ここ最近に聴いたり観たり読んだりしたものの雑感をばーっと書いておきたい。
折角だから。
TTUD/TTUD2
僕が大学生の頃から妄想している東京の下北沢方向のギターロックの化け物みたいな要素を全部持ち合わせたバンドに辿り着いて大満足です。
Spotifyを2時間ぐらい掘り進めてようやく出会えた。
何やってんだろうなぁと思っていたけど、こういう音楽に出会えると労力も報われますわ(言うてソファに寝転んで延々と関連アーティストを辿り続けていただけ)
「渚まで」の「後悔に後悔を重ねて 春は風に散る 選ばれたのに」「感傷が感傷を招いてもすぐに儚くなる 呼び名がないから」という歌詞が好き過ぎる。
全曲良いんだけど中でも「渚まで」「カモフラージュ」「Wiped Out」がとても好き。前作「TTUD」も後から聴きまくっている。
エルスウェア紀行/ひかりを編む駐車場
たまたまSpotifyで見つけたんだけど滅茶苦茶良いのでずっと聴いている。
割とシティポップっぽい歌詞や曲調なんだけど、120%の出力で度肝を抜くのがオープニングテーマなんだとしたら、80%の熱量で物語を内包したままクールダウンするみたいな良さがエンディングテーマの魅力だと思っていて、後者みたいな楽曲を常に最高の状態で提供してくれるアルバムみたいに聴こえている。
坂本真綾さんと菅野よう子さんのタッグ時代のアルバムでポップの根っこが出来ている人間なので、そういう濃いめのオリコン系ポップと敢えて距離を取る様な、それでいてコンセプト強めのポップが大好物でエルスウェア紀行はストライク過ぎた。
タイトルも歌詞も言葉選びがとても素敵。
「ひかりを編む駐車場」「天才は今度」「冷凍ビジョン」ですよ。People In The Box「水中の窓」みたいなフレーズが好きなのでもう仕方ない。
「りんごの飴の中は少し渋いよなって言う 今はいびつな形からはじめてく 無添加な愛で」
「真夏の薄い毛布から じんわり透けたエール」
「天才は今度にしよう 気のみ気のまま」
歌詞も聞き慣れた様で全然知らない触り心地で好きだ。
最後の「ひかりの国」の名曲っぷりは、多分物語を読むみたいにアルバムを頭から聴いて辿り着いたら更に更に輝くと思う。燦々。
小塩 真司/「性格が悪い」とはどういうことか(新書)
思いつきで「性格の悪そうなBLOG」なんてタイトルをつけてブログを始めてしまった身としては「悪そう」と「悪い」の境界線みたいなものは割と考えがちで、面白そうだなと思って購入した。結論としては「性格が悪い」には数値で50点以上が該当するとしたら15点くらいはあり得るかも?くらいの、誰しも要素を持ち合わせているけど合格点(?)は到底与えられない程度な印象で一安心した。ちゃんと「性格が悪そう」くらいで留まれている、と思う。
マキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシズム、サディズムの大きな括りに沿って世界中で色々な研究がされていて「こんな事を調べる為にこんな研究をしていますよ」という事例がとにかく沢山登場して「こんな大掛かりな調査を?」「それでそんなことが解るの?」という驚きが次々もたらされる感じでの内容だった。
自分は持ってないですみたいに振る舞える人が多いけれど、そもそもどれもこれも全く持ち合わせていない人っていないですよと丁寧に教えてくれる感じで、こういう調査だと僕も自分の為に人を利用してしまいそうだなとか置き換えて考えているうちに読み切ってしまった。理解が深まったというよりはジャンルの入り口に立ってみる?という誘いに近い。
性格診断本みたいなものではないのでタイトルに惹かれて買った人の何割かは振り落とされてしまいそうだけど、その辺も新書味があった。
上記の4つとは別に「自分が損してでも人を陥れてやろう」という発想について触れられており(そういう発想は「スパイト的」だと紹介されていた)、これが周りに稀にいて「何がしたいんだろう」と思っていた事だったんだけど、あぁ、陥れるまでが目的だったんだとその捨て身っぷりに改めてビビってしまった。
自分が大人になったからか、そういう人の存在に気付くようになった。
かなり異質に見えるから目立つのかと思ってはいるけれど、ネットも含めるとエンカウントする頻度が上がってきているので、関係が薄くなっても視野自体が広いと野鳥の会のカウントみたいに数え上げてしまれる対象が増えるのかなと思うなどした。
藤崎 翔/お梅さんは呪いたい(文庫)
戦国時代に持ち前の呪力で人間をばったばったと呪い殺してきた恐怖の日本人形のお梅さんが現代に封印を解かれ、さぁやりますよ〜と意気込んでいたものの?という物語だった。
ホラーコメディー的な作品を読みたいな、という気持ちで手に取ったものの凄くコメディだった。
歴史の授業で習った頃と比べれば日本人って同じ国の人間と思えないくらい色々変わったんだろうなと、現代人の生活に驚愕するお梅さんに感情移入しながら一気に読んでしまった。
良い人が善人とも限らんし、善人と評される側にもまぁちょっと仄暗いところあるよなという生々しさがポップさをキープしつつコミックに振れてしまわないように効いており、映画で観たいけど人間の俳優が演じそうで怖い。そういうんじゃありませんのだ。
読者は贅沢な生き物だ。
ロブスター(映画/Amazonプライムビデオ)
一定期間内にパートナーと結ばれないと動物に姿を変えられてしまう、という最悪の婚活劇。
少子化やら優生思想やら色んなものを前提にして、長い歴史で手に入れつつある権利というものを無しにして人間として淘汰される人は動物にしてその世界で本能的に生きてもらおうという世界観で、それに何とか併合しようとしたり、抗ったりする人たちがユーモアたっぷりに描かれていて笑いつつも目が笑えないという中々に難しい作品だった。
世の中として推奨されている社会にも、それに抗う人で構成された社会にもそれぞれ何かしらの無理矢理感があって、じゃあどっちにもハマっていない人は次はどこかに行けばいいとでも?と、社会に居場所を求めることの難しさをまざまざと感じさせられる映画だった。
色味やセットがいちいちオシャレでそれも良かった。
返校 言葉が消えた日(映画/Amazonプライムビデオ)
言論弾圧に支配された時代の台湾を舞台にしたホラー映画だった。
似たタイトルを聞いた事がある気がしていたけどゲームが原作らしく、「言葉が消えた日」というサブタイトルからホラーよりもそちらに重点を置いて描いているのかも知れないと思いながら観た。(ホラーなのに怖がりの自分でも普通にハラハラする程度で観れたので)
主人公2人がそれぞれ信じきれなかった事を後悔しながら、それでも言葉を信じるに至らんと葛藤する姿が良かった。
老人Z(映画/dアニメ)
老人介護ロボが老人を搭載したまま大暴走して、それを救い出そうと訪問介護のボランティアをしていた女子大生が大奮闘する映画。
ボランティアの熱意と、学生らしい大雑把な正義感が融合した主人公が、その掛け合わせでここまでになるかというくらい気持ち良いくらい自分勝手さで突き進んでおり、それが凄く愛らしくて良かった。
超高齢化社会でこれからこういう介護ロボは生まれる可能性が高いし、その時に医療事故だけでなく倫理観や尊厳的な視点も含みながら、コメディ抜きでこういう問題が起きるんだろうなと思うと、暴走したロボを止めようと奮闘した学生や大人たちみたいな真摯さが持てたらいいなと未来の自分に期待した。
機動警察パトレイバーthe movie1〜3(映画/dアニメ)
細々とTVシリーズ、OVAシリーズを観てきたパトレイバーシリーズの劇場版を一気に観た。
「シン・ゴジラ」や「ラストマイル」みたいに関係各所それぞれの役割を全うすることでバトンが繋がって解決に向かうお仕事映画がこの頃からあったのかと今更驚いた(もっと遡って他にもあるんだろうけど)し、第2小隊の出番が作品数を重ねるごとにどんどん後ろになっていくのも印象的だった。
その他の人たちの活躍や思い悩む姿がとても良かった。
影を切り捨てることで勢いよく発展していく社会への怒りだったり、問いかけ、戒めに対して正義を振り翳すだけでなく疑問をしっかり提示してくるのも先の2作品と共通しているのでその辺りが好きな人にはお勧めしたい。
ベルリン天使の詩(映画/Amazonプライムビデオ)
攻殻機動隊やチェンソーマンここからパロってたのかというオタク特有の驚き方をしてしまった。
ベルリンの街並みと、そこで暮らす人たちの心の中の独り言が詩的にマッチして何とも幻想的な描写が多かった。
天使が人間を見守っている序盤はそれが続くので不慣れな哲学書を読んでいるかの様な気持ちになっていたけど、そういう断片的な感情が積もって天使の行動に影響を与えて決心に至らせるのは素敵だった。
音楽もThe CureとかBauhaus的なカッコ良さがあるなぁ(どっちもイギリスだった気がするけど)と思っていたらThe Cureから着想を得ていると書いてあってマグレでも嬉しくなった。劇中に登場したバンドもカッコ良かったからwikiで調べて音源を探したいところ。
またー。