
https://x.com/ishiitakaaki/status/1905814633052807382
石井孝明が「Murat@Velioglu974」というアカウントが提示した「トルコの違法電気使用率」という地図画像について、「最悪の場所」の地域が「在日クルド人の出身地」と重なるという事を書いていた。まずこの「違法電気使用率地図」であるが、これはトルコのensonhaberというニュースサイトが2020年9月に掲載した記事に載っていた地図であり、デマ地図の類ではない。地図上からはトルコ南東部での電力に対して違法使用が目立つことが可視化され、そして該当地域にクルド人が多い事から「在日クルド人の出身地」と石井孝明は述べたのだろう。ところでだが、在日クルド人のトルコにおける出身県は何処が多いのだろうか。これについて三浦尚子によればトルコ南部のガジアンテップ、カフラマンマラシュ、アデゥヤマン、シャンルウルファが挙げられている。また産経新聞ではカフラマンマラシュ県、ガジアンテップ県が挙げられているし、三好範英によればガジアンテップが在留クルド人の故郷としている*1。以上の記述からはガジアンテップの出身が多い様に見えるが、実際の出身県比率などはない事からガジアンテップ、にカフラマンマラシュ、アデゥヤマン、シャンルウルファの4つの場所についてみていく。まずこの4つの場所の位置は次の通りとなる。

この場所を違法電気使用率地図に当てはめると以下の通りだ。

ガジアンテップ 8.6%
カフラマンマラシュ 7%
アデゥヤマン 8.1%
シャンルウルファ 58.8%
シャンルウルファ県は高い数値となっているが*2、その他の県に関しては平均的な値に見える。少なくとも石井孝明が述べたところの「最悪の場所」、例えば「マルディン 72.7%」などとは大きな差異が存在する。この記事において当該地域で何故違法電機使用率が多くなっているかまでは踏み込まないが、ただいずれにしても石井孝明の主張はクルド人が多く住んでいるといわれる地域を表面的になぞって、それをイコールとして在日クルド人の出身地と重ねているのだろうが、実態としては在日クルド人の出身地とされる場所とトルコの違法電気使用率の「最悪の場所」が重なっているとはほぼ言えない状況だろう。
*1:書き手によって日本語による現地の県表記は統一されていないが、この記事では三浦の表記に従うこととする
*2:ちなみにこの地域のクルド人は人口の6割ほどだと推定されている。また2024年8月時点では42%となっているとの報道がある。