先日から併設事業所の居宅介護支援事業所の所長より、ケアマネに戻らないかと誘われています。所長とは年齢も近く、恐らくケアマネになった頃も近いはずです。それでも所長はこの道20年の主任ケアマネ、私は丁度それくらい前にケアマネから異動がかかり、ずっとケアプランからは遠ざかるキャリアを積んできました。そんな私になぜケアマネに戻らないかといってきたかというと、ケアマネの成り手がいないためのほかありません。昨今の居宅の報酬単価が下がっている問題と、近辺では訪問介護の廃業が増え、その併設した居宅の統廃合が進んでいるそうです。そうするとなぜかうちの事業所の担当件数が増え、ケアマネの担当件数44件を上回る事態になりました。さてこの問題に取り組むか、私への打診は冗談にしても、何か対策が必要です。そこで思いついたのが今回の事務員配置です。
事務員配置基準について
所長も、事務員の配置を考えたそうです。でもうちの居宅は十数人ケアマネがいる大所帯で、事務員を配置してしまうと、ケアマネ全員の担当件数が5件増えてしまう事態に所長は懸念しているそうです。ケアマネそれぞれの能力からみて、5件担当が増える負荷に耐えられない人も出てくるそうです。私も一緒に青本※を読んで、何か対応策がないか考えてみました。
参照元:
『介護報酬の解釈 令和6年4月版』ウェブコンテンツ(最終更新:2024年10月17日)|社会保険研究所
- 青本:単位数表編(介護報酬の算定基準)
- 赤本:指定基準編(介護サービスの提供基準)
- 緑本:QA・法令編(介護報酬に関する法令やQ&A)
事務員配置の範囲はどう考えるの?
令和3年改正と令和6年改正の居宅介護支援事業所の事務員配置基準の違いをまとめると、以下のようになります:
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項目 |
令和3年改正 |
令和6年改正 |
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事務員の配置要件 |
事務員配置でケアマネの担当件数上限が40件→45件に増加 |
事務員配置とICT活用で担当件数上限が49件に増加 |
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勤務時間の規定 |
常勤換算でケアマネ1人あたり月24時間以上の勤務が必要 |
勤務時間の具体的な規定が撤廃され、柔軟な運用が可能 |
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配置場所 |
事業所内での配置が基本 |
同一法人内での配置も認められる |
|
ICT活用 |
推奨されるが具体的な要件なし |
ケアプランデータ連携システムの活用が要件化 |
参照元:
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38790.html
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令和3年時点では、「常勤換算でケアマネ1人あたり月24時間以上の勤務が必要」とあります。ということは、24時間÷23日(月別実労働日数≒一日1時間以上の労働が必要になると言えます。つまり事務員がフルタイムの常勤換算(一日8時間労働)の職員を割り当てたときには、7人までのケアマネが49件持つことができるということになります。
これだ、これでいけばいいんですよ所長~。と大急ぎで伝えに行きました。
これで、全員が49件持たなくても済むので、熟練ケアマネは49件、新人ケアマネは44件とすみ分けできると喜びました。
所管庁に問い合わせ
そうはいってもこの手の解釈は裏付けが欲しいものです。ただでさえ令和6年改正には「柔軟な運用が可能」という一文があります。私は自分の解釈が正しいか、所管庁に問い合わせてみました。
答えは即「×」でした
予想通り勤務時間の規制がなくなったため、事務員一人配置で、所属するケアマネ全員の件数を49件にしていいとのことでした。

本題
問題はここからで、事務員配置はどこの所属からの配置をお考えですかと確認が入りました。”当該事業所内の配置に限らず、同一法人内の配置でも認められる”という一文があるので、「総務の職員を当てようと考えています」と回答すると、注意を受けました。「それは前提であって、居宅介護支援事業所の業務補助になっているかが重要です」と。
私も反論しました。
介護保険最新情報vol.952(「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)P75に
“
問 117 事務職員の配置について、当該事業所の介護支援専門員が行う基準第 13 条に掲
げる一連の業務等の負担軽減や効率化に資する職員については、当該事業所内の配置
に限らず、同一法人内の配置でも認められるが、認められる場合について具体例を示さ
れたい。
(答)
具体例として、次のような場合に算定できる。これらの具体例を踏まえ、個々の状況等
に応じて個別具体的に判断されるものである。
<例>
※ 当該事業所の介護支援専門員が行う基準第 13 条に掲げる一連の業務等の負担軽減や効率化に資することが前提
・ 法人内に総務部門の部署があり、事務職員を配置
・ 併設の訪問介護事業所に事務職員を配置 等
“
https://www.mhlw.go.jp/content/000763822.pdf
とあるといいました。
所管庁の担当の回答は、
「だから前提だと言っている」
「前提は前提であって、効果的な配置が必要です」
でした。
いやいやいや、私はさらに反論しました。
「でも既存の総務職員を事務職員と当ててもよいとありますし、ケアマネたちの業務削減にはなっていますよ?」
これがもっと悪かったようで
「それは前提であって、前提は前提で~~」
の押し問答でした。
保育事業にいたのですっかり忘れていました。地方の介護保険担当の強権ぶりを。
それでいて「では総務職員ではだめなんですね?」と聞くと、「そんなことは一言も言っていない」と返される始末。
青本の解釈も、介護保険担当官とのやり取りの仕方も全部だめだったことを所長に話し、なんとか笑い話になったのがせめてもの救いでした。