「もしも2014年度以降に消費税が増税されていなかったら?」
ストック&フロー・一貫マクロ計量モデルによる反実仮想シミュレーション
朴勝俊
2025/6/1
要約
本稿のストック&フロー・一貫マクロ計量モデルを用いた反実仮想シミュレーションによれば、野田佳彦首相が「三党合意」で決めた消費税増税を行わず、2014年度以降の消費税率が5%のまま保たれていたら、現実と比べて2023年度の実質GDPは2.5%大きく、実質消費は6.1%大きく、実質家計可処分所得は4.0%高かったと推計される。物価が抑制されるので、名目賃金率は抑制されるが、実質賃金率は3.3%程度改善する。
ストック&フロー・一貫モデルでは、各部門の実質金融純資産の変化も計算できる。その際には、かならず「政府の赤字はその他の部門の黒字」という関係が保たれている。消費税率の据え置きは、実際には家計の実質金融純資産をそれほど増やさないが、それは家計が消費を増やし貯蓄を減らすためであって、家計の生活水準は必ず改善している。一般政府は実質金融純負債を約95兆円増やすが、そのコインの裏側として金融純資産を増やすのは、主に民間非金融部門(約42兆円)と海外(約43兆円)である。日本の産業界は消費税減税を、自分たちの財務的利益を増やす策として検討してもよいであろう。
図: 2014年度以降、消費税が5%に据え置きされた場合の、各部門の金融純資産の増分と、政府純負債の増分との関係

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