。暴発して自分の腕が吹っ飛ぶかもしれないと言っていたけれど、ここで何発撃っても、嫌いなカラスを追い払うのに使っても、辺見を撃っても、嫌な言い方だが問題なく使えていた。

屋上に残っているのは青木と梶の二人。梶は抵抗する気配もない。撃たれてしまうのかな、暴発してくれ、と思ったところで、暗転。

 

ラストは小川家のシーン。
三日連続のカレーについて「インド人じゃあるまいし」みたいなことを言ったところで、暗転のときにインドっぽい曲が流れるのはなんなんだろうと思っていたけど、ここと繋がっていたのか?と思った。でも特に意味があるようには思えず、遊び心なのかな?(意味があるなら知りたい)
家族は呑気に喧嘩したり、テレビを見たり、孫(姉の中学生の息子)はいつ帰ってくるのか、などと話をしている。梶が置かれていた状況については誰も知らない。

そんな中で、誰かが帰ってくる。
「もう帰って来たの?カレー食べちゃってよ」といった内容の姉のセリフで、話が終わった。

 

梶が生き残ったのかどうかは描かれておらずわからない。

私の願望としては、青木の銃が暴発して梶は生き残り、家族の元へ帰り、普通の生活に戻った。仕事から「もう帰ってきた」ということなのだと思いたい。

ただ、あのビルでは火災も起きていた。戻るに戻れない状況だった。

それを考えると、青木の銃が暴発して梶が生き延びたとしても、屋上から火災をくぐり抜けて脱出できる方法はないのではないか、と思う。おじさんはポリタンクを持っていた。ガソリンか灯油が入っていたのだと思う。特殊詐欺の女の子が逃げ出したときには屋上まで煙が上がってきていたし、そのあとしばらくしてから逃げるには無理があったのではないか。

「戻るに戻れない」といった内容のセリフを言ったのは辺見だったかな。

どちらにしろ、梶は、戻れなかったんじゃないかな。

「もう帰ってきた」のは中学生の息子のほうで、あの家族は梶が死んだことなど知らないままなのかもしれない。

いなくなった猫が実は辺見によって殺され、脅しとして梶の家の廊下に放置されたことを、最後まで知らなかったみたいに。




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