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世界の介護保険と比較 ケアマネジャーの更新制度廃止を受けて

最近のニュースを読むとケアマネジャーの更新制が廃止になりそうです。

 

ケアマネジャーの更新制を廃止へ――第127回社会保障審議会介護保険部会

https://media.shaho.co.jp/n/n950e1c76ccff

 

これで私もケアマネに戻れるのか、転職がはかどる(・∀・)ニヤニヤ

 

一時は研修制度の義務化を謳いながら、どうしてここまで軟化することになったんでしょうか?部会ではなり手不足が大きく取り上げられていますが、ケアマネジャーという資格の状況を深掘りしてみます。

 

 

1.ケアマネジャーの成り立ち

 

- 日本の介護保険制度は、ドイツの介護保険(1995年導入)をモデルに設計される

- 日本のケアマネジャー制度(2000年導入)は、イギリスの「ケアマネジメント」概念(1990年コミュニティケア法)を参考

とされていますが、ケアマネジャーのような資格制度として存在するのは日本だけです。

 

ケースマネジメント比較

項目

日本(ケアマネージャー)

ドイツ

イギリス

アメリ

制度的根拠

介護保険法に基づく国家資格

介護保険制度の中で「Pflegeberater(介護相談員)」が配置される

地方自治体の社会サービス法に基づき「ケアコーディネーター」配置

医療保険・福祉制度の中で「ケースマネージャー」配置

資格制度

国家試験+研修必須、更新制あり

国家資格ではなく、研修や職種資格で対応

ソーシャルワーカーや看護師が兼務、独立資格なし

看護師・ソーシャルワーカーなどがケースマネを担う

主な役割

ケアプラン作成、サービス調整、利用者・家族支援

介護サービス利用の相談、給付選択支援

高齢者・障害者の生活支援計画、地域資源との調整

医療・介護・福祉を横断した利用者支援、退院調整など

特徴

介護保険利用に必須の存在

保険給付の選択肢提示が中心

自治体主導で柔軟に対応

医療保険制度と強く結びつき、職種横断的

 

前述のようにケアマネジメントを基礎とした資格ですが、このケアマネジメントの起源は、アメリカにあります。

 

アメリ

1950〜60年代

  • 精神障害者や慢性疾患患者が病院から地域へ移行する「脱施設化」が進む。
  • しかし、地域での生活支援が不十分で、ホームレス化や再入院が多発。
  • この反省から、サービスをつなぎ、継続的に支援する役割=ケースマネジメントが生まれる。
  • 1970年代
  • 精神医療分野で「ケースマネジメント」という用語が広がる。
  • 退院後の地域生活支援を調整する仕組みとして確立。
  • 1980年代
  • 「集中型ケースマネジメント(ICM)」や「包括型地域生活支援プログラム(ACT)」が登場。
  • 医療・福祉・住宅・就労などを包括的に支援するモデルが発展。

 ↓

 イギリスでの展開
  • 1974年 ケント大学方式
  • 地域ケアの効率化のために「ケアマネジメント」の概念を導入。
  • 1990年 コミュニティケア法
  • 保健・医療・福祉を一体的に提供するため、ケアマネジメントを全国制度として位置づけ。
  • ソーシャルワーカーが「アセスメント」「ケアプラン作成」「サービス調整」を担う。

 ↓

日本への導入
  • 高齢者在宅ケア研究班などで「ケースマネジメント」が紹介される。
  • ゴールドプラン(1989年)を背景に研究・試行が進む。
  • 2000年 介護保険制度開始

 

つまり日本はイギリスの制度を習ったということですね。福祉系の学校で習う、ケネディ大統領の「精神衛生に関する特別教書」や、オコナー対ドナルドソン事件に思いっきり影響を受けているのがケアマネジメントなんです。

 

 

2.ケアマネジャーのおかれている財源の問題

 

では、介護保険制度を取り入れている国の負担割合についてみてみます。

各国の介護保険料と財源構造

保険料率・負担額

財源構造

高齢化率

問題点

日本

40歳以上が負担。
第1号(65歳以上):年金から天引き。
第2号(40~64歳):医療保険料に上乗せ。
全国平均で 所得の約1.8%程度自治体差あり)。

保険料:約50%
公費:約50%(国25%、都道府県12.5%、市町村12.5%)

29.8(世界第2位)

制度の持続可能性が課題

ドイツ

2025年から 3.4%(子なしは4.0%) に引き上げ予定。
労使折半。

保険料のみ(公費負担なし)

23.2%

韓国

健康保険料の 12.95%が介護保険として徴収(2025年時点)。
例:月給300万ウォン → 健保料21万2700ウォン、そのうち介護保険料約1万3774ウォン。

保険料:約60%
国庫:約20%
利用者負担:約20%

19.3〜20.3%

急速な高齢化に制度が追いつくかが焦点

オランダ

長期介護法(Wlz)に基づき、**所得の約9.65%(上限あり)**を全国民が負担。
雇用主負担なし。

保険料:約70%
国庫・自治体:約30%

20.5%

高負担・高福祉モデルで、財源と国民合意の維持がカギ

介護保険のモデルになったドイツ同様、日本でも持続性が問題になっています。一見所得税の割合はほかの国より低いですが、日本は公費割合が多いのが特徴です。スウェーデンデンマークノルウェーを代表とする北欧諸国の、公的介護サービスという側面も日本は持ち合わせていることになります。

 

 

3.なぜ韓国は日本のケアマネジャー制度を見習わなかったか?

 

日本はドイツやイギリスをモデルに、介護保険制度やケアマネジャー制度を2000年に導入しました。この日本の制度をモデルに2008年に介護保険制度を導入したのが韓国です。でも韓国にはケアマネジャー制度はありません。

 

ケアプラン作成の違い

 

ケアプラン作成

サービス調整

日本

各事業所のケアマネジャー

韓国

国民健康保険公団が「標準長期療養利用計画書」を作成

介護事業所の「長期療養管理者(施設長や看護師、社会福祉士など)」が担う

 

なぜこのような形にしたかというと

・ ケアマネジャーという新たな専門職を創設すると、養成・配置コストが増大するため見送られた【西下 2020 論文】。

国民健康保険公団が全国で唯一の保険者のため、独立性の高いケアマネ資格の必要性が低かった。

・制度開始時から民間事業者の参入を広く認めた。

というポイントがあります。

日本より急速な高齢化に対応しなければならない韓国では、より介護保険料の負担を抑えなければならないため、導入されなかったということになります。

 



4.ではケアマネジャーの必要性について

 

ケアマネジャーのおかれている状況を、世界と比較してきました。なぜ日本は日本独自の介護保険制度を導入しなければならなかったかともう一度見直した時、そこには地域格差という問題があります。北欧諸国に代表される公的介護サービスは、自治体の財政や政策に依存し、地域差が大きくなる傾向にあります。

地域格差を減らすために介護保険を導入し、そしてその地域にある限られた公的サービスとの紐づけのために、独立したケアプランを作成する資格、ケアマネジャーが誕生したわけです。

ですが、今回の様に更新制度について見直される背景には、日本独自路線、悪い言い方をすればガラパゴス化している面でもあります。ケアマネジメントの観点から言っても、オーソリティ(専門性)というよりマニアック(極端)になっていないかと見直す時期が来たようにも思います。

 他国の様に柔軟な対応が求められるのではないでしょうか?




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