
飼い犬タロになっているつもりで詠む「犬短歌」、2025年下半期の歌です。
気に入ってる歌の最後には*マークをつけてます(/サキコとあるのは私名義の歌)。
タロは今月で12歳になりました。人間だと還暦です。最近胃腸が弱くなったのかたまにお腹を壊しますが、それ以外はとても元気。タイトルの歌ですが、その後私は病院で狭心症と診断され、心臓の冠動脈にステントを入れました。タロと一緒に走るのは、なるべく控えねば。
では、来年もどうぞよろしくお願い致します。
◆ 七月
七夕の願い事なら暑過ぎる夏はやめての一択だろう
犬なのに水の嫌いな俺だけど天の川なら泳げそうだよ
犬(けん)議員選挙の告示はいつですか まだ立候補間に合いますか
アゲハチョウ翅失ってニッポンの二番目に長い夏の始まり
畑から帰る農夫をUFOの光が照らす夏の夕暮れ *
◆ 八月
遠くから眺める花火諦めてパソコン画面を見る君寂し
スズムシに鳴くの上手になったねと話しかけてる老母の背中/サキコ
死者たちの魂抱いて三百万匹の蝙蝠舞う盆の夜 *
そんな歳には見えないと褒められたのは飼い犬で君じゃないのだ
◆ 九月
重陽の日の積乱雲 この夏に後足で砂かけてやるのさ
恋もしてないのに心臓キュッとなるおばさん早く病院に行け *
飼い主が知っているのはタロという犬だけ 俺のことは知らない
◆ 十月
コスモスのように優しい花じゃないポンポンダリアはきみに似ている *
俺の詠む短歌は俺のものなのに著作権だけ飼い主のもの
山へ行きお腹の空いたクマさんにおれのおやつを分けてあげよう
◆ 十一月
心臓が強いくせして弱い人 俺はいつでもドキがムネムネ
寒い朝 空に点々浮かぶのは 昨夜おまえが丸めたティッシュ *
あのひとにブラックジャックが施術した鉄の心臓おくれ俺にも
葉の上にセキレイ一羽止まらせて冬大根の茎は健やか
◆ 十二月
犬たちが服着始めて自分だけ裸に見える初冬の散歩
あのひとをツイ廃人にしないため午後は三回外に連れ出す
赤ちゃんや犬にサンタの服着せてどうしたいのか人間どもよ *