学習を続けるうえで、環境という土台がどれほど大切か、最近あらためて考えさせられています。
やる気が出ない。
続かない。
そう悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
以前の自分がまさにそうでした。
「もっと頑張らなければ」と気持ちを奮い立たせても、数日もすればまた元の木阿弥。
意志が弱いのだろうかと、ずいぶん自分を責めたものです。
でも今になって思うのは、そもそも土台となる環境が整っていなかったのだと。
やる気というのは「スイッチ」に似ています。
押した瞬間は確かにパッと灯るけれど、電池がなければすぐに消えてしまう。
スイッチはきっかけにすぎない。
本当に必要なのは、自然とモチベーションが湧いてくる状態を最初から作り上げることなのです。
プログラミング講師として多くの受講者と向き合ってきた経験から、この問題の本質が少しずつ見えてきました。
まず正直に言うと、初期の頃の講義は完全に失敗していました。
受講者のモチベーションを上げることばかりに意識が向いていて、学習を継続させる「仕組み」を整えることを後回しにしていたのです。
熱量のある言葉を並べ、受講者の目を輝かせることには成功した。
でも1ヶ月後、2ヶ月後に振り返ると、多くの方が途中で失速していました。
「まつい先生の講義は楽しかった。でも続けられなかった」という声を受け取ったとき、正直かなり堪えました。
その言葉が、自分の講義スタイルを根本から見直すきっかけになったのです。
そこから試行錯誤を重ねた結果、たどり着いた答えはシンプルなものでした。
やる気を「作る」前に、やる気が「湧いてくる状態」を整えること。
これだけです。
具体的にはこうです。
神奈川県相模原市にある自分のオフィスで、実際に受講者と向き合いながら気づいたことがあります。
学習がうまく進む人とそうでない人の差は、才能でも根性でもなかった。
「学ぶための環境に、どれだけ早い段階で意識を向けたか」の差でした。
デスクの整理整頓ひとつとっても、作業に入るまでの心理的ハードルがまるで違います。
ざわついた環境では思考がまとまらず、静かで整った場所では不思議と手が動き出す。
これは受講者自身も「なんか今日はスッと進んだ」と表現することが多い感覚です。
それを意図的に作れるかどうかが、学習の継続を大きく左右します。
環境を整えることは、サボっているのではありません。
それは最も根本的な学習投資です。
とはいえ、「環境を整えましょう」と言うだけでは抽象的すぎますよね。
Gallup認定ストレングスコーチとしての視点から付け加えると、環境とは物理的な空間だけを指しているわけではありません。
自分の強みに合った学習スタイルを選ぶことも、立派な環境整備のひとつです。
得意な思考パターンを無視して「正攻法」と言われる方法を無理やり踏襲しようとすると、ぎこちなさが生まれ、それ自体がストレスになってしまいます。
自分が自然に動ける流れをつくることが、結果的に一番早い道なのです。
人は得意なルートを通るとき、エネルギーの消耗が驚くほど少なくなります。
やる気は節約できる。
そしてその節約分を、学びの深さに回すことができるのです。
さて、もうひとつの失敗談を話させてください。
あるとき、受講者の方から「先生って、もしかして最初から全部うまくいってたんですか?」と聞かれたことがありました。
思わず苦笑いしました。
エンジニアとして仕事をしていた時期に、プレッシャーと環境のミスマッチからうつ状態に陥った経験があります。
毎朝、体が動かない。
やりたいことがあるはずなのに、何も手につかない。
あの頃は、頑張れない自分が悪いのだと思い込んでいました。
でも実際は、自分に合わない環境に無理やりはまろうとしていただけでした。
あの経験があるからこそ、「環境が人の状態を決める」という話を今は自信を持って伝えられます。
回り道したことが、天職に出会うための必要な過程だったのだと、今では心からそう思えています。
もしあなたが今、「やる気が出ない」「頑張っているのに続かない」と感じているとしたら、一度立ち止まって周りを見渡してみてください。
意志の力を振り絞る前に、環境という土台を見直す価値があるかもしれません。
責めるべきは自分の気持ちではなく、整っていない仕組みの方なのです。
変えやすいところから、少しずつ整えていく。
その小さな一歩が、継続への扉を開けてくれます。
人が自然に動き出せる状態をつくること。
それが本当の意味での学習支援だと、日々の講義を通じて実感し続けています。
やる気スイッチは、押し続けるより、自然に点灯する仕組みをつくった方がずっとラク。
そしてそっちの方が、結果もついてくる。
実際に自分自身が、そのことを身をもって体験してきました。
だから今、同じ悩みを持つ人たちに伝えたい。
頑張る方向を変えてみることが、突破口になることがあります。
あなたの学びの環境は、今どんな状態ですか?