さて「論」はこの勝義心を説いて、まず
万事万物そのものとしての、固まった性質を持ったものではないということを知ることである。
といい、また
一切の物は空(くう)であるということを知ることである。
といい、また
一切のものの生じないということを知ることである。
とも言うてある。
この物事の無自性空(むじしょうくう)無生、無我ということは、これを裏返しにすると生成してやまない無限の命ということである。「論」に
無我の中に真我あり
というのはこのことである。
つづく
(本文の読みやすさを考慮し、原文からカナを漢字に改め、句読点を変更し、()にて原文を補った。)

神代峻通師 近影