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面白さをメンテナンスする

 
 
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昨日の話の続きがしたくなったので、「面白さ」の周辺についてもう少し書かせてください。
 
ブロガーでもSNSアカウントでも動画配信でも、たくさんの人に見てもらいたければ「面白さ」が重要なのは昨日書いたとおり。でも、白状すれば、面白さの乏しい状態から抜群に面白い状態まで持っていく方法は私にはわからないし、わかったとしても再現性は乏しい予感がある。なぜなら、世の中には面白さのコアパーツがどうにも欠如しているっぽい人も存在し、そういう人は面白さに人一倍のリソースを割いてもあまり面白くならない気がするからだ。
  
もっと再現性がありそうで、実際、多くの人々が取り組んでいるようにみえることがある。それは「面白さのメンテナンス」だ。なんらか、不特定多数を相手取ってアウトプットし続けるようになった人々が、そのような状況・そのような面白さを維持するために、メンテに励んでいる姿は頻繁に見かける。短期的にみるなら、面白さをメンテする必然性はあまりない。でも長期にわたって活動するなら面白さはメンテしなければならないし、ひいてはメンテの腕前、メンテの才覚が問われるだろう。
 
 

面白くあり続けるための努力

 
私は十数年前から編集者という職種の人とお話をするようになったのだけど、私から見た編集者は、色々なことに取り組んでいる人が多いように思う。または、遊び心の豊かな人が多いというか。わけのわからない分野のわけのわからない知識を持っていたり、カルチュアルな特定領域に造詣が深かったりすることも多い。活発な人の活躍、面白い映画、流行っているアニメの話にも敏感だ。
 
漫画や小説やエッセイを書いている人たちもそうだ。あちこちに出かけて色々なものを吸収する、取材する、情報を交換する、専心している以外の領域にもアンテナを張り巡らせる、等々。手を動かしているだけじゃなく、足も動かしている。
 
こうした彼らの行動から言えそうなのは、「すでに面白さを獲得しているとしか言いようのなさそうな人々も、その面白さを維持するため非常な努力を支払っていて、一般的にはぬかりない」、ということだ。逆の言い方もできるかもしれない。面白さのメンテができない人や慢心してしまう人は、遅かれ早かれ面白さが維持できなくなり(面白い人、面白いアウトプットをする人としては)消滅してしまう。だから「面白いアウトプットを続けている人は、面白さをメンテできている人」と推定する。
 
面白さをメンテしなければ面白さが維持できないなら、面白さのメンテの腕前、どれだけ面白さのメンテを適切にやれるかが不断に問われているのだと思う。ユーモアの閃きや感受性が抜群に優れていた若くて面白い人が、じきに面白さを使い果たしてフェードアウトしていくのは珍しくないことだ。長く活躍し続けるためには、心身の健康を維持することに加えて、面白さを維持するためのなんらかの努めが必要になる。
 
 

天性や素養、それとメンテナンスの能力

 
してみれば、面白いアウトプットをするための才能も、二種類に分類できよう。
 
ひとつは、狭義の天性や素養、その人の内面と結びついた面白さだ。世に出るや注目され、多くの人に評価され、俊英などと呼ばれる人々。電撃のように面白さをひらめかせ、年上の人々を仰天させる人々。それらとて、育った環境や与えられた機会がつくりあげた才能や素養ではあろうけれど、ローンチの段階で不特定多数をアトラクトできるような才能や素養はなかなか出来上がらないものだし、若さと瞬発力が重要なジャンルでは、それこそが大切な場合もあるだろう。
 
もうひとつが、面白さをメンテする能力、メンテのための適切な手段を選べる能力だ。ローンチの段階では輝いていた俊英も、面白さをメンテする能力が欠如していては早晩面白くなくなってしまう。逆に、面白さをメンテする能力が高ければ、長期間にわたって活躍できるかもしれないし、もっと成長していくかもしれない。面白さをメンテする能力は、ある程度は学習可能でもあるように思う。なぜならそのようなメンテをやっている人はどのジャンルにも一定数いるから、自分の立場や性質に合ったかたちで修正しながら模倣すればいいからだ。ただし、面白さをメンテするにもリソースが必要になる。時間、体力、注意力、経済力、社交力などが求められ、それらが乏しすぎれば面白さのメンテは難しくなるだろう。
 
でもこれ、アウトプットの面白さに限ったことじゃないよね。仕事だってそうで、忙しさにもみくちゃにされ、最新の知見を仕入れることを怠り続けていれば、どれだけ働いていても第一線のプレイヤーではいられなくなる。第一線で活躍したければ相応のメンテとそのためのリソースが必要で、それを欠いていれば行き詰まる。闇雲に「頑張っている」だけでそれができるとは、まったく思えない。
 
ちなみに、面白さにせよ仕事にせよ、この種の自己メンテはシステムとして組める場合もある。たとえば職場全体としてプレイヤーが第一線でい続けられるようバックアップや分業をきかせている場合は、全員が第一線に踏みとどまりやすくなるだろうし、家庭やパートナーシップの状態によってメンテの難易度が上下することもあるだろう。
 
面白いことをアウトプットしている人が存在している背景には、さまざまな能力や才能、工夫やシステムがあるはずで、面白いアウトプットだけでなく、面白いアウトプットをしている人も因果が集まってできあがった一現象だと言える。仕事にしたってそうか……というより、仕事こそ、そうじゃないかという気がしてきた。受験勉強やモテだってそうかもしれない。自己メンテの能力や、自己メンテしやすいシステムや状況を構築する能力は、何をするにも役に立つ。これじゃ、まるで仕事の話だ。
 
 




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