そういうお大師様の信者は、その日その日の生活を楽しく、心豊かにまた力強く感ずるのである。
病気になったり金に困ったり失敗したり途方に迷ったりすることはあっても、その時はお大師様にお祈りをし、お大師さまの教えを読むから、不運の中にも望を失わず、苦しみの中にも辛抱することができる。
そしてせねばならぬ事を一生懸命にする。
その中に苦しいことも、望みなく見えた願いも、例え回り道はあっても次第に取りさられ次第に叶えられるのである。
何よりも良いことは、悩み哀しみに会えば会うほど。お大師さまの温かいご慈悲がわかるのである。
つづく
本文『神代峻通講話集』神代峻通講話集刊行会刊(高野山出版社内) 昭和35年8月10日発行より転載

東寺御影堂