情報を右から左に流すだけのIT土管はAIに作れるので、その情報たちから新たな価値を生むのが、ITエンジニアの仕事になるのではないかなと思います。
2004年に広まったWeb 2.0は、CGM(Consumer Generated Media: ユーザー生成コンテンツ)という言葉を生みました。
それまでは、広く共有されるコンテンツというのはマスコミのような一部の集団がつくってメディアに一方的に流すものでした。Web 2.0では、ブログやSNS、写真、動画共有など、一般消費者がアップロードしたコンテンツが、広く共有されるようになりました。
日本でも、はてなやmixi、pixiv、ニコニコ動画のようなサービスが始まりました。
こういったサービスは、結局のところ、ユーザーが入力したデータを他のユーザーに表示させる、いわば IT土管 になっています。
それでも、2015年くらいまでは、多数が同時に投稿して多数が同時に見る仕組みの実装に技術力が必要でした。
特にTwitterのように、1人の投稿を多数が同時に見る、多数の投稿を1人が同時に見る、というのは大変です。
でも、今ではインフラもノウハウも整って、勘所さえ押さえれば個人でも実装が可能です。
そして、アーキテクチャさえ決まってしまえば、コードはそこまで難しくありません。データを転送するだけなので。めんどくさいコードが必要かもしれないけど。 そしてそして、難しくないけどめんどくさいコードはAIが大得意です。 つまり、IT土管はAIに組めるわけです。バイブコーディングでいけます。
2011年に、データベースと画面を結び付けるだけならプログラムがわからなくてもできるんでは、と、そういう作業ばかりする人を「バインダー」と呼んだりしてました。
「プログラマ」とは別に「バインダー」という職種名を思いついたのだけど - きしだのHatena
データを流すだけもプログラムわからなくてもできつつあります。
データ転送やさん、IT土管やさんにはあまり価値がなくなってきています。
ということで、システムやサービスに価値を出すためには、情報に価値を乗せないといけないんじゃないかと。
TikTokが流行ったのは、ショート動画を投稿して他の人に表示できるところではなく、レコメンデーションで延々と関心あるショート動画が流れてくるところでした。動画を撮った人から見る人のところに流すだけではなく、レコメンドという価値を乗せたわけです。
Xも賛否はありますが「おすすめ」として情報にあらたな価値をあたえています。
そしてたぶん、そういった動画や投稿のレコメンデーションのシステムはバイブコーディングで作れません。
Googleの検索も、情報に価値を乗せるサービスです。これもバイブコーディングで実装は難しいと思います。
データを移動したりデータベースや画面と結び付けたりするコードはバイブコーディングできても、新たな価値を生むコードはAIコーディングだけでは難しそう。
もちろん、データを移動したりデータベースや画面と結び付けたりするコードでも、ただデータを移動したり画面と結び付けるだけではなく、高い信頼性や柔軟性、操作性など、非機能的な価値を加えるということもできます。それも現状のAIには書けない。
ということで、データを転送するだけのIT土管はAIにまかせて、情報から新たな価値をうむことを考えないといけないなぁと思いました。