スイス空軍アクロバットチーム、パトルイユ・スイス/Patrouille Suisse。4つの公用語の中で6割以上の国民がドイツ語を第一言語とするスイスですが空軍アクロバットチームの名称はフランス語です。


パトルイユ・スイス / Patrouille Suisseについて
F-5E戦闘機6機なのでアメリカンスタイルのアクロチームに分類できそうですが、ヨーロピアンな構成も織り交ぜた構成が独特で魅力的なチームでした。

↑こちらは韓国空軍の同型機。
F-5Eってモビルスーツだとザクやジム的な普及版っぽい位置付けですが、カラーリングが違うと凛々しく見えます。

チームのパイロットは、普段はF/A-18に搭乗しており、2週間に1回程度のペースでF-5Eでのアクロバット訓練を行いながら展示飛行しているというのも興味深いポイント。複座練習機型のT-38ではなく単座戦闘機のF-5Eでどのように技術を後任に伝授しているのでしょうか。

コクピットの空調が貧弱なのか? 離陸直前までキャノピーを開けていました。観客席の私はライトダウンを着ても寒かったのですが。

着陸後も然りで、キャノピーを開けてタキシングしていました。

RIAT 2017でのパトルイユ・スイス
キャノピーを閉じて離陸滑走開始!

3機・3機で離陸。


序盤は隊形を変えながらのパスという構成はヨーロピアンスタイルの定石通り。生憎の曇天でしたが、天候が良ければループも交えながら行うようです。

観客の前でターンしながら隊形を変えてゆきます。隊形移行のスムーズさ、動きの揃い方は流石です。




一通り6機での隊形を披露し、4機・2機に分かれての演技に移ります。



左側からコークスクリュー。

この課目はブルーのように観客方向に進入しながら見せる方がダイナミック感が強調されると感じますが、どういった科目をどの角度、どの順番で見せるかという点も各国アクロチームの個性が出て面白い部分と感じます。

ボントンロールが独特で楽しい。

先ずは正面から見て時計回りに回転。

「おぉ、見事に揃ってました! パチパチ」と、ここで喜んではいけません。

すぐに逆方向にロール。1回のパスで両方向に回転って凄くないっすか。


脚を出しながらのカリプソにも練度の高さを感じます。

課目名が"Shadow"というのがカッコいいですね。

上の写真では一番下の機(4番機?)が先頭に見えますが正面をパスする際には上の機(1番機?)が前に出ています。角度による錯覚でしょうか。 いずれにしても見栄えのする演技です。

味わい深いアナウンス
この時は丁度ウィンブルドン選手権が開催されていて、スイス人であるフェデラー選手が勝ち進んでいた時期でした。で、「テニスラケット隊形です。皆さん我が国のフェデラーを応援してくださいね」とのフランス語訛りのボソボソ・訥々としたアナウンス。会場には暖かい拍手と笑いが起こります。

因みにフェデラー選手は歴代最多記録でウィンブルドン選手権を見事制覇。おめでとうございます。
RIAT終了後、ヒースロー空港にレンタカーを返しに行ったら返却待ちで渋滞するほどの異常な混雑。Avisレンタカーのおじさん曰く、F1イギリスGP、ウィンブルドン、そしてエアショー(RIAT)が重なったせいで"Crazy week!"と苦笑しながらぼやいていました。



アフターバーナーを焚いてもそれほどボワッ&メラメラしません。因みに当機のJ85エンジンは元々無人機やミサイル用として小型、安価であることを目的に開発されたもの。

会場アナウンスでは「スイスが誇る世界最長のトンネル(ゴッタルド鉄道トンネル)を象った演技」といった感じで紹介していました。課目名はずばり「トンネル」。

山型隊形でゆっくり進む5機の間をソロ機が高速でパスします。

これはスイス国旗の十字型と言っていました。

正直なところF-5Eには安モノ的な印象を持っていましたが、センスの良いカラーも相俟ってアクロを披露するスイスのパトさんは中々のイケメンでした。



エアブレーキは下面に付いています。


ラストはブレイクしながら1機ずつの着陸。




やはり着陸後も速やかにキャノピーを開けていました。

最後に
生憎の曇り空のため水平系の演技のみだったのは残念でしたが、ヨーロピアンスタイルにアメリカンなエッセンスも加えた魅力を感じることは出来ました。何と言いましょうか、一つ一つの演技や構成が上手いなぁ~と感じます。いつか青空の下で見たいチームです。