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心臓の鼓動はヒトより早いからそのうち君は年下になる

 

 

飼い犬タロになっているつもりで詠む「犬短歌」、2024年上半期の歌です。今年は急に慌ただしくなり、タロの歌心とゆっくりつきあっている時間が取れていなくて、やや少なめです。
まあまあのも今ひとつのも全部上げました。気に入ってる歌の最後には*マークをつけてます(/サキコとあるのは私名義の歌)。俳句も混じってます。

 

◆一月

滅びたくないよねけれど転ぶのは仕方ないんだまた立てばいい

恐竜の末裔 百舌鳥の速贄になりて脚指冬空を掻く

飛行機は乗らない代わり地震では瓦礫の下の君を見つける

山茶花の下は血溜まり粥を食う  *

三日月夜 星を数えるあのひとと地球の匂い嗅いでる俺と

鏡見たことはないけど飼い主を信じるきっと俺は可愛い

飼い主が自治会長になったのでやったね犬の会長やれる

雨の日の草は美味いよできるならササミの味の草も食べたい

バーベキュー味のポテチは邪道だと言う人カニカマサラダを作る

♪ 塀の下掘っていたらば真っ黄いに錆びたノコギリどこのどいつが

おばさんは俺がいるから強いのかでも弱いよね俺は強いよ

まず鼻でご挨拶して次は尻 順番守りなさい若い子よ

お手紙でニンゲン扱いされてたよ「タロにもよろしくお伝えください。」  *

寒くない?寒くないわよおじさんは?おじさん言うのヤメテクダサイ

三毛猫の模様のような謎残し指名手配の人が死んだ日

おばさんが言われたいのは「おめでとう」ではなく「六十五には見えない」

プロフィール画像が10年近く前なのは詐欺には当たらないのか

五十年隠れて死んだ容疑者の記憶は笑う青年のまま

 

◆二月

年の数食べたらお腹壊すから撒かないのよと豆を煮る人

おばさんが一番旨いとこを食べ千切った皮だけもらう肉饅

枯れ草に寝転び鼻の日光浴やってごらんよ気持ちいいから

見ていると映っているは異なると犬の瞳を覗き知る人

もうここで死んでもいいと老猫の居座る場所の陽の温とさよ  *  

もし空が割れて落ちても柴犬のシッポの先から春は始まる  

雨よ降れいいひと連れて来いという歌があるのでいい犬を待つ  

うずくまる猫かと見れば可燃ゴミ袋のひとつ雨に濡れたり  *

あの人と感じる世界は違っても並んで歩くパラレルワールド

犬たちが休戦協定結んでる夕暮れ時の待合室で

 

◆三月

自治会の仕事をやってもらうには会議でおやつを出せばよろしい

おばさんは頭痛や腹痛だけでなく年柄年中財布が痛い

園庭の子らの歓声春色の飴玉になり空に転がる

人間は不思議だ顎を撫でられて馬鹿にされたと感じるらしい

三日月を眺めるために大の字になったんですねコケたんじゃなく

まだ起きていろと夜風がささやいて土がざわめく草がさざめく  *

差し入れの菓子の包みをひらく音 母の強張りとけてゆく音/サキコ

春の夜は湿気たビスケットの匂いさせて四つ足どもがまぐわう  *

中年の犬の匂いをカプセルに詰めて売ろかな犬フェチ向けに

 

◆四月

初家出した夜泊まった警察署迎えにきたの遅かったよね

草うまし君はそこらで寝転んでいるか歌でも歌っていなよ  *

あの黒いビニール袋は黒猫が化けているのだそのうち鳴くぞ

酒を飲む人にねだるは旨そうなつまみなんだよおやつではない

世間では「虎に翼」が人気だが「犬にプロペラ」いかがだろうか

あのひとの心の荒地掃き清め俺の足跡つけて仕上げる

髪切ったんだねと言われなくなって身軽になって夏よ来い来い/サキコ  *

世話をして咲かせた花も野の花も花は花だよ俺は犬だよ

 

◆五月

庭で肉焼いてる匂い漂って心乱れる連休の午後

われわれに「こいぬの日」などないけれど鯉のぼりと空泳ぐ夢みる  *

なぜパンにジェリーが混入してたのかトムがいたずらしたんじゃないか

俺の顔しか出てこないまじないをおまえのスマホにかけてやろうか

あのひとの胸の小さいブローチに光った犬がいるあれは俺

おばさんは六十五歳俺は十ずっと友達だったじゃないか

年齢差性差を超えて永遠の友になれるは人間と犬

心臓の鼓動はヒトより早いからそのうち君は年下になる  *

朝ドラの戦死の人を悼む声溢れる月曜日のツイッター

朝ドラは涙なみだで外は雨お散歩行こかの声もかからず

 

◆六月

六月の光の中に飛び出してひとりでマチスのダンスを踊る  *

蜘蛛が巣をかけるポストにご逝去の回覧板をそっと差し込む/サキコ

あの老犬この頃見ないどうしたの死んだの回覧板は来ないの

犬だけの消防団に参加して仔犬助けて表彰されたい

火事の跡みなでオシッコ掛けまくり任務を果たす犬消防団

死ぬ前に思いたいこと「コーヒーの紙フィルターを買っとかなくちゃ」/サキコ  *

死ぬ前のことなど犬は考えない生きることしか考えてない

毒を持つ葉を茂らせて紫陽花は初夏の夕暮れ涼しい顔で

ノンポリの犬などいない犬ならば犬至上主義者に決まってる

あのひとが徘徊老人になったら俺も一緒に徘徊したい

飼い主よ俺の政見放送で手話をやるのはおまえの役目

 

これまでの歌です。

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