もう書いてしまった事ではあるんだけど、ラップってどこ行ってもちゃんと自己紹介が出来てて偉いな、と地域の少年野球チームを見守る近所のおじいちゃんみたいな事を思っている。
大体顔見知り(近いところを聴いているであろうリスナー)にも毎回ちゃんと俺です!と名刺をきちんと差し出す、鉄壁の営業マンみたいなスキルがある。
オーダーのスーツとかツーブロックとか、そういうんじゃなくて本当に大事な部分という意味で。
何にしても自分の事をしっかり伝えられる人は強い。
邦ロックは基本、何か視線も合わないのに全力で共通の会話を探し求めているので…勿論それが良い時も多々ある。お互いに探してあげられたり、差し出したりそういう事も大切な関わり合いなので。
そんな事を思いながらクリープハイプの「こんなところに居たのかやっと見つけたよ」を聴いている。
相変わらずタイトルが凄い。一文で語りかけつつ自分の感情も伝えるスタイル。どこを漢字にするかでまた言葉の丸みが違うのが日本語の良さ兼面倒くささだなとクリープハイプを聴いていると思い知らされる。
とか言いながら「生レバ」が一番好きなので何の説得力もないが。「インタビュー」も素晴らしいと思っているので良しとして欲しい。
あとはDE DE MOUSE×Sean Oshimaの「フシチョーGROUP_フェニ西那須野店 曲」という架空の色々な小売店を展開するグループの各店売り場のBGMをコンセプトに作成されたアルバムをずっと聴いている。
妄想の国、妄想の街、妄想のスポーツチームなどの亜種でまさかスーパーやホームセンターなんかの店内BGMが出来るなんて大変な驚き。
僕の理想の商業ビルにユニクロと本屋とマクドナルドとサイゼリヤを突っ込んで満足していた自分とは発想からディティールへの拘りまで全てにおいて次元が違い過ぎる。凄い。
確かにスーパーで流れているBGMの何とも言えない打ち込み、微妙なシンセ、やたらファンクなギターに「え?そんな熱量で?」と思わず耳を奪われる事がたまにあるけど、その辺を買い物という行動を除外された状態で直に注ぎ込まれる感覚が不慣れで脳がバグる。イヤホンで聴いているとオシャレさが際立つのに、これがスーパーやらホームセンターで流れていても違和感がないだろうと予想がついてしまう説得力。
ここまで強気なネーミングは地方の雄っぽいなとか、このドラッグストアは女子高生が親の車に乗せてもらってKATE買いにきそうだなとか、グループで一度頼んだアーティストに他の系列店のBGMも頼みそうだなという絶妙なリアリティー(フィクションなのに)もあって本当に音楽家というのは凄い生き物だなとぶちのめされる。
電車の発着音とか好きで滅茶苦茶詳しい人たちがハマる気持ちみたいなものが解る気がする。
何というかまだまだ知らないジャンル、楽しみ方があると教わった良い体験だった。
またー。