以下の内容はhttps://numagasablog.com/entry/2025/12/01/204945より取得しました。


みんな滅ぶ!…だが今日じゃない。特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」レポート

上野の国立科学博物館で開催中の特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」に行ってきたのでかんたんなレポート。

daizetsumetsu.jp

一応言っとくと今回の特別展は何ひとつ関わってません!ただ個人的に楽しみで行っただけです、イラストも何も担当してません!!

担当したやつ↓(次は大阪ですな、楽しみ)

numagasablog.com

(最近さぼってたけど)ちょいちょい科博レポ書いてるんですよ↓

numagasablog.com

今年の夏は引きこもってひたすら仕事していすぎたせいで、なんとうっかり「氷河期展」に行きそこねてしまった。愛する絶滅動物がいっぱい展示されていただろうに、惜しまれる〜(科博の年間パスの割引も一回分ムダにしちゃった!)

まぁ過去を振り返っても仕方ないので、気を取り直して、もっとめちゃくちゃ過去を振り返りましょう、すなわち今回の「大絶滅展」を楽しみましょう。 肝は「絶滅動物展」ではなく「絶滅展」であること。つまり地球で繰り返されてきた「絶滅」という現象そのものを展示する、というなかなか抽象的なテーマなのだ。ポスターにはダンクルオステウスやティラノサウルスなど、勇ましい古代生物たちが並んでいるが、みんな…絶滅した!!

「大絶滅展」会場に入ると巨大な地球儀が鎮座している。「あんなこと、こんなこと、あったよね」と地球のエモい思い出(※大陸移動や大絶滅など)をざっくり見せてくれるビッグな地球を中心に、放射状に広がる形で「ビッグファイブ」と呼ばれる5つの「大絶滅」が展示されているというわけ。テーマカラーで色分けされているのでわかりやすい!

さっそくビッグファイブその1、「O-S境界」。(大抵の人に耳慣れない言葉かなと思うが、この場合はオルドビス紀とシルル紀の頭文字をとって、その境界ってことですね)。オルドビス紀末の「最初の大絶滅」で、海の生物を激変させた。4億4500万年前の寒冷化と、4億4400万年前の温暖化の二段構えで念入りに滅ぼしていく!

それぞれの大絶滅ごとにカッコイイ古代生物が展示されていてテンション上がる。こんなカッコイイ生物を奪った地球のこと…ゆるせねえよ…!と思える(かもしれない)が、その生物を育んだのもまた、地球なのだ……。(それはそう)

↑いきなり何このフォルム!?こんなことある??と目を引くのは、(有名なアノマロカリスと同じ)ラディオドンタ類に属する「エーギロカシス」。でっっっかくてカッコイイ〜〜〜。こんな巨体ならさぞでっけえ魚とかを捕まえていそうだが、実際はフィルターみたいな櫛状の器官でプランクトンなどをこしとって食べる「濾過食」だったそう。マンタやジンベエザメみたいな感じですね。

しかし、こうして実物大を並べてみると、アノマロカリスがイメージより小さいなって。いわゆるカンブリア爆発で生まれたスーパースターみたいな立ち位置なので、実際以上に大きいイメージが勝手についていたかも。いやエーギロカシスがでかすぎるんだけど。

本当に余談だがごく最近『サウンド・オブ・ミュージック』を劇場で観たので、トラップ男爵が「エーギロカシス🎵エーギロカシス♩」と歌ってる声が脳内にこだまする。覚えやすくていいかもしれない。

「O-S境界」エリア、他にもでっかくてカッコイイ古代生物がいるぞ。

超でっかい2メートルのウミサソリ「アクティラムス」!か、かっこいい〜〜〜。巨大ウミサソリという字面自体ロマンというか、そもそも節足動物でこのサイズ感というのがロマンすぎる。陸上だとあり得ない巨体だし、現在だとタカアシガニが最大サイズくらいの感じだものな。

アクティラムスは水中に棲む捕食者で、触覚みたいに頭部に生えてるハサミっぽい脚がなにかと便利そう。全身化石(レプリカだけど)もちゃんと残っているぞ↓

O-S境界で見落としちゃいけないのは、ちっちゃいけど注目の古代生物、サカバンバスピス!

みて、このなんともいえない表情を。

サカバンバスピスは「甲冑魚」と呼ばれる魚類。硬い骨をもっているが顎はもたない、当時としては大きな魚で、オルドビス〜デボン紀に繁栄した。ゆるキャラ的風貌だが、脊索動物の共通祖先として重要な古代生物でもあるのだ。

 

どんどん行こう、大絶滅ビッグファイブその2「F-F境界」。

「F-F境界がやられたようだな」「奴はしょせんビッグファイブの中でも最弱…」「まぁ海の生物の半分くらい絶滅させたけど…」みたいな絶滅力のインフレを感じる。

絶滅内容(?)は、「急激な寒冷化と地球規模の海洋無酸素事変」とのこと。「海洋無酸素事変」、色々な歴史上の事変の中でもトップクラスに響きとスケール感がヤバい。人類史とかしょせん人の歴史だよな、とか当然のことを思ってしまう。

出た、古代魚の大スター、ダンクルオステウス!!(このレプリカ化石は常設展でもみれるとはいえ)出てくれるとやっぱりアガる。デボン紀に栄えた「板皮類」と呼ばれる仲間で、当時の海で「最強の捕食者」と呼ばれたが、「最弱の大絶滅(?)」であるはずの「F-F境界」に滅ぼされてしまった。恐るべし、大絶滅。

あ、個人的な推しのタリーモンスターもF-F境界にいるから見逃さないでね。いまだにどんな形なのかも議論が続いてるというのもミステリアスで良い。

そしてみんな大好き(かは知らんが)巨大節足動物コーナー!!

その名も…「アースロプレウラ」!

めっっっちゃデッッッカイ!! 高い酸素濃度でめちゃくちゃ栄えた森林を這い回った巨大な最強ヤスデだ。どんなスプレーも効かない。相手は死ぬ。

そして次!ビッグファイブその3、「P-T境界」に到達。「史上最大の絶滅」がここにきて登場だ。最強が3番目っていうのも熱い(?)

ペルム紀末のシベリアで起こった火山活動が、「古生代」終了のお知らせを告げた。極端な寒冷化と温暖化を連続で繰り出し、海水表面温度は13度(!)上昇し、有毒ガスが撒き散らされ、酸性雨が降り注ぎ、さらにオゾン層の破壊による超広範囲ダメージまで飛び出し、陸と海の両方に甚大な打撃を与えた、まさに史上最強のシーズンフィナーレである。よく続編GO出たな。

象徴的なのは三葉虫の絶滅。古生代を一貫して生き延びて繁栄した三葉虫も、「最強の絶滅」の前になすすべもなかった。

この時期の古代生物として、サメ好きとしてはペルム紀に栄えたヘリコプリオンに注目したい。

渦巻き状の面白い歯を持ったサメで、正確にはサメやエイよりもギンザメに近い仲間みたいだけど。最強の絶滅にも負けず、生き残って欲しかったぜ〜 🦈<むり

 

ドラマチックな展開が続く中、「ビッグファイブ」シーズン4、「T-J境界」へ。

大絶滅ファイブの中では3番目に規模が大きく、海と陸の70%以上が死滅。

この時期の地球的なビッグイベントとしては「超大陸パンゲア」の分裂が挙げられる。

パンゲア🪨🪨🪨「大陸性の違いにより分裂しました」

音楽性の違いでバンドが分裂ならファンが悲しむくらいで済むが、大陸が分裂となると火山活動が凄いことになり、生命の勢力図を大幅に書き換えてしまう。その結果、スターダムに躍り出たのが…

みなさんご存知、恐竜だ!!
レドンダサウルスとクリオロフィサウルスのタッグ感がカッコいい。

(12/4修正:レドンダサウルスは植竜類なので厳密には恐竜ではなかった!すみません)

 

しかし…恐竜の天下も、長くは続かなかった(展開早すぎん)

最後のビッグファイブ「K-Pg境界」のお出ましだ。展示されている中では一番有名な大絶滅と言っていいだろう。

この大絶滅の特徴は、絶滅を引き起こしたきっかけが外的なものであること。外的というか、宇宙的というべきか。ご存知の通り、宇宙から降ってきた隕石の激突が連鎖的な環境変化を劇的に引き起こし、恐竜を筆頭に食物連鎖の上位陣をあらかた滅ぼしたのだ。

もし自分が恐竜だったら(どういう仮定?)、もし絶滅の原因が「火山の噴火」とかなら、まだなんとなく「じゃあ仕方ないな、地球のことだし」と納得しやすい気がするのだが、隕石ってマジで完全に外的な要因なので恐竜的にも「そんなぁ…泣」って感じだろうな、とかよく思う(いや隕石のせいってわからないだろうけど…)。

隕石の方角が少しだけズレるとか、「ちょっとの偶然」で生命の歴史が激変していた可能性が最も高そうなポイントであり、色々な意味で想像とロマンが広がる時代だね(そういえばピクサー映画の『アーロと少年』がそんな感じの話でしたね。)

「K-Pg境界」でなんとなく心を惹かれた化石↓

隕石落ちてくる前あたりの白亜紀末期の爬虫類は、とにかく恐竜にスポットライトが当たりがちだが、このカメっぽいバエナ類が栄えていたり、現生ワニ類の単系統群もすでに存在していたという。いま同時に科学博物館でやってる「ワニ展」にも繋がってくるので、注目すべきポイント。生態系の「主役」っぽくはなかった仲間こそが、今も元気に生き延びているというのは「大絶滅展」の妙味ですな。

ワニ展も面白かったので別個に語りたいくらい↓

www.kahaku.go.jp

というわけで会場前半のメイン展示「ビッグファイブ」はこれにて終了。

途中の通路に、ちょうど興味あった「アンピクス」の化石が展示されているのを眺めたりしつつ…(行列を作るという生態について議論や新発見があるみたい)

会場後半では「新生代」がテーマになる。ぽっと出の新興生物「人類」が登場し、やたらと大きな影響力を発揮しながら、ビッグファイブほどでは(まだ)ないものの多くの動物たちを「絶滅」に追い込んでいく様が語られたりする(むしろ個人的にはこっちの方が慣れ親しんでいる「絶滅」である)。人類が絶滅させたステラーダイカイギュウの貴重な化石も見どころだ。

最後の方に少しだけど、現在の「絶滅」リスクの大きな要因でもある、気候変動に関しても言及があった。長期的な地球科学の研究が、今後を知る礎にもなっている。未来を知るには過去を知ることが必要、というのは理系も文系も変わらない真理でしょうな。

第二会場に向かう途中にある、イラストレーターのかわさきしゅんいちさんの絵画も要チェック! 生き物の特徴を的確に捉えながら、ポップで美しい色彩で描かれた素敵なイラストなので、ぜひじっくり眺めよう。

というわけで「大絶滅展」駆け足気味の簡易レポでした。どんなにデッカイ動物もめちゃかっこいい動物も、恐竜のような「強い」動物たちも、地球がちょっとくしゃみする(火山活動の比喩)くらいのきっかけで、あっさり絶滅してしまった。地球が本気出せば生命なんてすぐ滅ぶ。そんなカオスをなんとか生き延びたのは、必ずしもデカくも強くもない動物たち。そんなたくましい動物たち(もちろん人類含む)も、いつかは滅び去ることだろう。

「だが、今日じゃない。」

地球の途方もないパワーと、生命の途方もないタフネスを感じさせる、素敵な展覧会でした。

おわり

 




以上の内容はhttps://numagasablog.com/entry/2025/12/01/204945より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14