ITエンジニアって、なんだか難しそう——そう感じて、一歩引いてしまった経験はありませんか。
「コードって何?」「プログラミングって理系の人がやるものでしょ?」そんな声を、講義の現場でも本当によく耳にします。
でも、少しだけ立ち止まって考えてみてほしいのです。
その「難しそう」という印象は、果たして本当に正しいのでしょうか。
実のところ、私自身もかつてはその一人でした。
プログラミングを小学生のころから続けてきたにもかかわらず、ITエンジニアとして働き始めてから壁に何度もぶつかり、精神的に追い詰められて、うつ状態に陥ったことがあります。
「好きだったはずなのに、なぜこんなにつらいんだろう」と、パソコンの画面を前にして手が止まる日が続きました。
相模原の実家で、深夜にひとりモニターを見つめながら、「自分には向いていないのかもしれない」と何度も言い聞かせていたあのころ。
閉塞感と焦りが入り混じった記憶は、今でも鮮明に残っています。
それでも諦めずに続けていたからこそ、ようやく大切なことに気がつくことができました。
問題はITそのものではなく、ITの本当の魅力が正しく伝わっていなかったことだったんです。
その気づきがあったからこそ、「多くの人にITの楽しさを知ってほしい」という想いが、 私の中に根を張るようになりました。
ITエンジニアの仕事には、表からは見えにくいけれど、確かに存在する深い喜びがあります。
自分が書いたコードが、誰かの業務を劇的に効率化する。
自分が設計したシステムが、日本のどこかで今日も静かに動き続けている——その事実を知ったとき、「ああ、自分は社会と繋がっているんだ」と、じんわりと温かい感覚が広がります。
成果物が目に見える形で残るものづくりの仕事でありながら、それが社会に直接影響を与えられる点は、他の多くの仕事とは一線を画す部分です。
プロダクトを完成させたときの達成感は、言葉で説明しきれないほど格別なものがあります。
あなたは、自分が作ったものが誰かの日常をほんの少し便利にした瞬間を、想像したことがありますか。
その喜びをひとたびでも体感できたなら、きっとITへの見方が変わるはずです。
働き方の柔軟さも、見逃せない魅力のひとつです。
フレックスタイム制度や在宅勤務を活用できる職場が増えており、通勤ラッシュとは無縁の暮らしを送っているエンジニアも珍しくありません。
講義の中で「フルリモートで神奈川から沖縄に移住しました」という受講者の話を聞いたとき、働く場所そのものを選べる自由が、人生の質を根本から変えうると改めて実感しました。
育児や介護と両立しながら第一線で活躍している方も多く、ライフスタイルに合わせて仕事そのものをデザインできる点は、他の職種と比べても際立っています。
「仕事が生活を圧迫する」のではなく、「仕事と生活がうまく共存している」という感覚——それを手にしやすいのが、ITエンジニアという職業の大きな特徴です。
働き方を自分でコントロールできるということは、人生そのものを自分でデザインできるということと、ほぼ同義と言えるかもしれません。
さらに、スキルを副業に転用できることも大きな強みです。
エンジニアとして積み上げてきた技術は、フリーランスの案件受注、アプリ開発、技術コンサルティングなど、さまざまな場面で収入に直結します。
本業で得た知識が、別の角度からも自分の生活を支えてくれる——私が講師として関わってきた現場でも、本業と副業を掛け持ちしながら収入を2倍以上に伸ばした受講者の話は、ひとつやふたつではありませんでした。
「まさかこんなに活かせる場面があるとは思っていなかった」という言葉が、今でも耳に残っています。
スキルが自分の中に着実に積み重なっていく感覚は、単なる収入増加以上に、大きな自己肯定感へと変わっていきます。
将来の選択肢を広げておくことは、時代がどう変わっても揺らがない安心感に繋がるのです。
とはいえ、「自分には無理かもしれない」という不安も、十分わかります。
私自身、講師という天職に出会うまでには、エンジニアとして挫折し、うつを経験し、かなりの遠回りをしてきました。
それでも振り返ると、その回り道があったからこそ、今の自分は受講者の気持ちに寄り添えると感じています。
スタート地点がどこであれ、ITの世界は確実に間口を広げてきました。
難しそうに見えるのは最初だけで、一歩踏み込んでみると、思ったよりずっと人間臭くて、温かくて、面白い世界が広がっています。
「向いていない」と諦めるのは、その扉を開けてからでも遅くありません。
あなたにも、ITエンジニアという仕事の本当の楽しさを知ってほしいのです。
やりがい、自由な働き方、スキルの汎用性——これらは、実際に始めてみなければ決して実感できないものばかりです。
難しい顔をして画面を見つめる必要はありません。
まずは「面白そうかも」という軽い気持ちで、一緒にその世界を覗いてみませんか。
ITの可能性は、想像しているよりもずっと広く、そしてずっと温かいはずです。