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経常収支増加によるマネーストック増加および内外金融資産の持ち替えに関する最もシンプルな整理

研究ノート

経常収支増加によるマネーストック増加および内外金融資産の持ち替えに関する最もシンプルな整理

朴勝俊

2025/7/13

 

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1.輸出のばあい

 輸出によって日本国内のマネーストックが増加することを、最も単純な想定で、図解で明らかにした(表1)。輸出の代金が国際送金によって支払われる際に、日本のマネーストック(銀行預金)が増加すること、および売り手の金融純資産が増えることが分かる。他方、邦銀が米銀と預金口座を互いに持ち合う契約をしても、送金を仲介しても、邦銀が米銀に対する金融資産を、相手方への預金から米国債に持ち替えても、米国債を日本国債に交換しても、いかなる段階でもマネーストックも金融純資産も変化しないことが確認できる。

解説

 売り手と買い手の取引は邦銀Jと米銀Aを介して行われるものとする。1ドルが百円という為替レートが成立していると仮定する。各取引は1億円かつ百万ドルとする。いずれの経済主体も全体から比べれば微小であり、いかなる取引も為替レートを動かすほど大規模ではないと仮定する。

 

[1] 邦銀と米銀が預金口座を互いに開設

 邦銀Jが米銀Aに対して百万ドルの預金(預金JAと呼ぶ)を保有し、代わりに米銀Aが邦銀Jに1億円の預金(預金AJと呼ぶ)を保有するものとする。

 

[2] 米国の買い手が日本の売り手からモノを買う

日本の売り手がモノを米国の買い手に引き渡し、代金を国際送金で受け取ると、買い手の預金(A預金)が減り、売り手の預金(J預金)が増える。買い手の金融純資産は減少し、売り手の金融純資産が増える。この瞬間に、日本のマネーストック(MS)は増加し、米国のマネーストック(米MS)は減少する。送金を仲介する邦銀では、資産の「預金JA」が増えると同時に、負債の「J預金」が増えるので、金融純資産に変化はない。米銀Aでは負債の「預金JA」が増えると同時に、負債の「A預金」が減少するので、金融純資産に変化はない。

 

[3] 邦銀Jが預金で米国債を買う

 邦銀Jは、相手方への預金よりも米国債保有する方が有利と考え、金融資産を米国債に持ち替える。米銀Aが保有する米国債を購入する際、相手方への預金を使う。資産の「預金JA」が減ると同時に、負債の「預金JA」が減る。金融資産としての米国債が、米銀Aから邦銀Jに移動する。邦銀J、米銀Aともに金融純資産に変化はない。

 

[4] 邦銀Jが外貨資産を「持ち帰る」べく米国債と日本国債を交換[1] 

 邦銀Jは、外国に置いていた資産を日本に「持ち帰る」べく、米国債を日本国債に持ち替える。以前から米銀Aはある程度の日本国債保有していたものと考え、邦銀Jと米銀Aの間で米国債と日本国債が交換されるものとする。ここで邦銀J、米銀Aともに金融純資産に変化はない。

 

[通算] 各部門において、符号の異なる同名の資産・負債をタテに相殺してゆくと、通算の結果が得られる。日本においてマネーストックが増え、米国ではマネーストックが減少する。売り手は金融純資産を増やし、米国の買い手は金融純資産を減らす。両国の金融機関においては、金融純資産は変わらない。

 

 

2.出稼ぎ収入のばあい

 日本の労働者の出稼ぎ収入は、国際収支統計の第一次所得収支の雇用者報酬に含まれる。これが、現地通貨で支払われる場合には、日本国内のマネーストックは直ちに増加しない(表2)。その後、労働者による資産持ち替えによって、米国のマネーストックや、日本のマネーストックが変化する。

解説

 米国の企業と労働者との取引は米銀Aにおける銀行口座を介して行われるものとする。1ドルが百円という為替レートが成立していると仮定する。各取引は1億円かつ百万ドルとする。いずれの経済主体も全体から比べれば微小であり、いかなる取引も為替レートを動かすほど大規模ではないと仮定する。また金利等の支払は無視する。

 

[1] 邦銀と米銀が預金口座を互いに開設

 邦銀Jが米銀Aに対して百万ドルの預金(預金JAと呼ぶ)を保有し、代わりに米銀Aが邦銀Jに1億円の預金(預金AJと呼ぶ)を保有するものとする。

 

[2] 日本の労働者が米国企業で働き報酬を得る

日本の労働者が米国において米国企業で短期間働き、報酬を米銀Aにおける預金の形で得るものとする。この際、米銀Aが企業の口座(A米預金)から労働者の口座(J米預金)へと振替を行う。米国企業の金融純資産は減り、労働者の金融純資産が増えるが、米国のマネーストックはここで変化しない。

 

[3] 労働者が預金で米国債を買う

 労働者は今後も日米を行き来すると考え、米国銀行での預金をしばらく米国債で運用しようとし、米銀Aから米国債を購入する。このとき、J米預金が消滅するので、米国のマネーストック(米MS)が減少する。労働者、米銀Aともに金融純資産に変化はない。

 

[4] 労働者が資産を持ち帰るべく米国債を邦銀に売る

 労働者はもはや米国を訪れることは少ないと考え、資産を日本に持ち帰るべく、米国債を邦銀Jに売却する(単純化のため、米国債は紙の証券であるとする)。邦銀での預金(J預金)の形で代金を受け取ることになるので、国内のマネーストックは増える。

 

[通算] 各部門において、符号の異なる同名の資産・負債をタテに相殺してゆくと、通算の結果が得られる。日本においてマネーストックが増え、米国ではマネーストックが減少する。労働者は金融純資産を増やし、米国企業は金融純資産を減らす。両国の金融機関においては、金融純資産は変わらない。

 

 

 

 




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