引越し時の回線契約における立ち回りがわかるという書評を見て、また全体として100ページほどしかないコンパクトな本だったこともあって積読キューから引っ張り出された。
どういう本か
v6プラスに関する本だった。v6プラスとは何で、v6プラスを使うと我々インターネットユーザーにはどういう恩恵があるのか、その恩恵はどのような背景技術からなるのか、v6プラスを使うにはどうすればいいか、v6プラスに関するFAQとトラブルシューティング事例など、v6プラスに関する包括的な説明がコンパクトにまとまっている。
v6プラスとは何か。まず、IPv6ネットワーク上でIPv4サービスへの接続を実現する技術や仕組みを一般にIPv4 over IPv6と呼ぶ。v6プラスは、IPv4 over IPv6を実現する、JPIXという企業の商用サービスの名称である。
総じて極めて実用的。引越し時の不安が軽減される
私は引越しの時の回線契約選びで毎回かなり苦労する。巷では、謳われているネット速度に全然届かないとか、いわゆるNAT越えができなくてオンライン対戦ゲームができないかもとか、いまいち正体の掴み切れない罠がたくさんあるように感じるのに、どうやったらそれが回避できるかわからない。プロバイダの公式サイトの説明も、統一されたベンチマークを使っていない(あるいは自分がそれを読み解けない)からわかったようでわからない。極めつけには、こういったネットの品質(や選べる契約)が物件ごとに微妙に違っているのに、賃貸業者はこのような情報を全く公開していない。結果として、そこそこな費用と時間をかけて引越しをするのに、インターネット環境という現代では死活問題になる要素のよしあしは幸運を祈るしかないという状況になりがちになる。
本書では、それに対してv6プラスという1つの回答(これ以外にも道はあるだろう)を示してくれることで、上述の問題を大きく緩和してくれる。どのような回線契約やオプションをつかえばいいかわかるから、物件選びはそれを基準にすればいいし、v6プラスの技術的背景も説明されるので、それを用いれば、例えばv6プラス以外でも自分の求めるネット環境を得るにはどこに気をつければよいかわかり、主体的な意思決定を支えてくれる。もちろん、現代ではもはや必須となっているインフラに関する知的好奇心も満たしてくれる。