段ボールに読まない本を詰め込んだ。
古本屋に売るためである。
計画とは不思議なものだ。
「あれをやろう。これをやろう」
と考えているうちは、なんでもできるような気分になる。
本も同じだ。
あれを読もう、これを読もうとアマゾンでポチるときは完璧に読みこなせるつもりでいた。
「さあ読んでやるぜえ」と意気込んで本を買って、本棚に入れたが最後。
3ヶ月経っても1ページも読まない。
そもそも、複数の本を大量に読むほどの時間なんてないのだ。
ここ2ヶ月ほど、ほぼ毎日ブログを更新している。
これは全くもって自分の個人的な目標のためなのだが、いかんせんブログの更新には時間がかかる。
早い人は15分で一つの記事を書くらしいが、僕の場合は一つの記事を読み返したり書き直したりするから、だいたい一つ記事をupするのに1時間半〜2時間費やす。
一日24時間のうちの2時間、と考えると全体の12分の1でしかない。
しかし、自由時間に使える時間の中の2時間、と考えるとどうだろうか。
睡眠時間が6時間。
通勤時間が2時間。
会社にいる時間が10時間。
食事と風呂の時間が1時間。
そしてツイッターに1時間を費やすと考えると、残っているのはたった4時間しかない。
自由時間4時間のうちの2時間。
つまり、自由に使える時間の2分の1だ。
これを毎日続けるとなると、正直かなり時間が圧迫されているように感じてしまう。
時間の器には限界がある。
どんなに生産性を上げたとしても、詰め込めるものは有限だ。
だから何かを新しく始めたら、何かをやめて時間のスペースを空けなければならない。
会社を辞めたら10時間も自由な時間が増えるが、ちょっと厳しい。
睡眠を削ったら頭が全く働かなくなるから、6時間以上は削れない。
でも通勤をやめるのはできるんじゃないか?
会社の近くに引っ越せば2時間のスペースが空く。
ツイッターの1時間は?
ライティングスキルを上げて1時間で記事を書けるようになったら?
などと、自分が何に時間を使っているのかを管理して、意識して時間のスペースを空けないとタスクが詰まって身体が破裂してしまう。
最近、仕事が終わって家に帰ると、ベッドに倒れ込んでしまうことが多くなった。
疲れ切っているのだ。
「がんばりたい」
と思っても、身体が動かん。
寝ていたら時間がなくなる!
でも動けねェ...!
クソォ!もっと時間を有効に使いたい!
と思いながら久しぶりに読み返したのが、ピーター・F・ドラッカーの『経営者の条件』という本だった。
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汝の時間を把握せよ
かのドラッカー先生は、
「時間は普遍的な制約条件である」
と言った。
成果をあげる者は、仕事からスタートするのではない。
時間からスタートする、と。
師、曰く。
自分の時間が何に取られているかを明らかにする。
次に、時間を管理するために、非生産的な要求を退ける。
最後に、そうして得られた自由になる時間を大きくまとめて投入せよ。
ドラッカー先生は
「時間を無駄に使わせる圧力は常に働いている」
と言った。
組織で働く場合、その傾向は顕著である。
一体どれだけの時間を非生産的な会議に費やしてきただろう?
一体どれだけの時間をただ報告するためだけの資料作りに費やしてきただろう?
何の成果ももたらさない仕事が時間の大半を奪っていく。
これはどの組織でも共通していることである。
地位が上がれば、その地位がさらに時間を要求する。
ドラッカーが記憶自慢の人に
「時間をどう使っていると思うか」
をメモしてもらい、そのメモを何週間か預からせてもらう実験をした。
メモをもらった後、実際に時間の記録をとってもらう。
そして「実際の結果」と「記憶ベースのメモ」を比較するのだ。
結果はどうか?
「実際の結果」と「メモ」が似ていたことは一度もなかったという。
僕たちは自分の時間が何に取られているかを把握することなく、日々膨大な時間を無駄な作業に取られている(はずだ)
まずは
「自分が何に時間を使っているかを把握せよ」
とドラッカーは言う。
そのために、時間を記録せよと。
何の成果も生まない時間の浪費である仕事を見つけ、捨てる。
他の人間でもやれることは任せる。
最後に、時間浪費の原因を排除するのだ。
時間浪費の原因を見つけるには、時間を記録しなければならない。
本を読んで早速買ったのがドリテックのストップウォッチ。
一日どんなことに時間を使っているかを計測するのにストップウォッチは非常に便利だった。
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得られた時間をまとめよ
ドラッカーは
「まとまった時間こそが重要だ」
と強調している。
たとえ1日15時間取れたとしても、その時間が細切れだったら意味が無いと。
知識労働者が成果をあげるには、大きくまとまった時間が必要なのだ。
これは僕自身の経験からも正しいと考えている。
「シングルタスク」
という本にも書いてあるが、一つのことにまとまった時間を投入することが成果をあげるためには最も効果的である。
逆に中途半端な時間をチョロチョロと投入しても、仕事はあまり進まない。
色んな仕事を並行して回しているように見える人も、結局は「仕事を割り振る」という一つの仕事を上手にこなしているに過ぎない。
さて、時間貧乏な自分のための結論。
時間の使い方を改善するためにできることは、
第一に、時間の使い方を把握すること。
第二に、成果につながらない無駄な時間を排除すること。
第三に、得られた時間をまとめること。
時間を生み出して、まとめて、一つの仕事にぶつけるといい。
「時間をまとめる」意識があれば、一日の時間の使い方も大きく変わってきそうだ。
たとえば、
「朝めちゃくちゃ早く起きて、時間をまとめて自分の仕事を進める」
とか、色々と工夫の余地はあると思う。