2023年振り返りに「そのうちブログエントリにまとめたい」と書いたまま忘れていた、顔面神経麻痺になった経緯や治療の様子をまとめておく。当時書いた詳細なメモがあったので、多少はまとめたものの長文になってしまった。
※ 記事半ばに脳のMRI写真が出てきます。苦手な方はご注意ください
顔面神経麻痺とは
顔面神経麻痺は「顔がまがってきた」、「眼が閉じにくい」、「水が口からこぼれる」、「口の動きが悪くなる」など、顔の筋肉が動きづらくなる病気です。
顔面神経麻痺-意外と知らない|耳鼻咽喉科・頭頸部外科
年間、人口10万人あたり50人ほど発症するといわれ、2割以上に後遺症が残ります。ですので、毎年ほぼ1万人ずつ、顔面神経麻痺後遺症の患者数が増えています。
著名人では、中西圭三さん、葉加瀬太郎さん、ジャスティン・ビーバーさんが、ベル麻痺あるいは「ラムゼイ・ハント症候群」を発症したと公開されているので、ご存知の方も多いのでは。
日記(時系列)
2023/1/21~22
- 週末。いつになく頭痛がひどくずっと寝て過ごす。頭痛以外は平熱なのでコロナやインフルエンザではなさそう
- これがなにかの予兆だったのかはわからない
2023/1/23
- 業務中、目が霞み、ディスプレイが見えづらくなる。その時は眼精疲労かと思ったが、後に思い返すと、麻痺症状が始まったため、まぶたが動きづらくなったことで、視界が悪くなっていたのだろう
2023/1/24 発症初日
- きっかけ
- 朝、歯磨きをしていたら、うがいの水が口からこぼれたが、なんか寝ぼけてたのでスルーしていた
- 自転車で通勤中に、右目をうまく閉じれないことに気づく。左目でウインクできるが、右目ではウインクできない。やろうとすると両目を閉じてしまう
- 改めてうがいのことを思い出し、これは顔面麻痺だなと感づいた。その場でググり、顔面神経麻痺に該当しそうであること、またそれが回復可能性の高い病気だと知ってややほっとする
- 9:00
- 出社。早期治療が大事そうなので、出社後すぐに朝会の司会の代打をお願いし、近所の耳鼻咽喉科に電話する。顔面神経麻痺は耳鼻咽喉科で受診できる、という情報もググりで得ていた
- 会社の近くにあり、9時から診察してくれる耳鼻咽喉科に電話して外来診療をお願いする
- 病院での診察
- 簡単な診察で、予想どおり「顔面神経麻痺」だという初診
- 右目と顔の右半分が麻痺している
- 治療は即効性のあるものではなく、しばらくは症状が悪化するが長期的に治療しましょう、と説明を受ける
- 症状が悪化することを「顔が崩れる」と表現されて、ちょっと緊張感があった。顔が崩れるって怖いな
- ネット情報よりはややコンサバ目に「1/3の法則」というのを教えられる
- いわく、1/3 は後遺症なし、 1/3 は軽い後遺症、 1/3 は重い後遺症
- ごく軽症の段階なので、回復する見込みはまあまああるとも
- 原因については、ウイルス性(ヘルペスウイルス)である可能性が統計上高いが、確定はできない
- 最も可能性の高いウイルス性であることを前提に治療を開始するが、同時に血液検査とMRI検査を実施することに
- 抗ウイルス薬治療はおおよそ2週間ほど。血液検査も同時に行う
- MRI検査は耳鼻科には当然施設がないので、紹介状と予約をしてもらう。2/3 で予約ができる
- 血液検査、MRI検査をしている間に、抗ウイルス薬治療はほぼ終わっている、というタイムスパン
- 抗ウイルス薬治療
- 今週いっぱい(〜土曜まで)は点滴。毎日来てください「何よりも優先してください」と言われて背筋が伸びる
- 検査のための採血から針を変えずに点滴
- 点滴担当看護師が、やさしく「回復する希望を持って取り組みましょうね」と言ってくれたが、「希望を持て」とわざわざ言うシチュエーションはだいたい良くないシチュエーションだよね、と思ってしまう自分がいる
- 今後の治療
- 来週は注射に切り換える。これもできれば毎日、少なくとも週に3日は治療を受けるべきとのこと。来週は月例取締役会があるので、ランチタイムとかも活用しよう
- 様子を見つつ、投薬は最初の2週間がメインとなるよう。治療自体はもっと続き、2~3ヶ月は見ましょうとのこと
- 目の周りが麻痺すると勝手に涙が出ることがあるので、症状によって眼帯をお勧めする、と言われる
- 会計
- 初診ということもあり、6,710円と保険適用なのにまあまあ高額請求。これ毎日続くのかしら?
- 10:25
- 再出社
- チームメンバーに伝える。影響範囲も広いので社内グループにも状況を記載する
- 現時点の症状
- まだ外見上麻痺を感じない(と自分では思っている)
- 表情を作ると、左右の差は明確になってきた。右半分の動きが明らかに悪い
- ギュッと目をつぶろうとすると、左目はつぶっているが右目は半開き
- ニコッと口角を上げようとしても、口の左端は上がるが、右端はかすかに動くのみ。ほうれい線も左だけ
- 今日の自分を残しておくため、いろんな表情の自撮りをしておく
- 帰宅後
- 家族に病気について説明する
- 右半分が動かない顔で色んな表情をして、どこが動かなくなったか見てもらう。鼻の穴膨らますのも片方しか動かないのを見て上の子が爆笑してた。平和
- うがいをしたら冗談のように口から水がこぼれた。手で抑えながらするとよいと学ぶ
- 右目が閉じれないため、シャンプーがしみる
- 明日には麻痺の症状がもっと進んでいるのだろうか、と想像して怖くなる
2023/1/25 発症2日目
- 朝
- 起きて最初に鏡を見て進行を確認。右目まぶたがやや垂れており多少人相に影響が出てきた。まだ気にするほどではないか
- 右目が全く閉じなくなっていることに気づいて焦る。一晩でこんなに変わるのか、とショックを受ける
- しかし、30分ほどたつと顔がほぐれてきたのか、昨日と同程度には目が閉じられるようになっていた。ほっ
- 病院
- 診察を受ける。夜目が開いていると乾燥するので寝る時に眼帯をつけることを勧められる
- やはり少し進行しているよう。一週間くらいは症状の進行が進むと思っておくとよさそう
- 動かないからとマッサージするのは今は良くないらしい
- 会計:今日は簡単な診察と点滴だけだったので680円だった。ほっとする
- 薬局
- 会社に行く途中の薬局で眼帯と目薬を購入
- 眼帯 262円
- 目薬 657円 ソフトサンティア
- 昼
- コーヒーを飲んでて口の端からこぼす、というベタなやつをついにやる。気をつけてたのにな
- 夜
- シャンプー目に染みる問題継続中
- 眼帯をつけて寝る
2023/1/26 発症3日目
- 朝
- 眼帯のおかげか、右目の乾きはマシだったか
- こころもち、麻痺が進行している感。右目の不自由度が増している
- シャンプーハットをポチる
- 病院
- 診察と点滴で680円
- 医師からも「少し進行してますね。昨日も一昨日も言ったようにまだ進行すると思います」と言われる。うむ
- 症状
- 右半面の感覚が薄れてきて、目が霞む。ディスプレイが見づらいので画面の設定を変えて文字を大きくした
- 右目だけだと全く読めないくらいボケて見える
- 面接をしていて、ちょっと喋りづらくなったと感じた。困るね
- ストロー試してみたけど逆に飲みづらいことがわかった
- 口をうまく閉じれないということは、吸うのも難しいのであった
- 夜
- 眼帯をつけて寝る。眼帯のせいで寝る前のスマホも減って安眠
2023/1/27 発症4日目
- 朝
- 自転車に乗る。寒い風が目に突き刺さるがまぶたを閉じれないので難儀する
- 病院
- 医者から「薬の量を調整して様子を見る」と言われる
- 診察と点滴で650円。30円安いのは薬の量が減ったからかな
- 看護士に「そろそろ底ですか」と言われたけど医者には何も言われなかった。どうなんだろね
2023/1/28 発症5日目
- 病院
- 土曜だが点滴があるので9時から病院に行く
- 点滴は今日でおしまい。来週から毎日注射
- シャンプーハット届く
- めちゃくちゃ便利。ライフチェンジング
- 症状
- 目と口元の垂れ方が目立ってきた。右側だけ知らない人みたい
- 眼帯のガーゼを濡らして寝る。冷たくて気になる
2023/1/29~2/2 発症6~10日目
- 症状
- 右の筋肉が垂れてきて、顔の中心がズレたような間隔
- 鼻の形も左右で差がわかる
- 右目の見えづらさが高まる。あんまり気になるなら普段から眼帯をしろと医者には言われた
- 喋りづらい気もしている。面接が多いので見た目や会話に影響があるとよくない
- 麻痺と関連しているのかわからないが、頭痛も頻発
- 病院
- 行ける日は通い、注射を受ける。担当する人によって痛い
- 耳を温める治療も受けるように。ソラックス灯というらしい
2023/2/3 発症11日目 MRI
- MRI
- 生まれて初めてのMRI。内部は狭いと聞いていたが、それほどでもなかった
- 検査中めちゃくちゃな音が断続して発生してお祭り騒ぎだった。防音ヘッドホンをつけてもすごい
- 強い磁場を発生させるために音が出てしまうらしい
- 写真撮影だから5分くらいで終わるのかと思っていたら、20-30分ほど。その間にいろんな音が鳴って面白い
- 後で聞いたのだが、3種類の撮影をしていた
- 60分ほどで結果が出るというので待って受け取ってそのまま耳鼻科に行くことにした
- 7,770円
- 耳鼻科
- MRI写真を渡して、見解を聞く
- 内耳道、脳幹、脳実質、動脈、副鼻腔、すべて正常
- おもったよりたくさんの枚数を撮影していた
- 画像データをもらえたので思わずアニメーションGIFにしてしまった
- 正直かなりほっとした
- 同時に、初日にやった血液検査の結果も出ていた
- やはり、ヘルペスウイルスの反応あり
- というわけで、当初の予想通りヘルペスウイルスが原因の顔面神経麻痺だった。当初の方針通り治療を続ける
- MRI写真を渡して、見解を聞く
- 診察
- 右目の動きに力が戻ってきたのでそろそろ底を過ぎたかも、と言われる。わーい
- と同時に、今の様子だと後遺症が残るかも、とも言われてしまった。がーん
- ソラックス灯と注射のレギュラーメニューをこなして出社



2023/2/4~12 発症12~20日目
- 病院
- 通院を続ける。注射が痛い。ソラックス灯も続く
- 症状
- 後頭部に痛みが続く
- 右目はぎゅっと目をつぶっても白目で、文字も読めないくらい視力が下がっている。片目で過ごすため目が疲れやすい
- 口も動かしづらいので、長時間喋るのも疲れる
- 総合的にポンコツ化している。振り返ってみると、この頃が症状のピークだったと思う
2023/2/13~22 発症21~30日目
- 病院
- 通院を続ける
- 血行を良くする薬が頭痛の原因かも、と言われ薬を変えてみたり
- 症状
- ついに症状が底を打った気がする。右目がやや動くようになってきた感じがする。一方で口元はさらに動かしづらくなっている
- 医者も「上から治ってくる」と言っていたので、回復への期待がようやく感じられてきた
2023/2/23~28 発症31~36日目
- 病院
- 平日は基本毎日通院を続ける。飽きてきた
- 症状
- 乾燥する季節だからか、右目から涙が出る。花粉症かもしれない
- 右の頬も少し動くようになってきた。少しずつだが回復を感じる
- 発症から1ヶ月だが、回復の兆しが見えてきてうれしい
2023/3 発症2ヶ月
- 変化がなくなってきたので、月ごとの記述とする
- 病院
- 通院を続ける。注射とソラックス灯
- 3月末くらいの診察で「70%程度の回復」そして「100%まで回復しないかもしれない」と言われる
- 2ヶ月で70%だから、あと1ヶ月くらいかなーと思う
- 症状
- 右目の自由度が増す。まだ閉じづらい
- この頃、 YAPC::Kyoto があり、キーノートの発表をする
2023/4 発症3ヶ月
- 病院
- 仕事の忙しさもありペースが落ちつつ、週2~3回通い続ける
- 注射とソラックス灯
- 症状
- 実感できる変化がほとんどなくなっていた時期。まだ目がちゃんと閉じれない
2023/5 発症4ヶ月
- 病院
- 週2~3ペースで通院を続ける
- 症状
- ようやく目が閉じられるようになってきた
- 頬がぴくぴく動く感覚があり、右半面の感覚が全体的に戻ってきた感覚
- 水をこぼさずうがいできる
2023/6 発症5ヶ月
- 病院
- ペースを下げつつ通院
- 症状
- 目が完全に閉じられるように
- 知らない人が見ても気づかれない程度には回復した
- 体感的には90%くらい?
- 継続治療してもこれ以上の改善が見られないと話、治療を終了する
まとめ
後半は変化が少ないので端折ったが、おおよそ半年にわたる顔面神経麻痺の闘病日記をお送りした。
2年経った現在、やはり90%回復の状態で止まっていて、右半面がやや不自由に感じるものの、日常生活に支障はないし、おそらく他人からも麻痺してるとは見られていないはず。
振り返ると、違和感を感じてすぐ耳鼻咽喉科を受診した発症初日のムーブが良かったのだろうな、と思う。日々症状が進行していく日々は恐怖だったし、改善のペースが遅かったのもじれったかったが、振り返るとたった半年の出来事だったんだな、という感想。
というわけで、onishiアドベントカレンダー2025、8記事目でした。これが誰かの参考になれば幸いです。