
飼い犬タロになっているつもりで詠む「犬短歌」、2025年上半期の歌です。暑くなるとタロの歌心は減退するようです。
気に入ってる歌の最後には*マークをつけてます(/サキコとあるのは私名義の歌)。俳句も少し混じってます。
◆ 一月
あの犬は友ですか敵なんですか おばさん何も知らんのですか *
家壊すからっぽの空 雪近し
雪道は楽しい人は人 犬は犬のリズムの足跡残す
春を待つ庭で老母の髪を切る 鏡よ鏡わたしはきれい/サキコ
この冬で太ったねえと言うけどな あんたの腹もかなりやばいよ
あの星が海に燃え落ちるかわりに地球の穴を元に戻して
猫という猫はかならず首だけをこちらに向けて去りどきを待つ *
◆ 二月
雪だから遊べないのと言う人よ遊び教えてやるから遊べ
クルエラにどこか似ているあの人が犬猫愛護の新党つくる
花柄の洋服着たら柴犬もロマンティックに見えるだろうか
用水の橋のたもとで中学生男子二人が眺める夕日
◆ 三月
古雛の剥げた紅さす老女かな/サキコ *
窓際にリコーダー吹く子のひとり♪春のうららはもう少し先
お散歩は連れて行かれるのではなく連れ出してあげているのだ俺が
バンパーの凹んだままで停められたセダン骨にも土にも還れず
春だから猫と遊んでみたいのに やんのかポーズ崩さぬあいつ *
見上げれば枝垂れ桜の丸天井このままふっと消えてもいいな/サキコ
◆ 四月
元の名を撫菜という草俺のよう撫でたいくらい可愛いからね
モネの絵の光ちらばる公園で絵になる犬が寝転んでます
どうしたらそんなに背中尖らせることができるか教えて猫よ
タロなのかタロちゃんなのか呼び方で君の機嫌がわかる朝だよ *
◆ 五月
とんとことん びたびたしゅんなり ばーみやん もぐわもぐわん ころりんちるる *
(意味:散歩に行きたいのだが、こんなに雨が降っていてはおばさんも呼びに来ないし、おやつでも食って横になってチルするか)
ルサンチマン抱えた人はなぜ犬に似るの唸ってみたり吠えたり
小型犬ばかり集ってキャイキャイと騒ぐ鋪道の端っこ歩く
日光も綿毛も放射線状になって世界は中心だらけ *
サイレンの音おばさんの起きる音 柴犬出動命令はまだ
豪雨明け涼しい顔のクレマチス
◆ 六月
野良猫に話しかけてる飼い主よ そいつがお喋りしたいのは俺 *
トゲトゲのついた首輪で狂い咲き柴犬ロード爆走したい
干し烏賊のかたちの鉄塔四基五基 驟雨を連れた黒雲を待つ
⚫︎2024年下半期の犬短歌はこちら。ページ下の「関連記事」にそれ以前の年へのリンクもあります。