以下の内容はhttps://nou-yunyun.hatenablog.com/より取得しました。


ベトナムで日本の政治煽りなどの動画を(多分金銭目的で)作ってるみたい

 前回、「中国でベトナム人が政治煽り動画(高市アゲ、野党腐しetc)を作ってるみたい」という記事を書き、「中国」でベトナム人が政治系動画を作成してるのではないかという記事を書いたが、改めて検証してみたところ状況証拠として「中国」ではなく「ベトナム」で動画を作成していると判断するに至ったのでそれについて記しておく。直接的な理由は後述するが、前回「中国」と判断するに至ったのは何故か、失敗の原因は何かを書いておく。誤謬の大きな要因は取りも直さず前回取り上げた「ゆっくり日本を知る」というチャンネルが挙げていた動画「私の毎日の通勤」に尽きる。

この動画は中国の福建省泉州市の動画である事は確実なのだが、そもそも果たしてこの動画そのものが本当に見出し通りの「私の毎日の通勤」である事はなんら保証されていない。この動画の出処は定かではなく百度などでも簡単に検索した限りは出てこず、そして自ら場所を特定したことによってこちらの判断能力が落ちたことは否めない。そも運営側としてはわざわざほんとに勤めている場所を挙げる必要性は別にないのであるが、筆者は動画の運営者が動画制作裏側をアップしたりする異常さや、そこからの通勤Vlogによって「迂闊」さを見出してしまったのだが、しかしそもそも彼の製作現場動画からはベトナムの痕跡が見いだせる。

ヒントは飲料だ。特徴的なのは「CHIN SU」のロゴがあるチリソースだが、これは日本でも売っている製品であるから場所の特定には向かない。

では他の飲料はどうか。

こちらも見た目の判断はこれだけだと難しいが、右側のオレンジジュースにはミニッツメイドのロゴが見受けられる。ミニッツメイドは国によってパッケージが異なり、中国のミニッツメイドはロゴの位置が異なることがわかるし、日本はペットボトルそのものの形が異なる。その中でベトナムのミニッツメイドはペットボトルの形やロゴの位置が動画と酷似している事がわかる。

中国のミニッツメイド

ベトナムのミニッツメイド

なおミニッツメイドの隣においてあるのはミネラルウォーターの「AQUAFINA」だと思われるが、こちらはベトナム、中国ともに商品の見た目は似ているので国の判別には向いていない。

まこのシーンにはテイクアウトで買ったと思われるコーヒーが映っており、コーヒー豆を使用したロゴが見える。

ここが分かれば巨大チェーン店でもない限りは場所はほぼ特定できただろうが、残念ながら中国、ベトナム双方でコーヒーチェーンのロゴを検索したところこの店舗を探し当てられなかった。ただミニッツメイドの形状からは中国よりもベトナムの可能性の方が高い様に思える。前回の検証には甘さが残り、中国と軽率に書いてしまったことをここにお詫びする。

他のチャンネルにおける動画制作語り

 しかしこれだけの情報だとベトナムと確定は難しく、いまいち場所は不明だ。ただ以下から述べる情報からベトナムの可能性の方が高い。前回の記事を書いた後に思うところもあって、「ゆっくり日本を知る」を再度調べようと思ったところ前回と同じ方から今回と同様に動画制作について語っているチャンネルを教えてもらった。それが「リアクションタイム」というチャンネルであり、そこには「🏮 Welcome to リアクションタイム🏮」という動画がアップされている。


https://www.youtube.com/@%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%AF-b4g/videos


https://www.youtube.com/watch?v=9M5zs3xrFDE

この動画も「ゆっくり日本を知る」の製作過程をベトナム語で説明している。部屋の雰囲気から「ゆっくり日本を知る」を同じ部屋だと思われるし、例えば次の画面に映っている飲料は「nutri boost」というベトナムの飲料だ。

その他にもベトナムのお菓子が映っていたりとベトナムである事を示す材料が見られる。しかしその一方、別の動画である「VLoG」では冒頭にチャンネル主の彼女がパソコンに向かった姿の後に原宿を歩く動画が展開されている。


https://www.youtube.com/watch?v=NEcxVW9MHt4

「ゆっくり日本を知る」と「リアクションタイム」は同じ部屋であろうにも拘らず、片方は「中国」の動画、片方は「日本」の動画をVlogとしてアップしている。女性の方は通勤とは言ってないとはいえ、男性の方の中国の通勤動画は部屋に散らばるベトナム製品の痕跡から本当に「通勤」なのかは甚だ怪しいと考えざるを得ない。これらが所在地をごまかす為にやっているのかまでは不明だが、いずれにしてもVlogで提示される場所は動画制作場を示してはいないことが窺える。そして、このほかにもこの手の動画制作について語っているチャンネルは複数見つけられた。


https://www.youtube.com/@%E6%99%82%E4%BA%8B%E8%A7%A3%E8%AA%AC%E3%83%A9%E3%83%9C-v6o/videos


https://www.youtube.com/watch?v=uQLZ44MojEA


https://www.youtube.com/@%E5%BF%83%E3%81%AE%E5%8F%8D%E5%BF%9C-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%A6%96%E7%82%B9-d4n/videos


https://www.youtube.com/watch?v=8CHUH1D-rHs


https://www.youtube.com/@%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%A6%96%E7%82%B9%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3/videos


https://www.youtube.com/watch?v=fcSWWxh0UHo

下二つの「心の反応-日本の視点」と「日本視点リアクション」は同一人物と思われ、ナレーションや途中からの構成は全く同じとなっている。またサムネイルでわかる様にこれらは同一の部屋で撮影されているものだ。「時事解説ラボ」の動画には「ゆっくり日本を知る」で出てきた眼鏡の男性と思われる人物も一瞬映っている。やはり「会社」としてこの様なyoutubeなどの日本向けネット動画を作成しているのだろう。ちなみに「心の反応-日本の視点」はVlog形式の動画も投稿しているのだが、そのうちの「A Day in My Life as a Channel Owner — Walking the Streets & Exploring」という街歩きをするとタイトルで語る動画はチャンネル主が映った後は「冥鳴ひまり」というVtuberのゲーム実況動画と思われる映像が流れる。


https://www.youtube.com/watch?v=2-LcZVcJAp0&t=3s

流石にこれはパクリだろう。この「心の反応」は他にもVlogとして場所は不明だがムエタイの動画をアップしているのだが、動画撮影者は明らかに男性であり、チャンネル主とは別人だ。やはりこのVlogは彼らの実生活とは別と判断するしかない。
 動画の傾向としては政治以外に「海外の反応」などから見て取れるようにウケそうなネタを選び、視聴回数を稼ぐことによる金銭的利得を優先しているのだと思われる。それと今回は動画制作を語っているチャンネルを挙げたが、全てのチャンネル主が動画制作についてをアップしているわけではないだろう。ただこれらの動画は一部文章の使いまわしをチャンネルをまたいで行うことがあり、例えば「"皆さんの「いいね」と「購読」は映像制作に大きな力になります"」という文言で検索すると、「日本トレンド速報」、「日本の本音リアクション」、「日本ニュース速報」etcがヒットする。さらにこの他の調べ方としてはサムネイルを検索する事だ。


https://www.youtube.com/watch?v=A4TjtDrh9lY

上記は「ゆっくり日本を知る」にアップされているサムネイルとなるが、この形式のサムネイルはよく見る。この形式を利用した動画が全て繋がっているとまではわからないが、しかしそもそも全く同じ動画がアップされている事が検索するとわかる。

「ゆっくり日本を知る」は2月9日に動画をアップしたのだが、「政治の真実速報」というチャンネルが3月6日に同一の動画を挙げている。動画をパクったというよりも共有したという可能性の方が高いだろう。スクショには別のサムネイルも複数出てきているが、これも同サムネの別チャンネルだ。これらのチャンネルではチャンネル主が直接出てくる動画は存在しないが、背後にはこの「会社」の存在があり得る。

動画制作を語る理由についての推測

 ではなぜこの「会社」はこの様に自らベトナム人であることをほぼ隠さないチャンネル主の動画を複数上げているのだろうか。一つのチャンネルだけで行われているならば自己主張の強い変なチャンネル主と片付けることも出来たのだろうが、これだけ多いと明らかに組織的な運営方針としてやっていると見た方が良い。考えられるのはこういった動画をアップする事によって動画制作はAIによる粗製乱造などではなく、製作者自らがクリエイティブに動画を製作しているという姿勢を見せ、チャンネル閉鎖を避けるためではないか。昨今、AIによって動画制作コストが激減したことによって動画が氾濫し、その影響の中でチャンネルが閉鎖されているという現象がみられる。そのためにこういった「製作過程」を提示し、閉鎖を避けるという手段を講じてみたと考えられる。というか、これ以外は少々考えにくい。例えば上記のスクショの一番下に「【衝撃】石破茂前首相、高市首相に〝上から目線〟の釘刺しで「お前が言うな」大炎上」というリンクがあるのだが、これは「日本でよかった【政治ゆっくり解説】」というチャンネルの動画だった。しかし現在このチャンネルは閉鎖されている。閉鎖をすれば収益化はあり得ない為に、このリスクを避ける為の試行錯誤の一つなのだろう。その一環として「毎日の通勤」などのVlog形式のものを挙げているのかもしれないが、Vlogの動画は彼らの所在地を明らかにしているわけではなさそうだ。
【追記】教えてもらったが、収益化の審査に落ちたり、停止された場合、異議申し立ての動画を送ることができるとの事。redditでは次のような投稿を見つけた。

最近、YouTubeチャンネルの収益化審査に落ちて、異議申し立てをしたんだ。そしたら今日、返信が来て、異議申し立ての動画がコミュニティガイドラインに違反してるって言われたんだけど、全然意味わかんないんだよね。
その動画は、YouTube Studioの画面を録画して、自分がどんなコンテンツをアップロードしてるかを見せて、収益化に値する理由を(ナレーションで)落ち着いて説明してるだけなんだ。音楽も、著作権侵害も、悪口も、誤解を招くようなことも、ガイドラインに違反するようなことは何一つないんだよ。

今回アップされた動画と状況がよく似てるので、閉鎖の予防ではなく異議申し立ての方が確かにしっくりくる。ただその動画を公開する必要まではなさそうなので、現状の公開設定はおかしいのだと思われる。ただこちらの推測の理由についての調査が足りず、考えが足りなかった。詰めが甘いよ。【追記終わり】。
 これを書いてて思い出したが、以前「youtubeで生成AIを使用した偽情報を含む動画群は主にベトナム人(?)が作成しているのでは」というのを書いた。これは動画の各所に見られる情報からベトナム人がこういった動画を作成しているのではという推測だったのだが、今回の動画制作現場を見る限りはベトナム人が組織的に作っている事はほぼ確実だろう。ベトナムの求人を漁るとyoutube動画作成者も見つかるので、そういったネット動画制作産業が現地にあり、そのジャンルの一つとして日本向けの動画があり、その中でウケそうな「海外の反応」、「日本の政治」などが取り扱われているのが現状なのだと考えられる。


【3月15日追記】
 記事中でサムネイルの検索について書いたのだが、その最中で次の様な投稿を見つけた。


https://x.com/kimetu2016/status/2031968038971658362

これは「鬼滅のJAPAN」(現在、収益化が定差視され動画は一切チャンネルに置かれていない)というチャンネルのアカウントなのだが、自身のyoutubeチャンネルが今回扱った「日本視点リアクション」を含めたチャンネルにパクられているという訴えだ。「鬼滅のJAPAN」にはこの投稿以外にもそういったパクりを訴える投稿がいくつかある。この訴えが事実とするならばベトナムの会社が作ってると思われるチャンネルはこういった動画のパクりも多くあるのだろうと。ちなみに「鬼滅のJAPAN」の中の人が日本人であるか、それとも今回の様に他の国の人間かは不明である。



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  • ミニッツメイド

ベトナム人が政治煽り動画(高市アゲ、野党腐しetc)を作ってるみたい

【3月11日追記】
 タイトルから「中国で」を削除。中国ではなくベトナムで製作していると思われる。詳しくは「 ベトナムで日本の政治煽りなどの動画を(多分金銭目的で)作ってるみたい」を参照のこと。


 このブログでは多くの出鱈目を伴う政治系youtube動画についての記事を書いてきたのだが、先日面白い動画を教えてもらったのでこちらにその件について書いておく。その動画があるのは「ゆっくり日本を知る」というチャンネルで、見ての通り政治系の動画であり、基本的には高市アゲ、野党、中国腐しという動画チャンネルとなる。ただ極最近にアップしている動画にも拘らず話題は公明党離脱や高市のメローニだの立憲だのやけに古い事や、チャンネルのヘッダー画像の「ゆっくり」の文字がおかしい事から生成AIだというのがここだけ見てもわかる様に杜撰な動画チャンネルだ。


https://www.youtube.com/@%E3%82%86%E3%81%A3%E3%81%8F%E3%82%8A%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%92%E7%9F%A5%E3%82%8B/videos

人気の動画も数万程度でこれだけならピックアップするほどのないチャンネルなのだが、なんとこのチャンネル主が何故か、本当に何故だかわからないが顔を出して自分のチャンネルをどう作っているのか説明している動画あるのだ。


https://www.youtube.com/watch?v=18rh4s9roOI

この動画ではオフィスと思われるところでチャンネル主の男性が少したどたどしい日本語で動画をどの様に作っているのかを解説している動画なのだが、随所にみられる文字からベトナム語が母語のベトナム人だと思われる。ただ日本語検索などをしている痕跡もあり、ナレーションの日本語もチャンネル主ならば日本語もかなり理解できる人間であることが窺える。なお動画ではテーマを選ぶ際に東京の街角や京都が云々と言っているが、そういった街並みを撮影した動画はこのチャンネルには一切なく、これ系統の動画を除けば全て政治系動画である。なお、「これ系統」と書いたが他にもこの手のチャンネル主の私生活が出てくる動画が存在している。


https://www.youtube.com/watch?v=k6f0jl93EjA

これはチャンネル主と友人と思われる人物がベトナムの街(途中でハノイ=ハイフォン高速道路が映る)をドライブするだけの動画となる。これだけ見るとベトナム人がベトナムでこういった動画を作成しているとも思えるのだが、もう一つ別の動画が存在する。


https://www.youtube.com/watch?v=ZGkVa2-bDwg

こちらは「毎日の通勤」をアップした動画だが、こちらの街並みは中国の福建省泉州市である。


百度地図

この動画の最後で彼が勤めている会社にたどり着くわけではないので正確にどこに会社があるのかまでは不明だが、「毎日の通勤」として考えると福建省に彼が動画制作をする「会社」のような場所があることが窺える。ちなみにだがこの通勤動画の冒頭にはチャンネル主の同僚(?)も映っており、そのモニターには別の動画チャンネルと思われるものが映っている。

これらを考えてみると、中国福建省におそらく主にベトナム人が勤めるyoutubeチャンネル動画制作会社の様なものが存在し、そしてそのコンテンツの一つとして日本の政治を煽る様な動画も作成しているのだろう。このチャンネル主がいる「会社」がどの程度、日本向けに、そして動画ジャンルはどこのあたりまであるかまでは不明であるし、これが政治工作の下請け的なものなのか、金銭利得に基づく動画チャンエルビジネスの一端なのかまではわからない(【追記】ただ筆者として金儲けの可能性の方が高いと思ってるし、動画は日本でウケやすい言説を採用してるだけに思える。ただ少なくとも中国でベトナム人が日本の政治煽り動画をアップしている事は確実だろう。※【3月11日追記】確実じゃなかった。この「毎日の通勤」はチャンネル主の通勤を捉えた動画である可能性は著しく低い。
 それにしてもマジでこの動画チャンネル主が前面に出てくるの、意味が分からない。

※【追記】こういった動画を公開することでYouTubeからのアカウント停止を免れる為ではないかという話をもらった。なるほどと思うと共に、それでもそこを明かして良いのかという気にはやはりなる。



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  • 地球の歩き方

特定技能2号の模擬試験について、実際の試験の難易度とは異なる文書が拡散してた


https://x.com/dog5679_23p/status/2027100975312568518

 特定技能2号については先月末あたりからバッシングが増えてきており、それを受けてか農業分野の特定技能2号についての二択の模擬試験問題をアップしていた投稿が拡散していた。この文書自体は「Scribd」というアップロードサイトにある「特定技能2号・農業分野 模擬問題t(ママ)」が出処となる。さらに出処を辿ればアップロードをしたアカウント「SITHEAN THIN」であり、この人物はカンボジアにある「ありがとう日本語学校」の校長であり、日本語教育、日本への外国人派遣を生業にしている人物となる。彼はこの文書以外にもこの種の文書を複数アップしており、例えば「特定技能2号」、「? 特定技能農業2号 模擬試験 -テスト用」などをアップしている。

同じ農業関連の特定技能2号に関する問題の文書だが、冒頭の「ねりきり🍊@dog5679_23p」がアップした文書よりも問題のレベルが高い事は一見して明らかだろう。なお熊本県農林水産部生産経営局の資料に付されている全国農業会議所による特定2号試験の演習問題は次の様なものだ。

また全国農業会議所が作成した農業技能想定試験テキストを見れば相応の専門的な知識を学ぶ必要がある事も見てとれる。これらを見ていくと少なくとも冒頭の二択問題の模擬試験は模擬としつつも、実際に行われている問題とはかなり異なっている様に見える。どの様な意図、レベルでの模擬試験なのかまでは不明だが、少なくとも実際の試験で冒頭の様な模擬試験レベルのものは行われてはいなさそう。
 



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高市早苗が移民受け入れ拡大が必要だというXの投稿は捏造スクショだよ


https://x.com/taroinagaki025/status/2027476780924407823

 高市早苗が2025年8月15日22時57分に移民の受け入れ拡大が必要であるという投稿をし、それを総理就任後に削除しというスクショが出回っていた。結論から言えばデマである。まずこの画像の初出は詳細には不明だが、Xにおける拡散は2月27日の次の投稿となる。


https://archive.md/yRj4Y

この投稿は既に消えているが、「くましゅん@oskkpu」は排外傾向の投稿を多く行うアカウントであり、おそらくこれが拡散の出発点だと思われるが、果たして「くましゅん」が画像を作成したかまでは不明だ。なおこのアカウントは過去には英語のみで投稿していたアカウントだったが凍結後にこのアカウントに移行し、以降日本語のみの使用となった不可思議な運用のアカウントだったりする。それは兎も角としてこの高市のスクショだがコミュニティノートにある指摘は「2025年」の左横に半透明の「示」という文字が付いているというものだ。

実際にただのスクショならばこの部分に「示」という表示はあり得ず、加工が疑われる。また高市のアイコンだが、このアイコンが正確に切り替わった日付は不明だが、11月7日時点のアーカイブではこのアイコンに切り替わっている*1。総理就任は10月21日となり「総理就任後にしれっと削除した」場合、このアイコンは不適切だと言える。とはいえ、就任後に即消したわけではないという強弁も可能だとはいえる。なお投稿文章の改行が変という指摘も見たが、これは句読点のみが頭に来ない為に起こる調整であって、なんら不思議な改行ではない。
 ただそもそもの話、高市早苗は総裁選頃からネット上では反移民を望む支持層が抜群に多かった人間であり、この様な投稿が8月時点で行われていたならばその時点で騒ぎ(炎上)になっているはずである。しかし、「8月15日」ごろの現実にはその様な反応は一切ない。


https://x.com/search?q=%22%E5%B0%91%E5%AD%90%E9%AB%98%E9%BD%A2%E5%8C%96%E3%81%8C%E9%80%B2%E3%82%80%E6%88%91%E3%81%8C%E5%9B%BD%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%84%E3%81%A6%22%20until%3A2026-3-3&src=typed_query&f=live

上記は高市とされる発言の一部である「少子高齢化が進む我が国において」の検索結果だが、画像の様に今回スクショが出回り始めた2月28日の投稿からは複数このワードを使用した投稿が存在するのだが、それ以前、特に8月には高市とこのワードを絡めた発言は一切ない。また高市のアカウント(takaichi_sanae)への2025年8月16日5時時点までリプライを検索しても該当投稿に対する反応は一切ない。今のXは検索機能が貧弱化しているものの、この様に当時の状況から該当投稿があった痕跡は一切見えない。そもそもスクショの投稿が存在しないので当たり前である。事程左様に当時全くもって無風である事を考えればこの様な投稿は存在しなかったと結論せざるを得ない。またこれは推測となるが、スクショの投稿情報は「2025年8月15日22時57分 22.9万 表示」のうち日付に関しては存在しない投稿なので加工した部分だろう。ただこの投稿時間と表示回数がスクショと符合する「2025年5月16日22時57分 22.9万 表示」(※表示数は3月4日確認時点)の投稿が存在したりする。こちらの文章は自民党議員の後援会拡大のお願いで今回のものと似ても似つかないが、ここら辺が加工スクショの下地になったのかもしれない。
 このスクショを拡散させているのは主に参政党や日本保守党支持の排外傾向を強く持つアカウントたちなのだが、つまりは今現在、反移民(反外国人)を強く求める層にとって高市の姿勢は幻滅に値し、この様な捏造スクショが広まるに至っているということだろう。またこの種の話で言えば少し前に高市の父親は在日朝鮮人で高市は在日コリアン2世だという話も若干拡散していたし*2、朝鮮飲みが云々という話もあった。恐らくではあるが、今後もこういったデマが定期的に出てきそう。



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*1:アーカイブ上では10月24日は以前のアイコンのままである事がわかる。

*2:この話は去年からちょくちょくあったのだが、この話の直接のきっかけは「どらえもん2@matsudadoraemo1」の去年末の投稿が発端

アメリカ人のトランスジェンダーが女性用トイレに入ろうとしている動画はAI産だよ


https://x.com/26ers_bp115/status/2027196118317334972

 拡散していたので一応書いておく。コミュニティノートにある様にAIによって作られた動画なので、ここで描かれていることは現実に存在しない。ただこの動画は細かい破綻はあるものの、ただ漫然と見るだけではAIによって作られた動画と気づかない人も多い様に見え、だからこそ英語圏で広まり、日本語圏にも波及するくらいに多くの人が騙されているわけでもあるんだろう。ところでこういった動画の真偽を確かめる際はこの動画がどういったアカウントから発信されたのかを探ることもまた重要だったりする。数が増えると難しいが、出始めの頃ならばこういった動画の出処もそれなりに探りやすい。そしてこの動画の出処は次のフェイスブックアカウントだ。


https://www.facebook.com/CrazyScenesUSA

この「Crazy Scenes USA」は2月9日に投稿を開始したアカウントで、説明文に「AI-generated」とあるように生成AIによってこういった動画を大量に投稿しているアカウントとなる。

上記の様に今回作られた動画と似たような動画ばかりを作成し、いずれもそれなりに見られているのだが今回拡散した動画は291万回再生しているのがわかる。ほぼほぼ毎日のようにこういった動画を投稿している様で、その動画内容の偏重からは政治的意図もあるのだろう。ただこうやって毎日作っているのを見ると、今回の様にまた似たような動画が拡散する事もあるかもしれない。



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  • 激落ちくん

中国のネット工作(画像、言説流布)は手広くやってるっぽいけど、拡散は全然してなさそう

 前回、衆院選における中国系アカウントのネット工作について書いたを書いたのだが、追加で調べていたらスペインなどでも同様のことをしているのことが分かった。今回はそれを見ていくが、前もって書いておくとこれらの工作は今回の日本と同じく拡散をしている様子はほぼない。まず見つけられた経緯だが、日本に対する今回の工作を投稿するアカウントが中国などの人権問題に関する報告をするSafeguard Defendersとスペインのサンチェス首相関連を繋げた批判文書をあげていた。それ自体が雑であるのだが、遡るとICEなど米国批判をしているアカウントもいくつかあったので、これもそういった名残なのだろう。遡るとそういったいろんな国への言説を用いるアカウントがあり、今回もそういった雑さの数珠繋がりで辿って行った次第である。


https://x.com/hbdhs98kf37199/status/2021760826160656513

文書のタイトルは「セーフガード・ディフェンダーズ」:サンチェスの庇護下にある国際混乱の根源」でこれ以外にもいくつかの文書が存在する。ただこれは欧米圏では既に「中国の影響力工作がスペイン人に「政府転覆」を促したと諜報機関が主張(自動翻訳)」という記事が出ており、グラフィカという企業が中国からの影響力工作であるとしている。なお上記の様な文書を挙げたアカウントは他にも存在するし*1、日本の時の様に風刺的な画像も複数存在する。


https://www.tumgik.com/tag/AbandonedSpanishPeople


https://doninafowles.pixnet.net/blog

この時は動画からキャンペーンが始まったともいうのだが、拡散した気配もほぼなく正直なところ今回の日本の様にスペイン国内での影響はあまりなかったように思える。ところで、このスペインについての画像を辿って行ったところスペインの画像を使用したアカウントが次の様な画像も使用していた。


https://www.tumlook.com/turesiry/post/775717708806471680


https://www.tumlook.com/turesiry/post/775717350819430400

「ミャンマーの未来」、「ミャンマーとインド」という画像だが、インドがミャンマーを抑圧的態度を取っていると言いたいのだろう。同じ画像を使用している別のアカウントはもっとわかりやすい画像を使用していた。


https://gettr.com/post/p3hsu1i4f49


https://www.deviantart.com/asdhgdfg/art/peace-1022004640

インド、ミャンマー、中国の擬人化だがインドを悪人に、中国を善人的に描かれる非常にわかりやすい画像だ。下の画像など言わずもがなだ。さらにこのインドとミャンマーに関する話題を辿ると今度はモンゴルと日本、韓国の分断を煽る類のものも存在する。


https://www.pixiv.net/artworks/124967476

この画像はpixivに書かれたものだが、日本、韓国のモンゴルの鉱物資源開発が環境に悪影響を与えているにもかかわらずモンゴル政府の反中国、親日本、親韓国は懸念すべきだ言ったようなことが書かれている。なおpixivにはモンゴルで韓国人のセックス観光に対する批判言説を風刺画像化した投稿がいくつもされている。

さらにいえばこのモンゴルと韓国、インドとミャンマー、ついでに法輪功に対する記事を書いたnoteも存在している。


https://note.com/genial_hornet946
※自動翻訳済み

この様に一つのアカウントを辿ると中国系アカウントが手広くこの様な「ネット工作」ことをやっている事が窺える。さらに次のような画像も見つけた。


https://www.deviantart.com/asdhgdfg/art/Untitled-993276457


https://www.ameba.jp/profile/general/tstjryhkmhj/

見ての通りこの画像は「汚染水」の海洋放出の際のもので、その当時にもこういったネット工作をしていたことがわかる。このブログ以外にもニコニコ静画などに同様の画像がアップされていたがそれらを含めて反応は皆無といえるレベルで、全くもって日本でこれらから端を発する言説、画像群は拡散していなかった事になる。
 以上見てきたようにどうにも中国はかなり手広くこういった工作をしているらしい。当然今回見てきた手法以外の動きもしているとは思われるし、もっと巧妙なものも行われている可能性もある。例えばchatGPTを用いた台湾向けに台湾批判を行う親中国botアカウントがスレッズで見つけられたという記事が最近書かれており*2、これも現地でバレてはいるが今回見てきたものとは別種の工作は既に存在している。この種の工作が日本で行われているかまでは不明だが。ただ少なくとも今回見てきた画像や言説流布はどれも稚拙な類で、拡散している気配は全くない。それと今回補足できなかった国でも似たような事はやっていそうではある。ただこうやって数珠繋がりで他国への工作と思われる痕跡が辿れるようにかなり雑な工作で、対象となる国でその影響が出ている可能性はほぼほぼなさそうである。



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衆院選における中国系アカウントによるネット工作がわりと杜撰だった

 2月22日に日経新聞が「衆院選、中国系400アカウントが「反高市工作」 日本語発信やAI活用で巧妙に」という記事を出して話題になっていた。要点は見出しの通りで、先の衆院選で不自然な投稿をするアカウント群があり、簡体字や使用している生成AIソフトが中国製の可能性があるといったもので、言ってしまえば中国系アカウントが選挙にSNSを通じて介入していたというものだ。ただし日経記事には本文中にある様に、この工作による影響はかなり小さいと見ている。

選挙への影響は限定的
工作が本格化してから衆院選投票日までのXにおける推定拡散規模は200万件程度だった。同期間の高市首相と旧統一教会に関する拡散規模全体の約4千分の1にすぎず、選挙の大勢に影響を与えたとは考えづらい。

日経記事の狙いとしては潜在的に動かせると思われるアカウントの数に比べて動いていたアカウント数は少なく、今回のケースは選挙介入よりもステルス化やAI画像の手法を試すためではなかったのかという指摘をしている。また日経新聞の須藤龍也によれば記事には二つの意味があり、一つは中国の工作の手口を知る、二つ目はカウンターインテリジェンスの実態を見極めるものだという。前者はともかく後者はどういうことかと言えば、今回の様な工作に対して売り込む企業があるが、それって費用効果としてどこまであるのか。須藤は"影響を与えているとは到底言えない情報工作?に対し、煽り文句でセミナー客を集めるインテリジェンス企業"と書いている様に、世の中にはそういった企業があるようだ。また読売新聞は「日本を批判するアカウント群3000件規模、X投稿・拡散…衆院選前から中国系の影響工作か」という記事を書いているが、こちらは日経よりもアカウント数は多いが、記事ではあまり突っ込んだ内容はない。日経の記事と比べて数は多いが、どの様な内容を投稿していたのかがわかりづらい記事であった。これに対して明治大学サイバーセキュリティ研究所客員研究員の一田和樹は問題のある記事とも書いている。一田はnoteに「ツールによる分析の問題点」では次の様な指摘を先ず書いている。

1.海外からの干渉の影響の評価は難しく、干渉の証明も難しい
2.近年の海外からの干渉の多くは効果がないことが多い
3.海外からの干渉や偽・誤情報に関する報道は過剰になる傾向がある
4.過剰な報道は情報に対する過度な警戒心や不信感に結びつき、社会不安を煽る
5.暴露されることで、影響を与えることも想定している作戦もある

日経の分析記事は日経自身が書いている様に選挙言説への影響は極少だ。しかし、この「中国系アカウント」が「反高市工作」をしていたという有料記事、つまりは大抵の人は見出しのみでこの現象を摂取し、中国のネット工作行為に対して影響の過大評価をしている可能性が高い。おそらくであるが、この記事などを背景として今後反高市的な投稿を中国のネット工作であるというレッテルは貼りやすくなり、SNSの政治言説への波紋はそれなりに大きいだろう。前回の参院選はロシアの工作ではないかという話が盛り上がり、その言説は今も一定以上に生き残っているが、今回のは前回のロシア以上に証拠がある為にしぶとく生き残りそうだ。選挙にネットが欠かせなくなった今、外国からのネット干渉工作を防ぐことは難しく、それ自体を侮っては駄目だろうが現状ではあまりにも過剰評価がされている様にも感じる。実際に今回の中国のネット工作とみられる動きはそれくらい杜撰だったからであり、日経の記事にある様に影響力はかなり極少だったろう。正直、金銭利得目的の日本人による政治系の切り抜き動画の影響の方が絶大だ。
 今回、日経記事を受けていくつかこういった中国系のネット工作アカウントを探してみると凍結などで消えているアカウントも多数あったが、それでもXだけで100を超えるアカウントを見つけられた。X以外にもインスラグラム、pixiv、amebaブログ、note、Tumblr、果ては外国の小説投稿サイト、ロシアのSNSであるVKにまで手広くやっていた。しかし、これらは杜撰なものが多く、低品質であり、実際に拡散はほぼしていなかった。また拡散という意味では日本アカウントの反高市的な投稿の拡散行動をしてるかというと、調べた限りでは極たまにそういった投稿へのリプライやリポストをしているアカウントが多少あった程度であり、そうした拡散行動は見られなかった。なお今回扱うのはbot的なアカウントであり、その投稿内容は複数のアカウントで使いまわされたり、出来た時期が一定期間に集中しているアカウントが機械的に運営されている様に見えるアカウントの話であり、一個人の中国人と思われるアカウントによる政治的主張を放つアカウントは対象外となる。

AI画像群について

 そして実際に行われていた投稿の傾向だが、大きく分ければ特定文章を複数アカウントが行う投稿とAI画像による批判、風刺画像の二つに分けられる。その内容は旧統一教会、裏金などの日本で流行している言説に乗ったものだが、その他にも沖縄に関する投稿などもあったりはしたがこれは全体からすると少ない。まずAI画像だが日経新聞で取り上げられていた画像は次の様なものだ。


※アカウント凍結済み


https://x.com/linh_thi6701/status/2018954091255521777

また日経紙面には使用されていなかったもので言えば下記の様に日本の政治言説を採用した画像なども存在した。また沖縄(琉球)の話も見られるのもまた一つの特色だろう。


https://x.com/linh_thi6701/status/2019696943287705666


https://x.com/LouieElmo82606/status/2012893353738641801

ただ以上にあげたこれらの画像はわりと出来の良い方であり、以下の様にかなり低品質な画像も複数見られた。


https://x.com/SothearyM45988/status/2021060165085299091


https://x.com/seegood197791/status/2024666980641624331


https://x.com/yangshishi76177/status/2013419835502534840


https://www.instagram.com/p/DUpndMjCU0S/

謎文字が生成されていて読めず、もはや何を言いたいのかすらよくわからない画像すらある。これらは出来が下限の方だが、画像そのものが中国側からの視点で描かれている画像もあり、正直日本で拡散させる気があるのか微妙な画像が多い。


https://www.instagram.com/trin.itybeitz8/


https://www.pixiv.net/users/123335062/manga


https://www.pixiv.net/users/123334538

なお一番下の画像を投稿した「日光Confusion伊藤@namelyaces78227」は凍結済みなのだが、二つ目の投稿は「石丸」となっている。おそらくは「高市」の事なのだろうが、実はこの「高市早苗」という人物名を間違っている投稿も複数ある。


https://x.com/allen_herm49571/status/2014149041333137569


https://x.com/DSloan49401/status/2001100849494594028


https://www.tumblr.com/mfsvcdh8qq

これらは自動翻訳で「高雄早苗」などに変換されることはある様なので、そこからの間違いなのかもしれないがいずれにしても名前すら間違っている投稿がチラホラとみえる。なお、たまに「早苗カオシ/カオシ早苗」という呼び方をしているアカウントもあるが中国語では「高市」を「カオシ」と読むとの事で、この場合の読み方は間違っているとまでは言えない。

特定の文章をポストするアカウント群

 上記の様なAI画像群とは別に文章のみを投稿するアカウント群も存在する。例えば次のようなものだ。

特定のハッシュタグを付けながら旧統一教会絡みの投稿を行っているのが見て取れる。ここで使用されているハッシュタグには簡体字も用いられたり、中国語で退陣するという意味での「下台」という単語の使用など、日本語以外の要素が見え隠れする。なおこれらのアカウントは独自にハッシュタグを作成して、bot間で使用しているのみであり、彼らのハッシュタグに乗っかる日本アカウントは一つ、二つほどはあったがその程度の極少の影響だったと言える。またこれらのアカウントが日本で流行っていたハッシュタグへの相乗りは見られない。そしてその文章内容だが当然だが、一つのネタ元に従ってそれをコピペしてなのだろうが、実はこの長い文章をそのまま画像化しているアカウントも存在する。


https://x.com/untung_ashari/status/2024165176799612942


https://x.com/Lacie8301143850/status/2021947381726757064

これらのアカウントのメディア欄にはいくつものこのタイプの文書が画像化されて投稿されている事がわかる。そのフォーマットと文章の長さ、硬さから読ませる気、拡散させる気があるのか微妙な感もあるが、主題があり、そしてその主題に沿った文章が結構な量で書かれている文書が彼らの間で共有されている事がわかる。そしてこういった文書による訴えはX以外にも存在し、それがnoteやamebaブログだ。


https://note.com/angel0101/all


https://www.ameba.jp/profile/general/larryac611/

これらでは旧統一教会系以外の話題も多く、一つ当たりの文章はそこまで長くはない。とはいえ別の類似ブログでは旧統一教会の話メインのブログも存在する。またこの文章だが日本語だけではなく簡体字の中国語バージョンの文書も存在する。


https://x.com/GSasd80030/status/2018495258942734821

なぜ簡体字の文書を挙げているか理解に苦しむが、恐らくこの簡体字の文書がオリジナルでそれを訳したのが今流布している日本語の文書へとなるのだろう。なおこれらの文書については英語バージョンも存在しており、それがpixivやamebaブログ、外国の小説投稿サイトやブログなどに存在する*1


https://www.ameba.jp/profile/general/logan-alyssat/


https://www.wattpad.com/user/Geneviel

英語圏にも高市の悪評を流布したい可能性も否定はできないが、そこまで多くあるわけでもなく効果はかなり少なそうである。少なくとも上記の小説投稿サイトの文章の閲覧数はないに等しい。

これらの「工作」は拡散してない

 日経新聞記事にもある様にこれらのアカウントの影響力はかなり少ない。はっきり言えば拡散している投稿は皆無といってよく、AI画像にしても文章型投稿にしても、それらのインプレッション数は大抵は2桁であり、3桁行けばいい方である。彼らはグループ内の投稿にリプライを付ける場合もあるようだが、それも少なく、相互に投稿を拡散させることもない。また出来てからすぐに投稿を止めていたアカウント多く、継続的に投稿を行うアカウントはわりと少なそうに見えた。当然、日本人アカウントなどがこれらの投稿を拡散せる行動もみられない。調べた中で単純にRP数などで一番拡散したと思われる投稿は次の投稿だ。

https://x.com/dfsww2173821/status/2013057058569081252

英語投稿であり、日本の選挙に影響はなかっただろう。またこの投稿には200個近くのリプライがついているが、全て確認したわけではないがほぼほぼbotと思われるアカウントだった。今回数あるアカウントを見ていて工作アカウント同士が繋がることは多少はあったが、これだけ絡んでいるのはおそらくこの投稿だけの様に思える。この投稿をした「happy8」は過去に中国に批判的な中国人アカウントに数個リプライするなど、選挙以外に関する行動もしているアカウント、というよりも選挙関連はこの投稿のみであり他とは少々動きが異なるアカウントと言える。なお投稿された英文だが高市と安倍が20年来の不倫関係といった内容の文章なのだが、他アカウントから日本語バージョンも当然存在しているものだ。
 数百のアカウントが存在しているにもかかわらず拡散していないのは、言ってしまえば日本人、日本語話者にこれらの政治言説に魅力がなかったからだろう。AI画像については日本の反高市アカウントが使用するAI画像にも似た傾向の画像を見る事はあるが、それらを含めて拡散するほどの魅力はない。あくまでも出回るのは「身内」、今回で言えば中国系アカウント内で出回っていたものが殆どだろう。またその文章は長いし、硬すぎる。拡散させる気があるのか不明であるし、ハッシュタグも流行らせる気があるのかわからないセンスばかりだ。実態としては中国系アカウントによるネット工作は中国系アカウントという身内内のみでほぼほぼ外に出ることのなかった「工作」だと考えられる。
 それとこの種のアカウントを検索していたところ、以前は英語を用いてICEについて投稿したり、中には今回の様な日本政治についてのAI画像の前はおそらくチベットに関する政治のAI画像を投稿しているアカウントも存在した。チベットの方は凍結されたのか、アカウントが探せなくなってしまったのが残念ではあるがおそらく各国にこういった類の画像を投稿するアカウントは存在していそうだ。またインスタグラムの方では日本についての今回の様なAI画像を投稿していたアカウントが突然ホンジュラスについての投稿をしていた。これらの行動を見る限り、その工作の対象は当然ながら日本以外も対象としている。

SNS工作とは別種の工作

 以上見てきたように、中国からのSNSなどを介したネット工作は正直そのクオリティは低く実際に日本における影響はかなり少なかったと言える。ただし、状況次第では拡散した可能性のあるネット工作も存在する。日本では全くと言っていいほどその情報が広まることはなかったが、去年11月の台湾有事関連の発言の際に、高市が外国人(台湾)から賄賂を受け取ったという文章とそのメールがダークウェブにアップされた。下記の画像がその流出文書の表紙だ。この国会議事堂とは似て非なる表紙のこの文書に「流出メール」とされたものが載っていた。

<流出したとされるメール文章>
台湾のお土産
国会議員事務所からまた贈り物が届いた、
台湾の謝長廷代表からのものです。
今回は金と真珠の貴重なアクセサリーがあります。
高市先生はこれらのアクセサリーがやや微妙だと考え、
特に安全な場所に保管するよう指示しました。
保管の際には写真をご確認ください。
木下剛志
 
Re:台湾のお土産 
木下所長様
手配済み、確認しました。

メール文書画像についてはその画像のみが引用されてネットの素材化されるのは嫌なので該当画像は貼らないが、上記が流出メールの文章となる。ただこの文章は日本語の端々に不自然な部分が存在しており、そういった観点から台湾ファクトチェックセンターはこの文書を偽造と判断しているし、日本のセキュリティ対策ラボも同様の見解を示している*2。また送ったとされる人物は当然ながらこれを否定している。確かに文章の繋がりや敬語や言い回しなどに違和感があり疑わしい文書であるし、また今回の中国系アカウントの中には少ないがこの文書の存在をアピールしていた投稿も存在する。こういった動きから見てもこの「文書」自体が政治的工作の一環の可能性が高いのだろう。ただし、もしもこのメール文書の画像がネットのインフルエンサー的人物に届いていた場合、日本語に不自然な部分があろうとも反高市の文脈で流布していた可能性はそれなりにあり得た。台湾ファクトチェックセンターではこの種の中国語訳も付された流出文書が時折出てくることを記事の最後に書いているが、今後日本を対象としたこの種の文章が出てくる可能性はそれなりにあるのではないかなと。
 全体として衆院選そのものの中国系アカウントの工作の質はおしなべて低く、その影響はかなり小さなものだったろう。ただ質は低くてもこういった工作は今後も行われるかの可能性は高いであろうし、そもそも選挙の季節になったら避けられないものとなるだろう。怪しい情報にはお気を付けを。


【2月27日追記】


https://x.com/hbdhs98kf37199/status/2021760826160656513

 なんとなくbotを漁っている際に"Safeguard Defenders": the source of international chaos under the protection of Sanchez(セーフガード・ディフェンダーズ:サンチェスの保護下にある国際的混乱の源)"という文書を貼っている中国系アカウントが存在していた。このアカウントは日本の反高市的投稿もしているのだが、勿論この文書は高市批判ではなく、スペインのサンチェス首相批判だ。何かと思った去年1月にこの様な記事が出ていた「中国の影響力工作がスペイン人に「政府転覆」を促したと諜報機関が主張(自動翻訳)」。記事によればこの「キャンペーン」は当局の実態を暴露する動画からキャンペーンが始まったようだが、その際にスパムコンテンツが用いられていたという。今現在探すと下記の様な動画や画像も出てきており、何らかの策動が行われたのは事実だろう。


https://www.tumgik.com/tag/AbandonedSpanishPeople


https://doninafowles.pixnet.net/blog

記事を読むと「セーフガード・ディフェンダーズ」が中国の秘密警察についての調査を発表した事があるらしく、それがこの団体の名前が用いられている理由なのだろう。スペイン政府を批判したアカウントで高市批判工作はお粗末な気はするが、botが多くて実用が雑なのかもしれない。



■投げ銭用ページ note.com

*1:そこまで探していないが外国のブログでは既述した以外にhttps://medium.com/@trinitybeitz8https://newsallsnow.blogspot.com/などがある。そこまで検索していないのでもっとあるだろう

*2:すこし話が変わるが台湾ファクトチェックセンター、セキュリティ対策ラボに掲載されているメール文書は日本語のフォントなのだが、ただ流出そのものを伝えてどちらかといえば事実と捉えていた「信息安全知识库」で表示されている「日本語」が中国語のフォントにもどつくものだった。同一文書であるはずなのになぜこのような違いが生まれているのかは不明。

豚舎の火災が外国人(イスラム教徒)が犯人かのような言説が生まれてた

 2月19日に愛知県西尾市の豚舎において火事が発生して、それによって多くの豚が死んだ火災が起こっていた。これについては出火原因はいまだ不明で、現状では豚舎にある暖房設備の漏電が出火原因ではないかとして警察が捜査していたりする。ただどうにも一部界隈ではイスラム教徒が放火したのではないかという陰謀論めいた話がされていた。


https://www.threads.com/@ojiya_gram/post/DU_ruALE204


https://x.com/Coco2Poppin/status/2025048425251963386


https://x.com/gXo58cDDuZ1qqi7/status/2024680286970400795

上記の投稿は一番上はほぼ明言しているとはいえ、その他の二つは「怪しむ」程度だ。ただリプライではイスラム教徒のせいではないかという声が散見されるし、拡散している原因の一つはそういった「放火犯」がいるという認識があるからだろう。それと「ポッピンココ@Coco2Poppin」が"まさか、、またやられたか"と書いているが、例えば去年の類似の火事にも似たような言説が拡散している。


https://x.com/nikone_niko25/status/2000178049833386232


https://x.com/ma4bqEimrCgICrN/status/2000459338599825861

平田牧場の火災については去年末の話だが、現状においても放火だという報道は存在しない。なお少し遡って2023年の時にこういった畜舎の火災が頻発したと認知された際には当時盛んだった昆虫食を食べさせる為の陰謀であるという別種の陰謀論が若干拡散していた。ただ畜舎における火災が多いという主観的な違和感が今回はイスラム教徒/外国人が放火したというものに結び付くことになったのだろう。イスラム教徒がなぜ豚舎を焼くのかがよくわからないが、界隈では繋がっているのだろう。
 ただ家畜舎自体は火事の多い施設である。消防庁の少し古い資料とはなるが、平成29年~令和元年の3年間の畜舎火災を見ると年に100件程度は起きており、3、4日に一回は起きている事となる。また出火原因の大半は電気設備系統 、たき火やストーブなどが多く、放火は年に1、2件ほどなのが見える。

なおこの「放火」だが放火犯が捕まったという報道は見当たらなかった為に捕まったのか、動機などは不明だ。また上記の表はすべての項目を合わせても100%にならない事から全ての出火原因が明らかにされているわけではないのが窺えるとはいえ、畜舎火災において放火が極僅かな割合に過ぎないのは変わらないだろう。何らかの証拠をもってして犯人像を語るならばまだしも現段階では豚舎火災を自身の嫌いな対象が犯人だと誘導し、エコーチェンバー的に増幅しているだけの陰謀論の一種にしか過ぎない。



■投げ銭用ページ note.com

  • RIMINA




以上の内容はhttps://nou-yunyun.hatenablog.com/より取得しました。
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