生駒山宝山寺の前貫主、故松本実道大僧正にはご生前に二度ほどお会いして、聖天信仰のことを教えて頂いた。
また松本大僧正から親しく聖天法の伝授をうけた聖天行者の某師から、わたしは聖天法を授けて頂いたご縁がある。
後年、生駒山に勤務していた僧侶に伺ったら、大僧正は所用でどんなに遅く帰ってきても、必ず早朝の浴油修法の壇に上がられたそうだ。
その松本大僧正の御法語は味わい深く、聖天尊のみならず、あらゆる信仰するものには糧となるので、少しずつご紹介したい。
人の世の苦も楽も、固定し何時までも停止しているものではない。
努力すれば苦も消え、油断すれば楽も苦に変わる。
一つの苦に当面した時、それをどう受け取る(解釈する)かによって、さらに苦を重ねるか苦から離れるかの別れ道になる。
信心は苦を離れ楽を重ねる道である。
むかしから「話は聞きようにより、信心は受け取り方による」
といわれている。

宝山寺山門