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【サッカー】VAR(ビデオアシスタントレフェリー)制度を正しく理解しよう!

2020シーズンから明治安田生命J1リーグに導入(2020シーズンは第1節のみで、第2節以降は見合わせ。2021シーズンから再導入)されたVAR制度について、理解を深めるためにまとめました。

2026/27競技規則改正でVARの介入対象にいくつか変更があったため、本記事もその内容を反映して更新しました。

これを読んでもらってVAR制度について理解が深まり、楽しいサッカー観戦にお役立ていただけたら幸いです。

VARの役割

VAR🖥とは、Video Assistant Referee(ビデオアシスタントレフェリー)の略。主審や副審、第4の審判員をサポートする立場の審判員です。

ときどき、「主審がフィールド上にあるモニターを見る行為」や、その「モニターそのもの」のことをVARと呼んだり、「主審が判定を変更すること」をVARと言ったりする方がいますが、いずれもちょっと違います。

VARは審判員。つまり「人」です。

ただし、いる場所はフィールド上ではなく、ビデオオペレーションルーム(Video Operation Room : VOR)という別の場所で、モニターの映像で試合の状況を確認しています。

VARは、主審が下した判定に「はっきりとした、明白な間違い」があるとき、または主審に「見逃された重大な事象」があるときに限り、リプレー映像を用いて主審の判定を援助することが出来ます。VARが主体となって判定をすることはなく、最終的な判定は常に主審が行います。

ちなみにVORには、VARの他に、VARの判定を支援するアシスタントVAR(AVAR)という審判員と、VAR・AVARの機器操作を援助するリプレーオペレーター(RO、審判員ではない)がいます。

ビデオオペレーションルーム

J1リーグではVAR、AVAR、ROがそれぞれ1人ずつ、3人でVORに入っていますが、競技規則ではAVARとROを2名以上おくことも認められています。

VARが介入する4つの事象

「最小限の干渉で最大の利益を得る」がVARの哲学です。VARが入れば入るほど、プレーが止まり、サッカーの面白さが損なわれてしまう可能性が高まります。VARの介入回数が少なく、介入のためにプレーが停止している時間が短いほうが望ましいということに異論はないだろうと思いますが、そのためにも、どういうときにVARが介入するか、基準を決める必要がありますね。

VARが介入する事象は、次の4つに関する場合と決められており、その中でも「はっきりとした、明白な間違い」または「見逃された重大な事象」があった場合に限られています。

(1) 得点かどうか
(2) PKかどうか
(3) 退場かどうか
(4) 警告・退場の人間違い

よくある意見として、「今のプレーはイエローカードを出すべきだ!VARがいるのに何で確認しないんだ!」といったものがありますが、判定に疑問を感じたそのプレーが、得点かどうか、PKかどうかに関するものでなく、また、退場となりうる事象でもないならば、VARは介入できません。全てのプレーで正確な判定を追求するのではなく(おそらく、それは神様にしかできない)、はっきりとした明白な間違いをなくすことがVARを導入する目的だということ、判定の主体はあくまでも主審だということを、ぜひご理解ください。

2026/27改正で追加されたVAR介入対象

VARが介入する「4つの事象」という基本構造は変わっていません。
ただし2026/27の競技規則改正では、その中でVARがチェックできる具体的なケースがいくつか追加されました。

① 明らかに誤った2枚目の警告による退場

すでに警告を受けている選手に対して、明らかに誤った判断で2枚目の警告(=退場)が出された場合、VARが介入できるようになりました。

これまで「(3)退場かどうか」の介入対象には「2枚目の警告による退場は該当しない」という但し書きがありました。今回の改正でこの例外が一部解除され、「明らかに誤った」2枚目警告による退場に限り、VARが介入できるようになります。

ただし、介入できるのはあくまで「明らかに誤った」場合です。際どい判断や主審の裁量の範囲内の警告については、引き続きVARは介入しません。

また、イエローカードが出る事象が介入対象となったわけではないので、具体的にいうと、1枚目の警告に誤審があった場合は救済されません。

つまり、「1枚目のイエローが誤審だったために、2枚目で退場になってしまった」というケースでも、VARがチェックするのはあくまで2枚目の判定のみです。1枚目のミスを遡って修正することはできないため、選手にとっては依然として1枚目の重みが変わらない点に注意が必要です。

② 誤ったチームへのカード提示(人間違い)

反則をしたチームとは別のチームの選手に、誤ってカードが提示された場合もVARの介入対象となります。

これはもともと(4)の「警告・退場の人間違い」として介入対象でしたが、従来は同じチーム内での人間違いが主な対象でした。

今回の改正で、チームをまたいだ人間違い、つまり本来カードを受けるべきチームとは別のチームの選手にカードが出てしまったケースも対象に加わります。

例えば、本来Aチームの選手にカードを出すべき場面で、誤ってBチームの選手にカードが提示されてしまったような場合です。

③ 明らかに誤ったコーナーキック判定(大会オプション)

明らかに誤ってコーナーキックが与えられた場合、VARがチェックできるようになります(ゴールキックは対象外)。

ただし、これは大会オプションです。すべての大会に適用されるわけではなく、大会ごとに適用するかどうかを選択できます。

また、即座にチェックを完了できる場合に限られます。長時間のレビューによって試合を止めないためです。

改正後のVAR介入対象まとめ

改正前後のVAR介入対象を整理すると、次のようになります。

介入対象 〜2025/26 2026/27〜
得点かどうか
PKかどうか
一発退場かどうか
2枚目警告による退場(明らかに誤った場合)
警告・退場の人間違い(同じチーム内)
警告・退場の人間違い(チームをまたいだ場合)
明らかに誤ったコーナーキック判定 ○(大会オプション)
イエローカード単体

VAR介入対象事例は、いずれもその事象に「はっきりとした、明白な間違い」または「見逃された重大な事象」があるときにのみVARが介入します。

また、表の最下行にある通り、イエローカード単体へのVAR介入は2026/27改正後も引き続き対象外です。「VARがイエローカードにも介入できるようになった」という理解は誤りです。

VARが介入するまでの流れ

VARが介入するかどうかについては、こんな流れで決まっていきます。

①事象が発生したら

まずは主審が判定します。主審が判定しないと、その判定が「はっきりとした明白な間違い」かどうかも決められません。まず、主審の判定です。

②VARが映像をチェック

VARは事象をチェックしていることを主審に伝え、主審はその間、片方の耳に手を当て、もう一方の腕を伸ばすシグナルで「VARがチェックしていること」を示します。

このときVARは必要に応じて、主審からプレーがどのように見えたのか、なぜそのように判定したのかを聞き取り、リプレー映像と突き合わせます。

③「はっきりとした明白な間違い」があるかどうか確認

  • VAR(またはその他の審判員)が「レビュー」を勧める。
  • 重大な出来事が「見過ごされてしまった」と主審が不安に思う。

このような状況の場合、④以降(レビュー)に進みます。一方、「はっきりとした明白な間違い」とは言えない、「間違い」と言える決定的な映像がない場合は、それ以上VARは介入せず、主審が最初に下した判定でゲームが先に進みます。

※試合が再開された後は、原則としてその判定をVARで修正することはできません。

レビューをして、最終的な判定を下すまで

④「はっきりとした明白な間違い」がある場合

レビューを行います。主審は空中に両手で長方形を描く「TV シグナル」を示します。

主審の主観に基づく判定の場合

主審がレフェリーレビューエリア (RRA) へ行ってリプレー映像を見ます。これを、オンフィールドレビュー (OFR) と言います。例えば、選手同士の接触をファウルとするかどうか、手にボールが触れたのをハンドの反則とするかどうかといったものが、主審の主観に基づく判定に該当します。

誰が映像を見ても変わることのない、事実に基づく判定の場合

主審がVARからリプレー映像から得られた情報を聞きます。これをVARオンリーレビューといいます。例えば、パスを受けた選手がオフサイドポジションにいたかどうか、反則が起こった場所がペナルティーエリアの内側か外側かといったものは、通常、VARオンリーレビューとなります。

⑤主審の最終的な判定

レビューが行われたら、主審は「TV シグナル」を示したあと、最終の判定を行います。

※必ずしも、当初の判定が変わるわけではありません。




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