

10月6日:中秋の名月であった。
今夜はその満天に輝く月光は、
晴天の青空に、光輝く星群を
包み込み光輝いていた。
その光は、だれも寄せ付け
ないほどの威圧が有った。
人には満月にはいろいろな
思いがあるだろう。
それは年を経ることに変わり
ゆくことは自然であろう。
今、満月を振り返り
例えば、人生で幼児、児童、
青年期を山陰の「小京都」と
言われる都市で過ごした
わけだが、私は、こんな
ことを思ったであろうと、
回想として書いてみた。
1,幼児期
満月の夜、母の腕に
抱かれていた幼い日は
記憶できないが、
白く光る月は、今と
変わらずやさしく世界を
照らしていたかも
しれない。
母の胸の鼓動が子守唄のように
感じられ、指は、母の
指に重ね、指の暖かさで
安心な気持ちに成った
事もあったかもしれない。
2,児童期
秋の夜、校庭に満月がのぼる。
虫の声が遠くで響き、
児童たちは帰り道を気にしながら
惜しむように、友と塾帰りに
ブランコをこぐ。
銀の光が砂場を照らし、
影が長く伸びる。
暫くして、「また明日な」と
互いに別れを言う。
笑う声が、夜風に消える。
家路につく途中、
ふと振り返ると、友に見えた
月がまるで微笑んでいるよう
だった。
3,青年期
秋の夜、青年は川辺に立ち、
満月を仰いだ。かつて友と
語り明かした場所だ。
どの位いただろうか。
1時間はいただろう。
互いの話題を話したり、
笑いあいながら、時を
過ごした。
突前の強い風、その
ざわめきの雑音も先ほ
どまで話していた友の
声に思えた。
風に混じって聞こえた
気がして、振り向くと
誰もいない。
ただ水面に、月の影が
揺れていた。
ここで一句
名月や 影作りけり 夕餉かな
ありがとうございました。
完。