フジテレビの一連の騒動、その後は目立った続報がありませんが、どうなっているのでしょうか。
今回は、テレビ局における女性キャスターの位相を問う、実話を元にしたアメリカ映画『スキャンダル』(ジェイ・ローチ監督、2019)を取り上げてます。
FOXニュースのCEOから女性職員への2016年のセクハラ問題を、かなり事実に即して描いた作品。豪華な配役でも話題になりました。
ニコール・キッドマンが演じるのは、セクハラに抵抗して干されている元人気キャスター。
シャーリーズ・セロンが演じるのは、目下実力・人気ともにトップのアンカーウーマン。
マーゴット・ロビーが演じるのは、何とか早く出世したいと足掻く若手(この人だけ架空の人物だが、局内の女性職員のある意識を代表している)。
画像では三人が並んでいて、共に闘っているかのような図ですが、これはエレベーター内で三人がたまたま居合わせた場面の切り取りで、むしろ近くにいながらそれぞれが孤立していることを表してます。
三人の女性のみならず、彼女らを取り巻く局の女性たちの態度がまた微妙に異なる点にも、問題の根の深さ、複雑さが描かれてます。
(本文より)
>彼女にアシスタントの女性が投げかける「本当に知りたいんですか? 知りたい振りをするだけですか?」という言葉が強烈だ。
終盤、シャーリーズ・セロンは局内のセクハラ問題を究明せねばと言います。それにツッコミを入れるアシスタントの女性の、非常に巧みな台詞が印象に残ります。組織で大きな問題が生じた中、組織内の人間が殊勝なことを言った時も、えてしてこう思われがちですね。
当時、大統領に立候補中のトランプがわりと重要な役で登場する場面は、ニュース映像をうまく編集して取り入れてます。しかし実際にあったスキャンダルを、当事者たちがまだ現役だったりする数年後にこれだけ生々しく描いてしまえるというのは、日本ではなかなか難しいかもしれません。