映画から現代女性の姿をpickupする「シネマの女は最後に微笑む」第46回は、イザベル・ユペールが被害者然としないレイプ被害者を演じて話題になった『エル ELLE』(ポール・バーホーベン監督、2016)を取り上げています。
バーホーベンらしいコッテリ風味にスピード感が加わった、ミステリー仕立てのドラマ。登場する男たちが皆それぞれ問題を抱えていたりして、いわゆる「普通」の人が出てこない捻くれた設定ではあるものの、犯人は割と早い段階でわかります。
激しい暴行場面が何度もありますが、レイプ犯罪を告発していくといった内容ではなく、むしろヒロインとレイプ犯との間に「共有」されるものが問題となります。ヒロインの行動の動機も最初はなかなか読み取るのが難しく、好みは分かれるかもしれません。
やはりクールさが魅力的なイザベル・ユペールでなくては‥‥という映画です。還暦過ぎてよくこの役を引き受けたなと、チャレンジングな姿勢に感嘆。自分を陥れた若い部下への対応などゾクゾクします。
拙書『あなたたちはあちら、わたしはこちら』では、ユペール主演の傑作『ピアニスト』について、彼女の魅力とともにたっぷりと書いてます。イラストも。どうぞよろしく。
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