大森義成先生 シリソワカ
拝啓 梅雨の候、先生におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。
日頃より、全国の社寺をご巡拝のうえ御祈願賜り、まことにありがとうございます。
さて、この立春にご伝授いただきました准胝独部法につきまして、ご本尊様ならびに先生のおかげさまをもちまして、このたび夏至を過ぎ、無事に五万遍を超えることができましたので、ご報告申し上げます。
ちょうど折り返し地点に差しかかり、修法にも習熟してまいりましたので、座数を増やし、立秋までには結願できるよう努めてまいります。
先にご報告のとおり、初めのうちは順調に進んでおりましたが、三万遍あたりからはいわば“胸突き八丁坂”とでも申しますか、けがや腰痛などの体調不良に加え、職場でのトラブルが相次ぎました。
これらの外的な困難は、先生が常々ご教示くださる金剛経偈のおかげで、大難が小難となり、何とか切り抜けることができました。
さらに、四万遍を超えたあたりからは、内面的な問題が顕れてまいりました。実家との葛藤や、子ども時代の悲しい記憶、学生時代の悔しさ、社会に出てからの理不尽な扱いなどが次々と思い出され、心の奥底に大きなわだかまりがあることに気づかされました。
一時はやや自棄になりかけましたが、日々の独部法修行に加え、先生のご指導により不動明王守護法を併修していたおかげで、お不動様の火により、こうした記憶や感情を焼き払い、手放し、楽になるという観想を得ることができました。
心の中の仏性を探すという営みは、まるで砂金掘りのようでした。准胝様の清らかな水で泥を洗い流し、お不動様の烈火で金を精錬する——そんなイメージが自然と湧いてきました。
勤行の時のみならず、常にお不動様が心中に在してくださり、浄化してくださる感覚を得ることができ、「いざという時に頼れるのはやはりお不動様だ」と、あらためて実感しております。
また、愛染明王様の修行に取り組む中で、心の中の仏性を探し、そして発現していくというイメージを、より確かなものとしてつかむことができましたことも、あわせてご報告申し上げます。
端午から夏至にかけて、陽の極みにて一つの折り返しができました。これより秋の収穫の時期、そしてお彼岸までに結願を果たせるよう、引き続き精進してまいります。
末筆ながら、先生ならびにご同行の皆様のご健勝と吉祥成就を、心よりお祈り申し上げます。
敬具
