メンタリストDaiGoさんの『週40時間の自由をつくる 超時間術』を読んでみました。
約1時間で読めます。
メンタリストDaiGoさんの本はどれも「気軽にできるライフハック集」のようになっていて、
一度読むと「今日からこれ、やってみようかな」というアイデアがいくつも得られるところが魅力です。
手軽に取り入れられる魅力がある一方で、会社員がDaiGoさんのメソッドを実践し続けることはなかなか難しいでしょう。
たとえば、『週40時間の自由をつくる 超時間術』ではマルチタスクは作業効率を著しく落とすため基本的にやってはいけない。
音楽を聴きながら、SNSを見ながらの「ながら作業」は禁止するべき、と主張しているのですが、
会社では常時周りに人がいて、こっちの集中状態など構うことなく電話したり、話したり、割り込みのタスクが入ってきます。
会社員は基本的に、常に集中を分散させられる環境に身を置いているため、
DaiGoさんが主張するような「生産性を高める施策」を実践するには無理があるのです。
そういった制約も考慮した上で、「使えそうなメソッド」をつまみ食いするのが良いでしょう。
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人は自分たちが考えているほど働いていない
「日本人は働きすぎ」とはよく言われますが、日本人の労働時間は年々短くなってきているようです。
本では年間平均労働時間を以下のように紹介されています。
- ギリシャ:2035時間
- ロシア:1974時間
- アメリカ:1783時間
- 日本:1713時間
このようなデータから、日本人は平均的には
「自分たちが考えているほど働いていない」
と結論付けています。
新橋で昼から飲んでいるおじさん達が平均労働時間を引き下げているような気もしますし、
日本人は残業時間を記録しない傾向が強いように思うので、統計に出ていない労働時間がどうなっているのかは気になりますね。
ジョン・ロビンソン博士は一般的な労働者が時間をどのように使っているのかを計測する実験を行いました。
多くの労働者は
「自分は週に60〜64時間は働いている」
と申告していたにも関わらず、実際に時間を計測してみると平均労働時間は44.2時間だったそうです。
SNSを見てボーッとしている時間や、トイレにこもっている時間。
コーヒーを淹れる時間や雑談する時間など、気付かないうちに時間を使っています。
僕も家で仕事をするときは、自分がどれくらい作業しているかを測っているのですが、
一日中机に向かっているつもりでも、実作業時間は8時間にも満たないことがけっこうあります。
ネットサーフィンや雑務にかなりの時間を費やしてしまっているわけです。
アメリカの調査ではおよそ3分の2のビジネスマンが1日平均1時間は仕事と無関係な作業をしているという結果が出ているそうです。
自分が何に時間を費やしているのかを把握することが、時間を使いこなす第一歩といえます。
作業量を減らすと生産性が上がる
マーク・ザッカーバーグは週の労働時間を50時間〜60時間と公言していています。
労働以外の時間は中国語の勉強をしたり、本を読んで過ごしているそうです。
『種の起源』を著したチャールズ・ダーウィンは一日4時間半しか働かなかったと言われています。
『週40時間の自由をつくる 超時間術』では、これらの例を紹介しながら、
「作業量を減らし重要なタスクに集中することで、生産性が上がる」
としています。
人間は一度集中した作業から離れてしまうと、また集中するのに25分もの時間を要するのです。
あれもこれもやろうとすると、どれもまともに集中できずに生産性が下がります。
本の中では「マルチタスクは生産性が405も下がる」と紹介されています。
メールやチャットを開きっぱなしで仕事をしている人も多いかと思いますが、
これらも生産性を落とす要因です。
飛んでくるチャットをいちいち見ていたら、何かに深く集中することなど永遠にできないでしょう。
一日のうち、チャットやメールを開く時間を決めておいて、それ以外は見ないようにしましょう。
音楽を聴きながら作業をしたり、SNSを見ながら作業するのもNGです。
音楽を聴きたいときは、PCでの作業は中断して、ストレッチや筋トレしながら音楽を楽しむのがいいと思います。
知的作業と音楽はお互いに干渉し合うので、作業効率が落ちます。
TODO管理はアナログで
「インデックスカード」という言葉、知ってましたか?
僕は初めて知りました。
一つのタスクをカードに書いて、カードを重ねてタスクを管理する、という手法です。
優先順位が高いものは上の方に置いて、低いものは下に重ねておくことで、いちばん大事なタスクが”見える”ようになります。
メンタリストDaiGoさんはタスク管理は基本的にアナログでやるのがいいと主張しています。
紙に書いて管理することで、「目の届く場所にいつも置いておける」からです。
またデジタルは入力が簡単すぎて、タスクにコミットする意識が薄れてしまうのも問題だと述べています。
今はたくさんのタスク管理アプリがあって、気取った人は
「タスクはデジタルで管理するのが常識っしょ」
みたいにドヤりますが、アナログの良さも忘れないようにしましょう。
僕もノートに書いて記録するのが大好きです。
通勤時間はやばい
【通勤電車やばい】
— ヒデヨシ (@cook_hideyoshi) 2018年8月25日
・夫の通勤時間が45分を超えると離婚率が40%高くなる
・通勤時間が長いと運動量が減って肥満になる
・日本の通勤時間の平均は往復116分。年間約100時間も睡眠時間が消えている
・通勤のストレスは年収40%アップしない限り釣り合わない pic.twitter.com/c93gR822nN
メンタリストDaiGoさんが主張するように、通勤が長くなると当然時間もなくなります。
ストレスも溜まります。
都心は家賃が高いので通勤致し方なしかもしれませんが、本当に辛いですよね。
朝の電車はみんなイライラしているので、近くにいるとこっちのメンタルもやられます。
細々とした時間術はたくさんありますが、大きな時間の無駄を取り除かなければ結局いつも時間貧乏でい続けてしまう、というのが僕の個人的な意見です。
どんなに「超時間術」を駆使しても、通勤に毎日2時間使っていたら時間は足りないでしょうし、
どんなに生産性を上げようとしても、ズブズブの日本企業でダラダラ会議をしている限り、個人の細やかな努力は水泡に帰すでしょう。
家賃や車の固定費がかさんでいる中で細々と節約しても意味がないように、
- 生産性の低い組織から距離を置く
- できるだけ通勤時間を短くする
- 無駄な飲み会に参加しない
など、まとまった大きな時間をいかに守っていくかの視点が大切です。
- 作者: メンタリストDaiGo
- 出版社/メーカー: 実務教育出版
- 発売日: 2018/03/30
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